【小ネタ】回遊バスと居着きバス

【小ネタ】回遊バスと居着きバス

ブラックバスって、カバーやストラクチャーに付いて獲物を待ち伏せする魚のはずなのに、なんで見えバスのような回遊しているバスがいるのでしょうね?

こんにちは!店長の小山です!

本日は小ネタなのですが、ラージマウスバスの回遊型の個体、そして見えバスについて、それぞれの釣り方とともに考えてみたいと思います。

他愛もない私個人の考えですので、どうか肩の力を抜いてお読みいただければと思います。

ブラックバスは待ち伏せ型の捕食者です

ブラックバス(ラージマウスバス)のことを勉強すると、だいたいのものに「ブラックバスはカバーやストラクチャーに潜んで獲物がやってくるのを待ち伏せする魚です。」ということが書いてありますよね。

私もその通りだと思います。

そのフィールドの特徴的なところ、例えば流れ込み、岩、ウィードを発見したらそこへルアーを投げると一発でバスが食ってくるということがよくありますから、バスは何かのエサをそこで待っていたんだろうなと感じることがあるからです。

実際に水中映像で見ると、バスとカバーの関係がよく分かると思います。

レイダウンツリーに着くクラッピーとバス / なぜか和風のBGMが素敵な動画ですね

レイダウンの一番奥の暗いところにいいバスが潜んでいましたよね。

これが普通のバスの取るべき行動なのだと思います。

回遊バスという存在

それなのに、いざフィールドへ出てみると、カバーで待ち伏せするのとは全く関係なさそうな、いわゆる「見えバス」を見たことって、ありませんか?

他にも、30センチくらいのバスが3~4匹の群れで泳いでいて、ルアーを投げ込むとみんなでスーッと寄ってきてルアーを観察されるようなこと、ありませんか?

なぜ彼らはカバーや地形変化を利用して獲物を待ち伏せしていないのでしょうか。

本に書いてあることと違いますから、あれは新種のバスなのでしょうか。

次の動画は回遊とはちょっと違うかもしれませんが、変な行動をするラージマウスバスの動画です。

スモールマウスと一緒にエサを探すラージマウスバス

スモールマウスと同じ行動をするラージマウスバスです。どう考えてもカバーには付いていませんし、何か食べ物をボトムで探しているような感じです。

待ち伏せではなく、自分から探していますよね。

もちろん彼らは新種のバスなどではなく、これもラージマウスバスの普通の行動のひとつのようです。

なぜ回遊しているのか?

では、なぜ本来の習性とは違う、回遊という行動をとるのでしょうか。

結論から言いますと、本当のところは分かっていません(笑)

分かっているわけではないということをあらかじめ断わっておきますが、それでも面白そうなので見えバスの種類を何パターンかに分けてみて、それぞれのバスの釣り方などを自分なりにちょっと考えてみたいと思います。

(スポーニング絡みの見えバスの話は今回はナシです)

居着くカバーがない

ひとつは、カバーが満員御礼となっている状態で居場所がないのではないでしょうか。

バスに限らず、肉食動物の中には縄張りを持つ習性があるものが多いようです。そしてその場合、大体が弱肉強食という世界のため、序列があります。

強いものから順に良い場所に陣取るという感じ、あるいは早い者勝ちです。早くカバーの中にいた者と後からカバーに入ろうとするものが喧嘩をしたら、先にカバーの中にいたバスの方が勝つと思います。

カバーの外にいるバスは目の前のバスの他に、鳥などの外敵からの危険に晒されていますので、精神的に追い詰められた状態だからです。焦りがあるため、まともに戦えないのではないでしょうか。

そんなわけで、カバーの中に先客がいた場合はその場所に入りたくても割とあっさり諦めるような感じがします。大きなアパートのようなカバーなら、共存もすると思いますけどね。

