今、再びのクランクベイトのニーリングテクニック

今、再びのクランクベイトのニーリングテクニック
Photo by bassfan.com

ニーリングというテクニックは、今ほどタックルが進化していなかった時代に必要とされたディープの釣りテクニックのひとつです。今は使うシーンが減ってきているはずなのですが、このテクニックが再び注目されそうな気配もあるんです。

こんにちは!店長の小山です!

本日は海外サイトより、”Bertrand Derives Efficiency From Kneel-'N-Reel Method”という記事を引用してご紹介いたします。

引用先:bassfan.com ”Bertrand Derives Efficiency From Kneel-'N-Reel Method”By John Johnson|January 15, 2021

みなさんは、ニーリングというテクニックをご存知でしょうか。

今ほどディープの釣りが盛んでなかった時代、あるいは、クランクベイトというルアーがシステマチックでなかった時代、もしくは、今ほどラインや魚探が進化していなかった時代というべきでしょうか、そういう時代があったのです。

色々な理由が重なって、特に効率が重視されるトーナメントシーンにおいては、ディープの釣りというのが後回しになっていた時代が、もうだいぶ昔の話になりますが、ありました。

そのころ、先駆者であり今やレジェンドと呼ばれるプロアングラーの方々は、他のライバルを出し抜くために、今あるタックルで、より確信を持ってディープへ巻き物ルアーを到達させて釣るにはどうしたらいいかを考えていたのだと思います。

そこで生まれたのが「ニーリング」というテクニックで、まあ言ってしまえばなんのことはない、ボートのデッキに膝をつき、ロッドを水中に突っ込んでリールを巻くというもの。

これにより、ロッドを下げた分だけ、クランクベイトがより深く潜るというテクニックです。

それについてはこちらの記事もご覧ください。

このスタイルは、ノーマル状態で使っても10mも潜るクランクベイトが登場したことや、より細くて強いラインが開発されたことで、使うアングラーは減っていきました。

しかし、その廃れたように見えるニーリングテクニックが、今再び注目されようとしているかもしれないんです。

一体どういうことでしょうか。

この記事は、アメリカのバスフィッシング専門ニュースサイト「BASS FAN」のコラム記事で、メジャーリーガーのジョシュ・バートランド氏にクランクベイトのニーリングについて取材されたものです。

ニーリングテクニックを今まで知らなかったという方も、よくご存知の方も、読んでみてください。

ジョシュ・バートランドとニーリング

引用文(タップすると開きます)
Major League Fishing pro Josh Bertrand relies on the kneel-'n-reel technique frequently when fishing crankbaits. In fact, he’s almost always got his rod tip plunged several feet below the water’s surface when retrieving his initial cast of the day with a diving plug. He wants to ensure that his opening presentation features some fish-attracting deflection. Dropping to his haunches and pointing his rod toward the bottom of the lake can get him an additional 4 to 5 feet of depth with the bait. “I’d rather make sure the bait gets to the bottom on the first one rather than waste that cast," he said. “If it ends up grinding really hard, then I’ll stand up and fish conventionally. “It’s really about efficiency – I do believe it’s a wasted cast if it doesn’t hit the bottom and if you’re cranking all day, you can save yourself a ton of casts." He warns, however, that it’s a physically grueling routine that may not be suitable for everyone. “This is no exaggeration; the first time my buddy and I did it in a tournament back in the day, he said he had to have his wife help him out of bed the next morning."

