【水中撮影から見えた新たなバス釣り哲学】バスの行動を知って釣果もアップ!

【水中撮影から見えた新たなバス釣り哲学】バスの行動を知って釣果もアップ!
Photo by youtube.com/@SteveRogersOutdoors

水中のバスの行動を観察することで、これまでの固定概念が覆されることがあります。この記事では、実際の水中映像を基に、バスの驚くべき一面を発見できることと思います。そしてあらためてバス釣りを学ぶことができるでしょう。バスアングラー必見の内容です。

こんにちは!店長の小山です!

世間的にはいよいよ春がやってきたような感じになってきていますね!

でも、私の気持ちは、まだそんな感じではありません。

私が住んでいる長野県北部の気候ではまだまだ寒いのです。いえ、確実に春はやってきているのだとは思うのですが、私のホームである野尻湖の解禁まではまだ1ヶ月以上もあるので、そんな気になれないんですよね…。

でも、釣りはしたい。

こんな複雑な気持ち、皆さんならきっと分かってくださることでしょう。そう思えるだけで私は少し救われます(笑)

しかし実際のところ、そんな時に私がどうしているかといえば、バスの映像を見て過ごしています。

バスの水中映像は良いですよね、なんといいますか、いつもは敵同士なので自分の姿を見ればバスは逃げるじゃないですか。それが映像で見るているうちはバスは逃げないという感じ。逃げないのは当たり前なんですが、それがとても癒されますよね。

また、普段あまりずっと見ていられない水中のバスを、他の人が撮った映像とはいえ、じっと見ているだけで新たな発見をしたり、新たな疑問が浮かんだりします。これこそが私が大事にしている「好奇心」というやつです。

そんなわけで今回は、このブログをご覧のみなさんに癒しと好奇心を差し上げようと思います。

今回ご紹介するYouTubeチャンネルはアメリカのアウトドアライターであり水中映像制作のプロでもあるスティーブ・ロジャースが運営するチャンネル「Steve Rogers Outdoors」で、数ある水中映像の中から興味深い3本の動画をご紹介いたします。

動画は英語で話されているのでなかなか理解しにくいのですが、字幕設定で日本語にすると少しわかると思います。また、動画の後に私がざっと翻訳したものも追記しておきますので、あわせてご覧いただければより理解しやすいかと思います。

スティーブの動画はテーマからしてめちゃくちゃ惹かれてしまいますので、興味があるタイトルがあればぜひ穴が開くほど見ていただければと思います。

バスの行動に関する真実:水中でのシークレット

多くの方々は、私が何百時間もの時間をかけてバスを水中や船上から撮影しているのはご存知でしょう。

それにより、船上から観察するだけでは決して得られない多くのことを学びました。それは間違いありません。水面の上から観察できることと、実際に水中で起こっていることとは全く異なるのです。

ここに、過去3年間で何度も目にしたバスの5つの行動があります。そしてそれらは、私たちが考えていたこと、教えられていたことと大きく異なりました。

1つ目は、「バスはけっこう動き回る」ということです。バスが快適な場所を見つけたら、そこにずっといると考えがちですが、実際はそうではありません。ラージマウスバス、スモールマウスバスともによく動き回っていることが明らかになりました。

必ずしも長い距離を移動しているわけではありませんが、あたりを行ったり来たりするように動き回っています。庭を歩き回る犬といえば分かりやすいかもしれません。バスは、その時の酸素量、ベイトの有無、ディープに近いかどうか等の条件に合った場所を選び、その周りを回遊しながら移動します。

日中は動きが少し少なくなりますが、例えば大きな桟橋の下でも移動を続けています。

2つ目は、「バスはカバーの真ん中にいない」ということです。私たちはカバーの中からバスを引っ張り出すことが多いと思いがちですが、実際にはそうではありません。バスはカバーのエッジにいるのです。上から見るとカバーの真ん中から引っ張り出したように見えますが、実際はエッジとオープンウォーターの間のにいただけなのです。つまり、エッジを狙うことが重要です。

3つ目は、「寒波が来たときのバスは実はあまり移動しない」ということです。寒波が来ると、バスは周辺のボトムのエッジに移動するだけです。例えば桟橋の周りにいた場合、ブレイクとフラットボトムが合わさる縦1.5~1.8メートル、横0.3~0.6メートルくらいの距離しか移動しません。

4つ目は、「バスが何かあやしいと感じると、ゆっくりと1段下に移動する」ということです。横方向へはあまり移動せず、浅いところの隠れ家から離れて少し深い方へゆっくりと下がるだけです。

5つ目は、「バスはめったに1匹ではいない」ということです。バスは群れをなしていることが多く、1~2匹しかいないというのは稀です。ですので、1匹釣れたらその周りもよく探ってみる必要があります。別のルアーを使うなり、同じクランクを使うにしても少しスピードを落としたりして、周辺をしっかり探りましょう。

以上が私が学んだバスの行動の5つのポイントです。

逃げた見えバスはどこへ行くのか?