ということで、そういうバスは居着きたいカバーを探している最中のバス、ということではないでしょうか。

このタイプのバスはエサよりもまず住みかを求めているような感じで、ルアーへの反応が良くないように思います。

エサを待ちきれない

水面近くにプカーッと浮いて岸側を見ているようなバスは、落ちてくるエサを探しているバスのようです。

カバーがないところにエサがやってくるため、そんなエサを食べたければ、カバーを出て回るしかありません。

例えば、落ちてくる昆虫、配水管から流れ落ちてくるミミズやヒルやカエルなどを捕食しようとしているバスです。

それをカバーの奥で待っていてしまっては他のバスに先に食べられてしまいますから、そこで待っている場合ではないのでしょう。

こういうバスはルアーへの反応がすごくいいです。もう、落ちパクです。

ワームならわざと岸に落として、ゆっくり水面に転がり込ませるというのもよく釣れるやり方ですよね。

岸際を見ている見えバス

この動画のバスのように岸の方を意識していると、釣りやすい傾向があると思います。

もしかしたらこの動画のバスはアフタースポーンで、バスの稚魚を守っているようにも見えますが…稚魚がこの大きさになったらもう守っていないような気もします。どうなんでしょうね。

回遊のお時間です

人間と同じように、バスにも生活サイクルがあって、天気のいい日や機嫌が良い日はお出かけしたくなります。

機嫌よくお出かけすると、「外食するのもいいなぁ」ということになると思います。

バスで言うところのいい天気とは、曇りや雨や薄暗いときのいわゆるローライトコンディションのときのようです。

また、バスの機嫌のいい時というのは、低気圧または低気圧が近付きつつあるときで、気圧が下がることによりバスの体内の浮き袋が膨らみ、バスが浮き気味になるということです。つまり、浮き浮き(ウキウキ)気分ということです(これは苦しいダジャレですみません)。

こんな時はバスはカバーを離れ、回遊することが多いようです。

回遊と言っても、バスにはお気に入りの捕食場所(フィーディングスポット)というものがあるようで、その場所を目指しているバスのようです。

しかしその場所というのも、いい場所ほど強いバスが陣取っている傾向がありますので、フィーディング場所によってある程度釣れるバスのサイズも決まって来るようです。

そのフィールドでビッグバスがよく釣れるポイントはだいたい何カ所か決まっていたりするのは、こういう理由でしょう。

これは完全に捕食モードのバスですので、その時に食べているベイトの色や動きに合ったルアーを使うことで釣りやすくなると思います。また、フィーディングスポットに向かっている最中のバスも、釣りやすい感じがします。

人間から逃げているバス

釣り人が多いフィールドになると、バスは身の危険を感じ、釣り人を避けるようになります。

これがまた不思議なもので、釣竿を持っていない人間からは逃げようとしません。

極端な話、ボートの上から手ぶらの状態でバスを見ても逃げませんが、ロッドを持って構えると逃げてしまうほど、釣り人だけを敏感に察知しているように感じます。

特に面白いのは、ダイバーが近付いても全く逃げないどころか、近寄ってくるところです。

ダイバーを恐れない?バス

動画のバスは釣り人が少ないところに住んでいて、スレていないだけかもしれませんが、それが本来の姿だとすれば、釣竿を手にしただけで逃げるバスというのはやはり、何かを学習しているとしか思えません。

彼らは、カバーの中に入っていると逆に釣られやすいから、カバーを離れて釣り人から逃げる準備をしているバスなのかもしれません。

この手のバスを釣るのはかなり難しいと思います。釣り人そのものを認識していますから、生きたミミズを使っても食ってくるか怪しいものです。

逆に言うと、人間の存在さえ知られていなければ、あっさりと食ってくる場合もあります。

そんなバスを発見したら場所を覚えておいて、時間を置いてからもう一度そのポイントへ入り、バスから自分の姿を見つからないように何かに隠れたり、遠くからルアーを投げると、さっきいた(であろう)バスが釣れる場合があります。

ベイトフィッシュを探している

例えば秋が深まってくると、エビがシャローからいなくなってきます。昆虫類もあまり落ちてこなくなります。こうなってくるとバスはベイトフィッシュ(魚類)を食べるようになるようですね。

エサの中でも魚は逃げ足が速いため、バスにとっては食べるのは一番難しい(面倒臭い)相手だと思いますので、なるべくなら追いかけたくないのでしょうけども、他にいないなら仕方ありません。