メジャーリーグフィッシングのプロであるジョシュ・バートランドは、クランクベイトを使う時、ニーリングテクニックを良く使っています。たしかに彼は、ディープクランクを試合で使うとき、1投目からロッドティップを水面に突っ込んで使っています。

彼は、プレゼンテーションの早い段階から、ルアーの持つバスを引き付ける機能を充分に発揮させたいと考えています。腰を落とし、ロッドを水面に突っ込むことで、ルアーはさらに1〜1.5メートル潜らせることができます。

「キャストをなるべく無駄にしないために、初めのうちからルアーの潜行深度いっぱいで使いたい。 それでボトムをガツガツ叩くようであれば、立ち上がって普通に使えばいいんです。」

「単なる効率の問題です。クランクがボトムに当たっていない時間はそのキャストの中の無駄な時間だと思います。一日中クランクを巻くのであれば、これでかなりの無駄な時間を節約できます。」

しかし彼は、これがすべてのアングラーに適しているとは限らない、肉体的にキツいことなのだと言います。

「これは大げさに言っているのではありません。私が連れとトーナメントでこれをしたとき、その連れは翌朝、1人ではベッドから出られないほどの筋肉痛に襲われたそうです(笑)」

より小さなシルエットのルアーが使える

引用文(タップすると開きます)
Most BassFans know that the kneel-'n-reel technique first gained prominence way back in 1982 when Paul Elias used it en route to his Bassmaster Classic victory. Elias, currently one of Bertrand’s fellow MLF competitors, also used it at Falcon Lake in 2008 when he set the 4-day B.A.S.S. weight record (132-08) in an Elite Series tournament. Bertrand said he first tried it about 14 years ago in a team event at Lake Roosevelt in his home state of Arizona. “My buddy and I just found a group of fish and we couldn’t get on them, so we started doing it together," he said. “We had good equipment for the time, but the baits didn’t cast like they do now and our rods were slightly shorter, so everything was a little bit muted." One of the biggest advantages is it gives an angler the ability to get a smaller-profile bait to depths that only an enormous plug with a bill the size of quarter-cup measuring spoon can reach conventionally. “Those fish down there aren’t seeing (the smaller offering) over and over and I just think it looks more natural." It’s a much simpler program to run nowadays than it was a decade or more ago due to the ability of modern GPS-equipped trolling motors to keep a boat dialed onto a specific waypoint, which eliminates the need for constant attention from the operator. “The biggest challenge before was always boat control and you were up and down and up and down the whole time. It can take quite a while to fish a cast with a bait that’s going down to 20 feet and even a 5 mph wind would be enough to make you drift totally off what you’re fishing. “With anchor-lock, it’s so much easier – the boat’s not drifting 20 feet and making you stand up and readjust. It’s a nightmare without it."

多くのバスアングラーがご存知の通り、このニーリングテクニックは、1982年、ポール・エリアス氏がバスマスタークラシックに勝ったときに使っていたことで注目を集めました。現在もバートランドの仲間でありMLFのライバルの1人であるエリアスは、2008年にファルコンレイクでのB.A.S.S.エリートシリーズのトーナメントでの4日間トータルのウェイト記録を持っています。(132lb-08oz)。

バートランドは、約14年前、故郷のアリゾナ州にあるルーズベルトレイクでのチーム戦の試合で初めて試したそうです。

「私とチームメイトはいいバスの群れを見つけました、しかし上手く釣ることができなかったので、一緒になってニーリングをやってみました。」と彼は言います。 「当時は良いタックルを使っていたとしても、ベイトリールは今ほどロングキャストできず、ロッドも短いものしかなかったので、全体的に少しずつキャスト距離は削られていたんです。」

最大のメリットの1つは、巨大なリップを持つディープクランクでなければ到達できなかったレンジまで、より小さなシルエットのクランクを到達させられることです。

「ディープにいるバスは小さなクランクは見慣れていないはずですから、よりナチュラルなインパクトを与えられると思います。」

最新のGPS搭載のエレキによりボートを特定のポイントにキープし続けることができるため、今日では10年以上前よりもはるかに簡単にこれがやりやすくなり、常にエレキに注意を払う必要がなくなりました。

「これまでの最大の課題はボートのコントロールでした。ボートは常に前後左右にズレようとします。水深6メートルも潜るルアーをキャストし、釣るにはかなりの時間がかかることがあり、風速8メートルの風なんかに吹かれた日には、釣りたいゾーンからいとも簡単に流されてしまいます。