バスがプレッシャーを感じたときは、みなさんもご存知の通り、少し深い場所に移動します。岸沿いを横方向に移動することはめったにありません。バスはより深いほうへゆっくりと移動するのです。

よく耳にする「ファーストブレイク」という言葉は、時に誤解を招く可能性があります。なぜなら、この言葉は直感的に水深の変化、それも大きな変化を連想させるからです。しかし、プレッシャーを感じたほとんどのバスがとる行動は、第2の明確なエッジへの移動なのです。

多くの人がファーストエッジ、つまりショアライン沿いや岸に近いウィードエッジのラインに集中して釣りをします。私たちはバスがいた場所の目に見えるエッジにルアーをキャストをしてしまいがちです。しかし第2のエッジこそが重要なのです。

第2のエッジはフィールドによって異なり、必ずしもディープと呼べるとは限りません。ただし、ファーストエッジよりは深い傾向にあります。ウィードラインのインサイドエッジ(岸側)からアウトサイドエッジ(沖側)への移動が、ファーストエッジからセカンドエッジへの移動の良い例です。この移動をしたとき、水深がどう変化しているかは、フィールドによって大きな差があります。時には4.5メートルもの水深差があることもあるでしょう。

セカンドエッジは、レイダウンの先端の少し深い場所であることもあります。バスは倒木の先端から先端へと移動するのを好みます。特に岸沿いに連続した倒木が多い川や湖では、バスはそのアウトサイドエッジ、つまりセカンドエッジを移動経路として使うのです。

しかし、多くのアングラーはレイダウンの岸寄りの部分にルアーを投げ、実は多くのバスがいるアウトサイドエッジを見落としてしまいます。

私が住む湖の一部では、斜面が水中に続いていて、底に達するとフラットになります。その角の部分、つまり斜面と底が交わる部分が、バスの移動経路となることがよくあります。岸からわずか3メートルの場所です。釣り人はこの場所を完全に見落とし、浅い場所でしかバスを釣りません。

しかし、多くのバスはこのセカンドエッジに沿って移動しています。ボートの数が多かったりしてプレッシャーが高まると、私はこのエッジのボトム沿いにルアーを動かすことでストライクゾーンを長く保つことができるため、良い釣果を得られます。おなじように、第3、第4のエッジもチェックしてみてください。

バスの行動を直接目にして理解することはこれほど重要です。この動画で3つのバス行動を見て、あなたのバス釣りに役立ててください。

知っておきたいバスの3つの行動

バスの行動を実際に目にすることと、単に話すこととはまったく別ものです。そして私が話す3つの行動は、私をとても驚かせました。

1つ目は、「バスは騒ぎに惹かれる」ということです。何かが起きていると、バスは何が起きているのか調べたくなります。なぜなら、そこに餌がいるかもしれないからです。なにかの騒ぎが起きたとき、そばにいるベイトを見つけると、バスは躊躇なく底に潜り込み、食べ物を探します。

この映像では、たくさんのウィードとバスたちがいます。ナマズかバスかわかりませんが、何かに気づき、何かエサのようなものを食べたことで、更にバスが集まってきました。バスが次々と現れ、水草の中に潜り込んで餌を捕らえようとしています。

私たちはよく、ルアーにウィードが絡まると諦めてしまいがちですが、すり抜けの良いテキサスリグなら、跳ね上げたりウィードをほぐしながらゆっくり引っ張り続ければ、バスが食ってくることがあります。これは跳ね上げた時のリアクションバイトとも言えますが、そうとは限りません。ウィードがルアーに絡まっていても、バスが餌と見れば草をかき分けて捕らえようとするのです。

そしてこれは昨年の映像ですが、スッポンが水中の虫の幼虫を探していました。虫が浮上してきて大きなモヤを作っていました。その土けむりの中をバスが追っていました。これこそ完璧な例で、スッポンに仕事をさせて、バスがその恩恵にあずかっているのです。

