バスの目から見た色:バスの視点に立てばバス釣りに活かせるか!?
人間とバスの目は構造的には同じようにできていますが、色の見え方は人間と同じように見えているのでしょうか。そしてその違いは、バス釣りに活かすことはできるのでしょうか。
こんにちは!店長の小山です!
本日は海外サイトより、”Catch more fish by seeing things from their point of view”という記事を引用してご紹介いたします。
釣具屋さんの店内に入ると見える色とりどりのルアーが並んだ風景、バスアングラーならどんな自然の絶景よりも美しく感じるかもしれません。
そして自分が選んだルアーが並べられたタックルボックスを開くと、そこには自分の好みのルアーやカラーが並んでいるわけですから、また別次元の美しさが広がっているわけなんですよね。
色々な人のタックルボックスの中を見ると「この人はこのカラーが好きなんだな」とわかるほど、ルアーにはその人の実績カラーや単なる好みが反映されているものです。
人間は地球上でもっとも頭がいい生き物ですから(というか脳みそのスペックが高いだけで頭は良くないというべきでしょうか?)、色々な情報を処理できます。
目というレンズから入ってきた「ストーブの上に置かれた餅」という情報があると、「ストーブは熱い」「餅はうまい」という記憶をもって「気を付けて食べよう」という情報処理をし、結局「舌を火傷したけど美味しかった」という結果をはじき出します。
こんな例を見ると、やはり脳のスペックは高いのに頭は良くないようです。いえ、これは私の場合なんですけどね(笑)
さらに、ストーブがなくても、テーブルの上の白くて四角っぽいものを見ただけで、「もしかしてお餅かな!?」とか「消しゴムかもしれない」と予測できる能力もあります。
こういった脳の処理能力と記憶があいまって、釣り人のタックルボックスにはよさげなルアーが並んでしまうのですが、そのルアーにはもっといろいろな情報や感情までもが入り込んでいるため、もはやなぜこのルアーがここにあるのかを説明することさえ難しいと思います。
ではそのルアーたちを、魚の視点から見たらどうなのでしょうか。
もちろん魚も生き物ですから、人間と同じように色々な器官を使って五感(視覚・嗅覚・聴覚・味覚・触覚)を持ち、今を生きています。(もしかしたらそれ以上の感覚があるかもしれません)
ただし、脳のスペックが低いと、その感覚器官で得た情報を処理できませんから、必ずしもその感覚が人間と同じとは限らないわけです。
私たちがタックルボックスに入れている様々なカラーのルアーたちは、バスの視点に立って見た時、役に立つのでしょうか。
この記事は、アメリカペンシルバニア州のWeb新聞、「ピッツバーグポストガゼット紙」の記事で、記者のジョン・ヘイズ氏が、魚の視点に立った色の見え方についての取材結果を書いています。
人間の色の見え方と魚の色の見え方について、ちょっと読んでみましょう。
色のしくみ
視覚を理解するには、まず色の性質を理解することが役立ちます。原子レベルでは色というものは存在しません。光波はさまざまな方法で分子から跳ね返り、その形を変えます。その変化した波が目によって吸収されます。網膜のロッド受容体は、明るさや暗さの程度を区別する信号を脳に送ります。コーンは特定の周波数を脳に送り、脳はこの信号を色として解釈します。
人間の目では、光波の周波数のもつ非常に長いスペクトルの中の短い範囲だけが見えています。
空気中を通る光が水に入ると、速度が遅くなり、方向もわずかに変化し、波長は徐々に水に吸収されていきます。光が水中に深く入るにつれて、より多くの波長が吸収または消滅します。まず最初に、エネルギーが小さな最も長い波長、つまり脳によって赤と解釈している波長が吸収されます。次にオレンジが消え、次に黄色と緑、最後に青と紫が続きます。吸収される色は、虹に見える色と同じ順序で、水中で消えていきます。
魚の目の構造
魚と人間の目は構造的に似ています。 動物がどう見えているのか正確にはわかりませんが、網膜のロッドとコーンの数からすると、それらが伝達する周波数もわかるため、科学者はさまざまな種の魚がさまざまな光の範囲を認識し、さまざまな水深で物体をさまざまに見えていると考えています。
漁業生物学者でありペンシルベニア州フィッシュアンドボート委員会の元局長であるジョン・アーウェイは、ほとんどの光の周波数が消滅する深海で生活している魚は、おそらく遺伝的に明暗の認識だけが特出しているだろうと示唆しました。
「魚には、住んでいる場所に応じて、色や色のバリエーションが変わるはずです。 深海魚は、取り込める光が少ないため、浅い水中の魚と同じようには色の違いを見分けることができません。」と彼は言います。
