メジャーリーグフィッシング(MLF)が2020年シーズンに向けルール変更を発表
アメリカ・メジャーリーグフィッシング(MLF)は2020年1月9日、今シーズンに向けてのルール変更を発表しました。カウントされるサイズの最小サイズがフィールドにより変更されるほか、決勝戦への出場権の獲得方法にも一部変更がされました。詳しいルールの変更点と今後の見どころについて考えてみます。
こんにちは!店長の小山です!
本日は海外バスプロトーナメント団体のひとつ、メジャーリーグフィッシング(MLF)においてルール変更がされたことについてお伝えさせていただきます。
引用先:majorleaguefishing.com Bass Pro Tour Implements Variable Minimum Weight for 2020
2019年のメジャーリーグフィッシングを振り返ってみる
2019年から始まったメジャーリーグフィッシングのツアートーナメント「バスプロツアー(BPT)」。
これまでカップ戦のみだったMLFにツアー戦が組み込まれるにあたって、少数精鋭のメンバーに大幅にプロ選手が加わりました。(30名から80名)
また、カップ戦しかなかった時は全選手がB.A.S.S.やFLWのような他団体との掛け持ち参加をしていましたが、2019年からは掛け持ち登録はされなくなりました。(各団体のオープン戦は除く)
そのほか、これまで有料チャンネルでのみ放送していたMLFでしたが、バスプロツアーはMLFサイトなどから無料ストリーミング放送で観戦できるようになりました。
参加費無料+高額賞金というメリットをもって既存の各団体より人気アングラーを大量に引き抜き、また無料ストリーミング放送という視聴者側へのボーナスもつき、アングラーと視聴者のどちらにとっても良いことずくめということで始まったこのツアー戦でしたが、始まってみると、やや物足りないという声をSNSで目にすることがありました。
原因はキーパーサイズ(MLFではスコアラブルサイズと言います)が1ポンド(約450グラム)というのが小さいこと、そして5本リミットがないことで、小バスの数釣り合戦になっているというのが主な理由でした。
これはもしかしたらアメリカでも多く上がった声なのか、メジャーリーグフィッシングアングラーアソシエーション(アングラー組合)の方で協議され、今回のルール変更に至ったようです。
これまでのルールやみどころについてはこちらの記事をご覧ください。
メジャーリーグフィッシング2020年のルール変更点
では具体的に、どのようにルール変更がされたのかといいますと、これは2点ありまして、ひとつはスコアラブルサイズのフィールドごとの変更があるということ、もうひとつは、チャンピオンシップバース(出場権)についての変更です。
それぞれについて見ていきます。
スコアラブルサイズの変更
カウントされる最小サイズは、そのフィールドごとの魚影の濃さ、釣れやすさ、予想される平均サイズに基づき、個別に変更されます。
これはゴルフでいうところのホールごとに変わるパー数のように難易度を評価され決定されるということですね。
さしあたって2020シーズン開幕戦であるユーフォーラレイクでのスコアラブルサイズは最小2ポンドに決定されています。
2ポンドといいますと約900グラムですから、長さとしてはラージマウスでだいたい15.5インチ(約38センチ)、スモールマウスでだいたい15インチ(約40センチ)ということになります。(下の記事を参考にしています)
これはユーフォーラレイクのポテンシャルを考慮されての決定ですから、2ポンドのバスが釣れることは別に珍しくないのだと思います。
ただし、ほとんどのアメリカのトーナメントでのキーパーサイズが12インチ(約30センチ)にされていることを考えると、かなりの増量ですね。
このことから、他にも大型のバスが釣れるフィールドのスコアラブルサイズは大きく変更されるのでしょうし、あまり大型のバスが釣れないフィールドでも、攻めた設定がされるかもしれませんね。
チャンピオンシップバース(出場権)の変更
2020年のバスプロツアートーナメントでのもう1つの変更点は、これまで「ショットガンラウンド」と「エリミネーションラウンド」だったものが改名され、クオリティラウンドとなったことです。これはグループAとグループBの予選各グループで最も重いウェイトを出した1名ずつ、計2名のアングラーが10人で競うチャンピオンシップラウンドへ自動的に進出できるというものです。
