増えるバスタックルの盗難【釣具の盗難・予防と対策】

増えるバスタックルの盗難【釣具の盗難・予防と対策】

こんにちは!店長の小山です!

本日は、近年増え続ける釣具の盗難について、中古釣具店という観点から何かお役にたてそうなことをお伝えさせていただければと思います。

まずはこのお話をする前にリサイクルショップと盗難品についてお話させてください。

私の前職は某有名リサイクルショップの店長で、10年以上を務めていました。

リサイクルショップというのは警察の生活安全課が管轄する許可営業で、警察の営業許可をもらうのにちょっとした指導を受けます。

この指導というのは、やはり盗難品が買取に持ち込まれるだろうということが前提としてあり、警察の捜査がしやすくなるための協力要請であり、指導です。(お客様からの身分証の提示、買取台帳の書き方や保管方法など)

私はこの指導への取り組みについて積極的で、警察への捜査協力は惜しみなくしている方でした。おかげさまで県警の三課から優良店長として表彰を受けたこともあるくらいです。

ちなみに総合リサイクルショップの中で扱う中古品として、釣具という部門は換金率が高い部門商材で、換金を目的とする窃盗団には目をつけられやすい商材だということを覚えておいてください。

ということで、そんな私が感じてきた中古屋と盗品の関係の、傾向や対策、予防についてお役に立ちそうなことをお話していきます。

盗品として釣具が買取に持ちこまれるパターン

警察との連携、対応をしていて分かった盗品が買取に持ち込まれる代表的なパターンは次の通りです。

  1. 身内が家族の釣具を勝手に買取に持ってきてしまう
  2. 釣り場で入手した少数の盗品・拾い物を買取に持ってくる
  3. 窃盗団と思しき人物が大量の釣具を買取に持ち込む

件数の多い順にほぼこの3パターンになるのですが、3番の窃盗団や車上荒らし系の持ちこみというのは、実はほとんどありません。

意外と?多いのが身内による犯行です。仲間うち、また家庭内であっても釣具の金額の話などは避けたほうが良いかもしれません。

また、残念ながら、車上荒らしをするほどの常習犯やプロの連中は、リスクを分散するためか、怪しまれないように一度に大量の釣具を買取に持ち込むことはなさそうです。窃盗旅団のような連中は移動した先で盗んだものを一気に売り払い、すぐに県外へ移動する場合もあります。

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盗品と分かった場合の店舗の対応など

たとえご本人様にしか分からない特徴のある明らかに盗まれたお品物が店頭に陳列されていたとしても、その場でお返しすることはできません。もちろん、身内の方にもです。

また、被害者さんに対してそのお品物を買い取った時の買取台帳を見せたり、買取に来た日時やその方の特徴などをお話することも、法律上一切できません

これは、この時点では店舗側では真実かどうかは判断できないためです(被害者さんには明らかでもです)。

もしかしたら、お店をだまして安く購入しようとする悪質なお客の可能性もあるためです。目の前にいるのは大変つらい目に遭っている被害者さんだということは理解しているのですが、立場上、第三者的なドライな対応になってしまいます。申し訳ありません。

では、盗品を発見した場合はどうしたらいいのでしょうか。

盗難品を発見したら

店舗に陳列された自分の盗品を発見したら、まずは店員さんにその旨をお話してください。

店舗では直接お客様と盗品についてのやり取りについては原則として決められませんので、その後すぐに警察に連絡してください。このとき、交番(110番)ではなく市警や県警の方が話が早いです。

あとは現場に来てくれた警察の方と店舗の方とで話を進め、事情聴取や書類の作成などがひととおり済んだら帰宅し、捜査に進捗があるまで待機してください。

店舗は前述したとおり警察の許可営業ですので、警察から買取台帳などの提示を求められれば即対応します。

なお、警察官も店舗の店員も人間ですので、たとえ被害者さんと言えども、あまりにも高圧的だったり態度が横柄だったりすると感情的になり、対応も変わる場合があります。どちらも被害者さんの味方になってくれますので、怒りや辛い気持ちはあるかと思いますが、冷静になってくださいね。