そもそもそのフィールド自体に甲殻類や虫系のエサが少ないような場合も、魚を追うしかないでしょう。

ここでも、甲殻類や昆虫類やミミズ系などの食べやすいエサが多いエリアには、前述のように強い者が陣取ってしまっているため、そこは諦めてベイトフィッシュを追うしかないという場合もあるかもしれません。

理由はどうあれ、ベイトフィッシュを追って(探して)いるバスです。彼らは仕方なく回遊しているようでもありますが、実際はお腹がパンパンで、充実していることが多いような気もします。よかったね。

ベイトフィッシュの大群の下で捕食のチャンスを伺っているバスの群れ

動画のバスは見たところ、地形変化を利用しているようなので完全なる回遊バスではなさそうですが、居着きというほど固定されていないようにも見えます。

彼らは基本的にはスイッチが入りやすい状態ではあると思います。

ただし釣れるかどうかというと微妙で、うまくすれば連発しますが、ベイトフィッシュにうまくマッチしていないと見向きもされないことも多いです。

民族大移動

バスには適水温があり、居心地のいい環境を求める性質があるようです。

そのため、季節ごとに住みかを変えることが普通のようです。

そうなると、多くのバスにとって居心地のいい条件というのは共通するはずですから、極端な話、湖や池の北の端から南の端まで多くのバスが移動してしまうなんていうこともあるかもしれません。

本来はバスらしくカバーの中にいたとしても、この時ばかりはそうもいきませんもんね。

次の動画は長いので途中からですが、3分ほど見てみてください。

移動する巨大な群れ

この動画を見ると、オープンウォーターをかなりの数のバスが移動していることが分かります。

これが季節的な民族大移動の場面というわけではありませんが、これほど大規模な群れの単位で移動することもあるということです。

季節ごとにそのフィールドの釣れるポイントやエリアというのが大きく変わるところを見ても、快適な環境を求めて大群で移動するバスがいても不思議ではありません。

ただしこの場合は、カバーからカバー、地形変化から地形変化へ向かって移動するという風に、カバーや地形変化に依存する傾向が依然として強く、その間にたまたまオープンウォーターにいるのが見えるだけという感じがしますし、季節的な場所を求めて大群で移動する期間というのはかなり短いような気がします。

こんなバスは群れでいるため、投入したルアーに対してバスたちの競争心に火が付くとかなり釣れそうな気がしますが、普段はカバーに依存しているバスがオープンウォーターを移動しているのを見られている意識があるのか、臆病な個体が多いような気がします。

見えている大群ほど釣りづらい感じです。やはり3~4匹の群れが釣りやすい感じだと思います。

やっぱり回遊バスと見えバスは厄介

私たち人間からすると、バスなどという魚類など、たかが下等生物です。

その行動パターンなど人間と比べたらいたって単純なものであり、人間の知恵をもってすれば予測も可能です。

しかし、その実態は実に複雑で、いつも翻弄されてしまうんですよね。

これがまさにゲームフィッシングと言われるゆえんでしょう。私たちは飽きることなく、その釣りを楽しませてもらっていますよね。

回遊バスというのは本来のバスの性質とは外れてしまっている存在かもしれませんが、それはほんのひと時だけ、たまたまという場合もありますし、それも含めてバスの性質ということもできます。

釣りやすい見えバス、釣りにくい見えバスというのも一応それぞれ考えてはみましたが、私が釣りやすいとか釣りにくいと思う理由なんてほんの一部分で、本当は天気、ローライトコンディション、フィッシングプレッシャー、水温、時間帯、気圧、風、濁り、波、前線、ベイト、月齢・・・もっともっといろんな要素が複雑に絡み合っているのでしょう。

回遊バスや見えバスを狙うべきか狙うべきではないかは結局のところ分からず、やってみるしかありません。

誰もが知りたい謎かもしれませんが、誰も知らないと思います。

ひとつ言えるのは、活性の高いバスがいるときに、活性の高いバスがいる場所へ行くしかないということです。

色んな場所、いろんな時間帯を釣ることをたくさん経験して、この飽きることのない研究を続けていきたいものですね。

下等生物なんて言ってすみません。本当は大好きです。

それではまた。

毎度ありがとうございます!