アングラーとして、そういった騒ぎを見かけたら見過ごさず、そこに注目すべきです。バスがその恩恵を受けている可能性が高いのです。

2つ目は、「恐怖と警戒は違う」ということです。私がよく目にしている驚くべき行動です。バスを驚かせてしまったり、警戒させてしまったりすると、私たちはつい勘違いしてしまうのです。バスが恐怖におびえているのと、警戒しているのとでは違うのです。

恐怖なら、バスはあっという間に逃げ去ります。しかし、環境の何かに不審を抱いただけの時は、バスは少し深いところに移動するだけで、すぐに戻ってきます。元の場所を快適と思っていたのなら、危険が去れば戻ってくるのです。

ここがアングラーにとって厄介なところです。岸沿いを移動しながらレイダウンの周りにルアーをキャストしていたとしましょう。警戒心の強いバスは、あなたの影や小さな振動を感知し、あなたが来る前に少し深い場所に移動します。そしてあなたが過ぎ去ると、すぐそこに戻ってきます。つまり、あなたは用心深いバスを見落としているわけです。

特に週末などの混雑時、先にアングラーがいたのであれば、最初から少し深めの場所にキャストするといいでしょう。そうすれば、他の人が見落としたバスにルアーをプレゼンテーションできます。そして、もしバスを驚かせてしまっても、しばらく待ってからロングキャストを心がければ、バスはすぐに戻ってくるはずです。

3つ目は、「バスとはいかに好奇心旺盛か」ということです。バスの好奇心のレベルは極めて高いと言えるでしょう。カメラを水中に落としただけで、バスがどこからともなく現れ、カメラを興味深げに見回すのです。

このような好奇心から、バスはよく私たちのルアーを間近で見ています。しかし、私たちがナチュラルなプレゼンテーションができないために、バスはルアーから離れていってしまうのです。

この好奇心を利用するには、バスがいる場所が分かった時から、アプローチのときはバスがいることを意識し続ける必要があります。春、シャローの見えバスがルアーに接近したのが見えたら、そのプレゼンテーションを変えますよね。同じように、常にバスの存在を意識し、ルアーのプレゼンテーションを変えるべきなのです。

これは自身を高めるための練習が必要不可欠です。しかし、バスがいる場所が分かれば、この好奇心を利用し、注意深くルアーを操作することで、よりバイトを得られるはずです。

【水中撮影から見えた新たなバス釣り哲学】バスの行動を知って釣果もアップ!
Photo by youtube.com/@SteveRogersOutdoors

皆さんは、この3つの動画を見てどう思いましたでしょうか? 私は大変興味深く見ることができました。なぜなら、スティーブの言う通り、水面の上からでは決して分からない水中のバスの行動が、リアルに描かれているからです。

たとえば「バスの移動性」については、皆さんの経験からも納得だと思います。釣り場に着いてすぐにバスがいる場所にピーンと来て「ズバリここにいるはず」という固定概念を持ってしまいがちです。しかし実際は、バスは意外なほどエサを探し続け、絶えず移動しているということです。

私の家の猫も、夏、部屋の中でずっと寝ているようでいて、部屋の中でも涼しいところを探し出しては移動してまた寝ているみたいな、そんな様子を思い浮かべました。バスもまた同じように、餌や日陰を求めて動き回っているのかもしれません。

「バスの警戒心」についても気になるところです。釣り人が岸を歩いたりボートで近付くと、バスは少し深いところに移動するそうです。それは私たちの気配を察知し、危険を避けようとする行動というところは納得です。皆さんも、絶好のポイントでバスを発見してキャストしたのにもういなくて「さっきまでいたはずなのに!?」と思った経験があると思います。そういう時は、少し深場へのアプローチが効果的なのかもしれません。

そして、多少警戒させてしまった程度なら、バスは戻ってくるということも忘れてはいけませんね。

最後の「バスの好奇心」についても、また家の猫の例になりますが、猫に新しいおもちゃを与えると、まずは熱心に観察し、匂いをかいで、触ってみて、「こいつ、動くぞ!」となったときに夢中で遊びはじめますよね。バスも新しいルアーを発見した時、同じように熱心に観察し、食べられるかどうか判断しているのかもしれません。ですから、なるべくバスが好みそうなアクションが大切なんですよね。あくまでバス目線で「おいしそう」とか「おもしろそう」と映るアクションが出せるかどうかなんですね。

水中の映像を見れば、バスの行動に新たな発見があり、学びや仮説どころか新しい釣り哲学すら生まれるかもしれません。そう考えると、バス釣りへの興味は尽きることがありませんよね。

皆さんも次の釣りが待ち遠しくなったことでしょう!

それではまた。

毎度ありがとうございます!