人間とトラウトの色覚のちがい
人間の目には3種類の色受容体があります。 色を見分けるコーンにより、565ナノメートル(以下nm)の光周波数に反応して赤を見ることができます。 535 nmに設定された他のコーンでは、緑を見ることができ、青と紫は440 nmで検出されます。
トラウトの目には4種類の色受容体があります。 彼らは人間に見える赤、緑、青を見ることができますが、多少の違いがあります。 釣り人が濃い赤のルアーとして見ているものは、トラウトにとっては明るい赤として認識されているようです。 4つ目の色受容体を使用すると、トラウトは人間に見えるスペクトルよりも低い355 nmの紫外周波数を検出できるようです。 不思議なことに、これらの紫外線を見分けるコーン細胞はトラウトがまだ若いときと、産卵中にのみ使われるようです。
バスの色覚の違い
ラージマウスバス、スモールマウスバス、スポッテッドバスは見た目によって名前が付けられています。スズキとは同じ系統ではなく、どちらかと言えばブルーギルに近い関係にあります。 1937年という早い時期に実施された生態調査によると、ラージマウスバスは赤と緑を区別できることが判明しました。最近になって、この調査結果を確認する意味で、健康なバスが近縁種を含めて色をどの程度区別できるかが調査されました。
「バスは、535 nmで最大感度のシングルコーン細胞、614 nmで最大感度のツインコーン細胞、および528 nmで最大感度のロッド細胞を所有しています」とジャーナルカレント動物学の研究者は述べています。 「視覚を認識する単純なモデルでは、バスはチャートリュース系の黄色から白の間、または緑から青の間を識別できないはずです。対照的に、バスはほぼ白黒に見える世界から赤を識別できるはずです。これらの予測は行動試験で部分的に裏付けが得られました。」
この研究では、バスは赤と緑は区別できても、青や黒などの暗い色は同じように見えてしまっていることを示しました。チャートリュースや白などの明るい色もまた、バスにとっては同じ色に見えています。
不思議ですよねえ。
目の構造自体は魚も人間も似たようなものですが、細胞レベルで見ると全然違うんですね。
専門用語が多くて、細かいことまでは理解しにくいのですが、魚に人間と同じような機能を持った目があったとしても、脳みそでそれを処理できているかどうかまでは多分まだ分かっていないのではないかと思います。
まあ、実際にはその機能なりの処理能力はあるとは思うんですけどもね。
明暗や色彩を処理するロッド細胞とコーン細胞が、人間が3つなのに対して、トラウトは4つあるということでした。トラウトの方が色彩感覚が豊かなんですかね。でも、人間が4つ持っていたとしたら、情報量が多すぎて、ハイスペックの脳がその処理をどうするのか、逆にすごくややこしくなってしまうような気もします。
ここで思ったのですが、トラウトという魚は非常に色彩豊かですよね。その次にバス、そして鯉のようにほぼ単色のような魚がいます。また、ウグイのように婚姻色が出るときだけ色彩の数が増える魚もいます。
これって、その魚のコーン細胞の数が多いほど、魚体の色彩も多くなるのかなと思いました。
識別できる色が多いからこそ、繁殖するには自分が色鮮やかになって魅力的に見せる必要があったのではないですかね。トラウトの場合は若いころと産卵中だけ識別細胞が4種類になるそうですが、そういえばトラウトは卵も黄色や赤と鮮やかなのも特徴的ですが、それが関係しているのかどうか。普通の魚の卵は白系か透明なものが多いですもんね。
なので、色鮮やかな魚ほど、識別できる色も多いみたいなことなんですかね?
でも、タコはまわりの色に擬態できますから識別できる色は多そうですが、マダコの素の色は別に鮮やかでもないですね…何とも言えなくなってしまいました(笑)
まあ、よく分かりませんが、記事によりますと調査の結果はそういうことですので、つまりどういうことかといいますと、「バスを釣るときにルアーのカラーはあまり気にしてはいけない」ということが言えるのかと思います。
暗い・明るい・赤・緑という、極端な4色くらいを用意しておいて、あとは場所やレンジやスピードを変えたほうが釣りやすいですよと。そういうことなのではないかと思います。
釣具屋の私としては納得がいかない話ですね(笑)
商売根性丸出しで言葉を言い換えるとしたら、カラーを増やすのではなく、ルアーの種類を増やす方がバスは釣れますよ、ということでしょうか。ですから皆さんは、当店でもっとルアーをいっぱい買ってくださいね。(露骨で本当にすみません)
皆さんはこの調査結果、どのように受け止められましたでしょうか。
それではまた。
毎度ありがとうございます!