昨日いたバスがいなくなる現象のひとつ【セイシュ効果】
バス釣りを2日連続でしてみると、初日は釣れたのに2日目には釣れなかったということがあります。なぜでしょう?理由は色々ありますが、珍しい自然現象によるものもあります。そのひとつが「セイシュ効果」と呼ばれるものだそうです。
こんにちは!店長の小山です!
本日は海外サイトより、”The Seiche Effect: How Wind-Driven Current Affects Fishing”という記事を引用してご紹介いたします。
皆さんは、バス釣りを同じフィールドで2日続けてされたことはありますでしょうか?
2日続けて同じフィールドで釣れば、2日とも釣れまくったという方と、2日とも釣れなかったという方と、初日は釣れたけど2日目は釣れなかったという方、初日は釣れなかったけど2日目は釣れたという方の4タイプの方がいらっしゃるはずです。
両日とも釣れた方、素晴らしいですね。両方とも釣れなかった方、うまくいかず残念でした。初日は釣れなかったのに2日目に釣った方、初日の反省が生かされたのでしょうね…初日は釣れたのに2日目に釣れなかった…これが不思議なんですよね。
スモールマウスバスでは珍しいことではないかもしれませんが、1日目に釣れた場所で同じことをやったのに、2日目に釣れない。こんなことがなぜ起きるのでしょうね。ラージマウスバスでもなりますよね。
まあ、不思議とは言いましたが、もちろん起きたことには必ず理由があるはずです。
相手は生き物ですから、何らかの理由でそこにいたくなければいなくなるのは当然です。
水温、ベイト、水質、酸素…普通に考えたらこういうことですよね。
しかし、意外な理由もあるものです。
この記事は、アメリカのゲームフィッシング専門メデイア「In-Fisherman」の記事で、ライターのダン・オサリバン氏が、アメリカの有名な釣りYoutubeチャンネル「HOOK 'nLOOK」で見つけた奇妙な現象について紹介してくれています。
「セイシュ効果」と呼ばれているのがそれなのですが、まったく聞きなれない言葉ですよね。
どんなものなのか、実際の映像とともに見てみましょう。
セイシュ効果:風による流れが釣りに与える影響
フックアンドルックの見解
フィールドで明日も釣りをしたくなるくらいに釣りまくったことは何度ありますか?で、翌日も釣りをしたのに、まったく同じ場所でまったく釣れなかったことはありませんか?そういうことって、ありますよね?
釣り人として、私たちはよく考えてみます…ベイトフィッシュが動いたとか、天気が違ったとか、などです。それからオカルト的なことも言います…左足から靴を履いたからだ、とか、お気に入りのTシャツを着ていないからだ、とか、きっとバスが絶滅したのだ、などなど…。
釣り人としてちゃんと成長したいと思うのであれば、魚の行動と、その行動に変化をもたらす要因は何か、そしてそのことに対してどのように適応できるかについて、できるだけ多くを学ぶ必要があります。
キム・ストリッカー氏は、フックアンドルックという番組を撮影し、人生の多くを釣りに関わる水上、水中で過ごしてきました。ニューヨークのシャンプレーン湖での番組で、ストリッカーはスモールマウスバスが頻繁にバイトしてくるエリアを見つけ、数匹のハイクオリティバスを釣りました。
翌日、番組用の水中映像を撮るために同じエリアに来ましたが、バイトがありません。スキューバダイビングの身支度をして潜ってみたところ、彼と息子のダニーは、そのエリアの水が前日とは異なり、水の層ができていることに気づきました。初日の水は、カメラのレンズ越しに見る限り、濁りは均一に混ざり合っていました。 2日目は、底から数十センチまでの水はクリアで冷たく、濁った温かい水は底よりもっと浮いていました。
ストリッカーが調べてみたところ、これはセイシュ効果と呼ばれるものだと発見しました(日本語では静振(せいしん)と呼ばれています)。セイシュ効果は、風が湖または湖のあるエリアを横切って水を動すときに発生し、水の層を変える可能性のある波の作用を生み出します。この場合、風が冷たい水をそのエリアに押しこんだ結果、冷たい水は温かい水よりも密度が高いため、底に沈み、濁って温かい水を上に押し上げたということになります。
2日目にここで釣りをした多くのアングラーは、バスからの反応がほとんどないということで、このエリアを去りました。ストリッカーの考えでは、バスは温かい水を求めて上に浮く傾向があり、クランクベイト、ジャークベイト、またはメタルジグやダウンショットといったタテ方向のプレゼンテーションでサスペンドバスの釣りにシンプルにアジャストすることでいい結果になった可能性があるとのことです。
大気の変化は、水面に広がる波紋のように、フィールドに影響を与える可能性があります。
それでは、次の動画をご覧ください。
どうでしょう、映像をご覧になりましたでしょうか。
英語ですので分かりにくいかと思いますが、あらすじをいいますと、初日に釣りまくる2人、2日目はまったくの沈黙でイエローパーチすら釣れません。
ここで真実をその目で確かめるため、ダイビングの装備をし、実際に潜ります。
そこで見た景色はボトム付近はクリアで、上の層がまるで曇り空のようにはっきりを分かれているというものでした。
その境目はサーモクラインを意味しており、水温は下が冷たく、上の濁りは温かい。水温にして10℉ほど違うようです。摂氏だと5℃くらいでしょうか。かなり違いますね。
また、周辺にいるスモールマウスバスはボトムから浮いてサスペンドしています。
初日の水中映像も途中で映りましたが、たしかに濁りが均一といいますか、上から下までクリアな水質で、ボトム付近にバスやギルの群れが多く映っていましたね。
たった一晩でフィールドがこのように激変してしまった…。
これが、前日と同じことをしても今日はまったく釣れない原因でした。
アングラーの釣れない言い訳がこれでまたひとつ増やすことができたと思うのですが(笑)、残念ながらこの現象は、レイクシャンプレーンのような大きなフィールドでよく起きるのだそうです。
日本のフィールドではまれな現象かもしれません。
厳密に言えば、セイシュ(静振)現象は規模の小さなフィールドでも起きるようですが、このような水の層として分離するほどの変化はセイシュ効果では発生しないだろうという意味です。
バスアングラーとしてこのような水中映像を見れたのはラッキーなのだと思います。
釣れない時は、その時に適した対応をせよ、という教訓なんですね。
また、ここでひとつ余計なことを言うようですが、クリアウォーターを好むとされるスモールマウスバスですが、実際は濁りが大好きです。
特に普段からクリアウォーターのフィールドにいるスモールマウスは、大雨や風などで濁りが入ると喜んでその中に入ってきます。
濁った川の水が流れ込むと湖の上の水が濁り、下がクリアになることがあるのですが、上の濁りの中を悠々とサスペンドする大きなスモールマウスを何度も目撃しましたし、風で濁ったバンクでスモールがあっさりと釣れたということも経験しています。
スモールマウスバスが本当に濁りが好きかどうかはわからないのですが、普段クリアなフィールドが濁った時、または部分的に濁っている時はそこに入ってきますし、しかもそこそこイージーモードで釣れると思います。
(濁っていればなんでもいいとは限りませんで、濁りの種類にもよるのかもしれませんが…)
濁りを見て「水が悪い」などと思わずに、そこでの釣りもあえて試してみてくださいね。
それにしても、母なる自然が私たちに与える影響とは、色々なものがあるのですね。
「靴を左足から履いたからだ」などとオカルト的なことを言わず、フィールドをよく観察していきたいものですね(笑)
それではまた。
毎度ありがとうございます!