ルアーのリアルさを科学する
バスがスレてくればくるほど、また水がクリアになればなるほど重要になると言われているルアーのリアルさ。しかし、科学的な観点からすると、どれくらいがリアルだと言えるのでしょうか。
こんにちは!店長の小山です!
本日は海外YouTubeより、”The SCIENCE behind how realistic fishing lures can be”という動画を引用してご紹介させていただきます。
引用先:fish code studios”The SCIENCE behind how realistic fishing lures can be”
バスがスレてくればくるほど、また水がクリアになればなるほど有利になるとされるルアーのリアルさ。
バスが普段から追っているエサに似ている方がバスの反応が良いという意味ですよね。
たしかに、私たちアングラー視点で考えても、よりリアルに見えるルアーの方が釣れそうと思うことって、あるのではないでしょうか。
しかし実際のところ、本物の魚や生き物には似ても似つかないもので釣れるのも事実ですし、ルアーメーカーからすれば、リアルさを追及したいからと言って、そのルアーを製造するのに工程数を増やしすぎたら、時間やコスト的に割に合わない場合もあることでしょう。
これを妥協と考えるのか、それとも必要のない過剰なリアリティと考えるのか、これについては私たちにはなかなか判断が難しいところだと思います。
そんな疑問に、私の大好きなYouTubeチャンネルが踏み込んでくれました。
この記事は、アメリカのジミー・リョウ氏が運営するYouTubeチャンネル「Fish Code Studios」の動画を私が日本語に文字起こししたもので、動画ではルアー(スイムベイト)のリアルさについての科学的な見解をシェアしてくれています。
ずっと更新されていなかったチャンネルに久しぶりに動画がアップされ、個人的にかなり喜んでおります(笑)
動画は英語ですので分かりにくいのですが、まずは再生してください。動画の下に私の翻訳を記しておきます。
相手は口語ですから私の英語力では翻訳が難しいので合っているかどうか分かりませんが、興味のある方は読んでみてください。
いかにリアルなルアーを作るかというテーマにある背景
あなたの操作するルアーが実際に泳ぐ魚とどれくらいの差があるのか、疑問に思ったことはありませんか?
史上初の試みとして、実際に泳ぐ魚の動きとルアーとを科学的に比較します。
バイオメカニクスと呼ばれる科学の分野は、自然をどれくらい模倣することが可能かを調べるものです。
多くのルアーデザイナーに注目してもらいたい点:この動画では、最もリアルなスイミングアクションをルアーに設計する方法を説明します!
釣りに関する科学的な研究動画をもっと見たい場合は、ぜひチャンネル登録してください!
あなたが操作するルアーをボート際までリトリーブしてきたとき、まさに本物の魚のような動きを見て、すごいリアルだなと思ったことがあるでしょう!
しかし、ルアーが本物の魚の泳ぎ方と正確に一致しているかどうかをどうやって本当に知ることができますか。
ベイトフィッシュがどのように見えているか、そしてどのように動いているかを知りたくなりますよね。
こんなとき、スイムベイトのアクションが実際の魚が泳ぐ様子とどれくらい一致しているかどうかを学ぶほど素晴らしいことはありません。
まさにそれを行う「バイオメカニクス」と呼ばれる科学の分野があります。
生き物の動きを正確に測定するのです。
自然の創造性というのは、私たち人間がエンジニアリングやデザインするものよりもはるかに優れていることが多いため、現在の科学者はこれを行っています。
私の科学的専門分野は魚にあり、魚がどのように泳ぐかを研究しています。
現在、スイムベイトデザイナーにとって重要な課題の1つは、実際の魚が泳ぐようすを正確に模倣する方法です。ルアー市場には、関節の数が1つか2のものから10もの関節があるスイムベイトがあります。
しかし、多くの関節があるルアーが必ずしも良いとは限りません。
魚の体は、ある部分は柔らかいかもしれませんが、柔らかくない部分もあります。
それをどのように研究するか。
まず、実際に泳いでいる魚を見る必要があります。
その泳ぐ動きをコンピュータ分析します。
魚の体を一連のセグメントとして(パーツ分けして)みます。
ピンク色の1つのセグメント(関節なし)を見ると、青色の実際の魚の形状とは一致していないことがわかります。
1つのセグメントは次のようになり、2つのセグメントはこのようになり、3つのセグメントは次のようになります。
このことで私がやろうとしているのは、実際の魚のようにアクションするのにはいくつセグメントがあればいいのかを解明することです。
上のグラフは、横軸(x軸)に本物に近い精度(再現度)を示し、縦軸(y軸)にはスイムベイトのセグメント(関節)の数を示しています。