「アンカーロックを使用することで、ボートが流されることなく、同じポジションからやり直すのが非常に簡単になります。アンカーロックがなければ、悪夢です。」

今、再びのクランクベイトのニーリングテクニック
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ニーリングのコツ

引用文(タップすると開きます)
The majority of Bertrand’s deep cranking is done with Berkley Dredger baits, which come in six sizes to reach depths of 9 to 26 feet. He uses a 7-foot-10 Abu Garcia Ike Delay Series rod and an Abu Garcia Revo Winch EXD casting reel (5.4:1 gear ratio). Probably 90 percent of the time, his line is 10-pound Berkley Trilene 100% fluorocarbon. Retrieving a crankbait with the majority of the rod submerged results in reduced sensitivity, but that’s just part of the deal. “Having the rod under the water that far dulls everything down and you don’t feel everything quite as well, but if you’re reeling a long and a fish eats the bait and the rod loads up, most of the time the fish hooks itself. “If you’re fishing around shellbeds you can reel as fast as you want, but in brush or trees you might want to slow down a little bit. If you’re trying to feather it through a tree, going a little slower makes it easier to feel what’s going on. If you try to speed-reel it, those hooks will get wedged."

バートランドのディープクランキングの多くは、バークレイ・ドレジャーという、2.7m~8mまで潜るクランクが使われます。タックルは7フィート10インチのアブガルシア・アイクディレイシリーズロッドとアブガルシア・レボウィンチEXD(ギア比5.4:1)を使用しています。ラインはほぼすべてがバークレイ・トライリーンフロロカーボンの10ポンドです。

ロッドを水面に入れてクランクをリトリーブするということは、感度が低下しますが、それは全体からすると些細なことです。

「ロッドを水中に入れることで感度が鈍くなってしまうので、気分的にはいいものではないかもしれませんが、ずっと巻いていてバスが食ってくるとロッドは引き込まれ、多くの場合は向こうアワセで掛かってきます。」

「ハードボトムを釣っている場合はイメージ通りの速さでリールを巻くことができますが、オダなどのウッドカバー周りでは少しスローダウンしたほうがいいでしょう。ウッドカバーをうまく通り抜けるためには、少し遅くすることです。そのほうが、何が起こっているのかを簡単に感じることができます。早く通り抜けようとすると、簡単にフックが引っ掛かってしまいます。」

今、再びのクランクベイトのニーリングテクニック
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現代によみがえるニーリングテクニック、最大の理由は、アンカーロック付きのエレキが登場したからということなんですね。

たしかに、ひとつのルアーでレンジを変えて通したいときに一番重要なのは、同じコースを通っているかどうかということが言えると思います。

これが1キャストごとにボートポジションが変わってしまうのであれば、再現性が低くなり、特にトーナメントという重要な場面では使いにくいテクニックということになるのでしょうね。

ということは、このテクニックが活きる場面としてもう一つ思いつくのは、オカッパリの釣りの時ではないでしょうか。

オカッパリであれば自分のポジションは固定できますので、通すコースを同じにするのはボートよりやりやすいはず。

ということは、もしクランクを投げてみて、ボトムに着かなかったとき、クランクをチェンジしても良いと思うのですが、まだルアーは換えずに次のキャストでロッドティップを水中に突っ込んでリトリーブし直すのもいいかもしれませんよね。

まあオカッパリの場合は足もとが浅い場合がほとんどですから、そんなにどこでも使えるテクニックというわけにはいきませんが、ティップを水中に入れなくても、足場が高いところであればロッドを下向きにするだけでも潜るレンジは調節できると覚えておけばいいですもんね。

ボーターの皆さんも、もしアンカーロック付きののエレキをお持ちであれば、このニーリングテクニック、見直されてみてはいかがでしょうか。

それではまた。

毎度ありがとうございます!