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釣具の盗難に遭った場合

釣具の盗難に遭った場合は、すぐに警察に連絡し、被害届を出してください。

たとえ身内の犯行と思しき場合でも、前述した通り店舗では対応できませんので、恥ずかしいという気持ちを抑え、通報してください。

そのとき、釣具の置き引きに遭った現場でも、車上荒らしにあった場合でも、現場の写真を撮っておいてください。

また、周囲に指紋や足跡などが残っている場合もあるので、まずは落ち着いて、周辺を過度に荒らさないようにしたほうがいいようです。

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釣具の盗難に遭わないために

私なりにですが、これまでの警察との連携、情報交換により、被害に遭われた方の特徴などから盗難を予防する手段を挙げますと、

  • 他人や身内と釣具の売買の話、特に金額の話はしない
  • 家庭内では釣具が減ってもすぐにわかるように整理したり、さりげなくアピールしておく
  • 現場では置いたタックルを見張る習慣をつける、タックルを置かない工夫をする
  • 釣具に自分にしかわからない特徴を付ける
  • 必要以上のタックルを持ち歩かない
  • 車内に釣具を放置しない
  • 自動車に釣具メーカーのステッカー・デカールを張らない
  • 自動車の窓にはスモークを貼る

このようなことが挙げられるかと思います。

その他の傾向と対策

大切な釣具の盗難に遭い、ショック状態で辛いですし、なんとしても取り返したいという動揺もあると思います。

しかし法律上、出来ることと出来ないことがあり、これについては冷静になる必要があります。

これまで被害者さんや警察の方と立ち会ってきたなかで、起きやすいことや被害者さんができることをあげていきます。

  • 店頭に陳列している自分の盗難品はすぐに取り返せません。お店の表示価格で買い上げれば取り返せます。(被害届を出せば警察の捜査は続きます)
  • 被害届を出すだけではなかなか警察は動けません。友達やSNSのフォロワーさんにも協力いただき、自分たちで盗品のありかを特定できればベストです。盗品のありかを特定したらそこから先は自分たちでは動かず、すぐに被害届の受理番号とともに管轄の警察署に通報してください。市民からの通報があれば警察はすぐに動いてくれます。
  • 被害届を出したからといって、盗品と思しきお店の商品を保管してくれるかどうかはそのお店次第です。ここは被害者さんと警察とお店との示談です。
  • 被害届にはその商品についての自分にしかわからない特徴を書きましょう。目立つ傷があればその場所や、貼ったシール、マジックで書いた落書きなど。
  • 盗品が売れてしまった場合は所有者(所有権)が移ってしまうので、警察でも取り返すことはできません。
  • 犯人が逮捕されても、盗まれた品物が返って来るとは限りません。また、被害額も犯人が払うとは限りません。(警察は逮捕までが仕事ですので、犯人と示談はしてくれますが強制力はない)
増えるバスタックルの盗難【釣具の盗難・予防と対策】

まとめ

ここまで読んでみて、感じることがあるかと思います。

そうです。盗難に遭った場合、法律では被害者さんへの救済措置がほとんどないというのが現状なんです。

やはり結局のところ、どんな観点で考えても、盗難に遭わないようにするしかないとしか言えないのかもしれません。

釣具は換金率が高い「オイシイ」商材であることを覚えておいて、油断せず、セキュリティを高めてください。

盗難に遭ってしまった場合は落ち着いて、冷静になり、出来ることと出来ないことを理解して行動してください。

また、個人的な意見ですが、たまに釣り場で拾ったタックルなどを保管している旨の投稿がSNSで見られますが、被害届が出ていた場合はもしかしたら泥棒扱いされてしまう恐れがあるのと、被害届が出ていた場合はかえって処理が遅れてしまう場合がありますので、自分では保管せず、拾ったことと○○交番へ届けましたということを投稿するのが良いのではないかと思います。

私からは以上です。

すでに盗難の被害に遭ってしまった方にはなんのお役にも立てませんが、大切な釣り具が戻ってくること、せめて犯人が捕まること、盗品に理解がある良心的な中古ショップさんが増えることを願っております。

※私が前職を退職してからかなり時間が経過していますので、現状とは法律や店舗の対応の仕方など変わっている部分があるかもしれません。また、この記事は警察や各リサイクルショップさんを非難するものではありません。併せて何卒ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

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