1つのセグメント(関節なし)のスイムベイト(ルアー)だと、正確さは5パーセントほどしかないことがわかります。
セグメントが2つだと60%になり、3つだと80%になり、5つのセグメントがあると90%になります。
これで、実際に泳ぐ魚とスイムベイトのアクションを測定して定量化することができました。
ここでは最大10セグメントまで設定しました。10セグメントもあると再現度は非常に正確になります。しかし、実際の魚でもそれほど動かない部分もあるので、10セグメントは必要ありません。
現状では、スロステディリトリーブを好んで使うアングラーからすれば、5つのセグメントがあればかなり良いということです。
しかし、方向転換するために必要なだけなら、セグメントはもっと少なくていいと言っていいでしょう。
自然のデザインというのは、私たち人間が今日設計しているものよりもはるかに洗練されています。
そう、実際の魚というのは、その行動に応じて、体を5セグメントにしたり2セグメントにできるロボットのようにできる、つまり、魚のどの行動を模したいのか。
たとえば、S字系ビッグベイトだと1つか2つのパーツで構成すれば、うまくS字ターンができる可能性があります。
しかし、ステディリトリーブをした場合、本物の泳ぐ魚をそのスイムベイトではより正確には模倣できません。
また、捕食して摂取できるタンパク質とそのために消費するエネルギーを考えてみると、常に大きいエサの方が良いとは限りません。
スイムベイトは、本物の魚のように泳ぐアクションをさせる必要はないかもしれません。泳ぎが下手だったり、バスがいることに気づいていないように見せるほうが重要ということです。
フィッシュコードスタジオが更新されなくても、私ジミー・リョウは、安全を保ち、好奇心を持ち続けています。
ですから、この動画が気に入った場合、私たちと同じようになにかの物事を測定する研究室の科学者としてチャンネル登録してください。しかし本当のあなたたちはバスの行動を興味深く見ているフィールドアングラーでしょう。
スイムベイトでの釣りのヒントやバスの行動についての観察があれば、下にコメントを残してください。
「fish code studios”The SCIENCE behind how realistic fishing lures can be”より引用」
多連結スイムベイト(ビッグベイト)の秘密についてちょっと迫った感じでしたね。
ジミーリョウさんが研究しているバイオメカニクスという分野、これは人間にとってなくてはならない分野です。
例えば飛行機は鳥の翼を模して作られましたし、魚探に使うレーダーはコウモリから採り入れられましたし、テレビやゲームやスマホの液晶画面はイカの肌の構造がもとになっているですとか、他にも多くの動物や昆虫などの特徴が人間界に応用されています。
私が知っていることはそれくらいで、深く考えたことなどまったくありませんが、それだけに、彼のアップする動画はどれも興味深いものばかりですので、興味のある方は全部見てみてください。
今回の動画に話を戻すと、スイムベイトの関節は多ければ多いほど、泳ぎのアクションは本物の魚に近付くのが、表から分かりましたね。
ジョイント無しでは5%しか似ていませんが、ジョイントが1つは言っただけで本物の動きの60%まで寄せることができる。ただし、5連結以上10連結まではリアルさは増すものの、ほとんど変わらない感じでした。
また360℃ターンのような技を繰り出す場合は多連結だとうまくいかない、この場合は1~2ジョイントが良いと。
つまり、やりたい釣りによってジョイントの数は決めたほうが良さそうだと。
さらに、結局のところ、バスにとっては大きくてリアルなエサの方がたしかに魅力的だが、追っても逃げられるんじゃ意味がないから追わない(摂取できるカロリーと消費カロリーのバランスが割に合わない)。
リアルすぎる=逃げられそう?
だったらば、泳ぎのリアルさを追及するよりも、泳ぎが下手だったり、無警戒に泳ぐ姿を模倣する方が効果的だろうと結論付けていました。
まさに、そのあたりがバスのルアー釣りの面白いところだと思います。
スーパーリアルでバスを寄せておいて、肝心の食わせる部分にはある種の隙を作らないといけないみたいな感じなのでしょうか。
ワームもシェイク中よりポーズ中が食いますし、ジャークベイトやシャッドもポーズ中が食いますし、メタルジグやメタルバイブはフォール中が食うのは、そういうことなのでしょうか。
ビッグベイトやスイムベイトは集魚力はありますが、バスに咥えさせるのには苦労しますので、ルアーデザイナーさんはそこで苦労するのでしょうね。
皆さんはビッグベイトの秘訣など、ありますでしょうか?
さて、今回の動画も面白かったです。
またこのチャンネルが更新されましたら、ここで紹介させてただければと思います!
それではまた。
毎度ありがとうございます!