バスプロツアーは1試合が合計6日間のスケジュールで行われますが、80名の選手を40名ずつA/Bのグループに分け、1日目と3日目をAグループの1次予選、2日目と4日目をBグループの1次予選に割り当て、それぞれ上位20名ずつの計40名が2次予選となる5日目のノックアウトラウンドに進み、その40名のうち上位10名が6日目の決勝ラウンドに進む仕組みでした。
この1次予選のトップアングラーが自動的に6日目の決勝ラウンドに自動的に進みます。
5日目の2次予選から決勝ラウンドに行けるのは8名になります。
1次予選をトップ通過すれば、決勝ラウンドの賞金ゲットが確定します。1位10万ドル(1千万円)から10位1万2千ドル(130万円)です。
決勝戦は予選ラウンドのスコアがリセットされますので、少し乱暴な言い方をすれば、1/10の確率で賞金1千万円が獲得できる近道になった、ということもできるかもしれません。
この変更については、これまでの傾向からすると予選トップ通過をしたアングラーが終始トーナメントをリードする場面が多く、テレビ中継される意味があまりありませんでした。(テレビカメラは最高10台なので、決勝戦以外は全艇カメラ付ではなかった)
トップ2人がいないノックアウトラウンドでは、より戦略的なエリア選択などが必要になると思います。(トップ通過した選手と同じエリアに入るという戦略ができくなる。)
という見方ができるようになるかと思います。
2020年のメジャーリーグフィッシング・バスプロツアーはどうなるか
このルール変更で考えられることは、予選でのスタートダッシュがより重要になるということで、より積極性の高い試合になると思われます。
ただし、去年言われていたような「小バスの数釣り合戦」からは脱却しきれないと思います。
これまでの1ポンドが最小サイズというのは確かに小バスと呼べるサイズで、このサイズばかりだとちょっとなあ、と思うのは仕方ありませんが、ここ最近の実際の結果から1試合1本あたりのバスの平均重量を割り出してみたところ、だいたい1.7ポンドになりました。
ということは、実際は2ポンド以上のバスも多く釣られているんです。
このことを鑑みると、これがスコアラブルサイズが最小2ポンドとなった時、4パウンダー5パウンダーが多く混ざるかと言えばそうではなく、実際はこれまでのサイズのバスが多く釣れて、カウントされないでリリースというシーンが増えるだけという気もします。
そうなると、B.A.S.S.などの既存トーナメントのファン層をもっともっと獲得するのはまだ先になるかもしれません。
ただ、MLFの発表では当初からルールは状況に応じて随時変更していくという柔軟な姿勢を採っていますので、この新しい団体はいろんな方面からの意見を取り入れて、今後も改善を続けていくのかもしれません。
個人的には、そういう部分も含めて今シーズンを観戦してみたいと思っています。
スコアラブルサイズの変更というと、今シーズンのスケジュールを見ると、ユーフォーラレイクの他にキシミーチェーンもフロリダバスのデカバスフィールドですし、シャンプレーンやセントローレンスリバーは巨大スモールマウスフィールドでもあります。
このへんのサイズ設定も気になりますね。
それから、MLFが吸収したFLWでは、1試合の中で5本リミットとノーリミットを混ぜて行うようですが、そのやり方も気になりますね。どうなるのでしょうか。
バスプロツアーは2019年に始まったばかり。FLWとの関係も、まだ今年が合併元年です。今年FLWから加入したブライアン・スリフトとデビッド・ダッドリ―の2大巨頭はどういう成績になるでしょうね。
こんな感じで、新しいルールや新加入選手、カップ戦への影響、このあたりに注目して2020シーズンを楽しんでみたいと思います。
ちなみにカップ戦では2020年1月25日放送分現在、チャレンジカップで大森貴洋選手が1次予選をトップ通過し、次はサドンデスラウンドです!
カップ戦は27名で3グループに分かれて1~3日目をそれぞれ1日で1次予選を決着し、4~5日目でサドンデス、6日目が決勝戦となります。
それぞれの日程が少人数で競われるため、これまでに大規模なトーナメントが行われなかったような割と小規模のフィールドで試合が行われる点も非常に新鮮です。
これまでメジャーフィールドメインで戦ってきた選手たちにとってはまさにノーインフォメーション、スリリングな立ち回りが観られます。ちなみにカップ戦は収録放送なので編集もいい感じですよ。
興味があれば見てみてくださいね。視聴方法はこちらの記事にございます。
ということで、私は今年もMLF、B.A.S.S.、FLWの試合をこっそり楽しんでいこうと思います。
それではまた。
毎度ありがとうございます!