ジェイコブ・ウィーラー「MLFのフォーマット変更には特に問題はない!」

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Photo by bassfan.com

アメリカバスプロトーナメント団体最大手のひとつ、メジャーリーグフィッシング。このシーズン戦であるバスプロツアーでは、2023年シーズンよりバスマスター等でおなじみの5本リミット制に変更となりました。どうなるのか楽しみですね!

こんにちは!店長の小山です!

本日は海外サイトより、”Wheeler Not Concerned With BPT Format Change”という記事を引用してご紹介いたします。

引用先:bassfan.com”Wheeler Not Concerned With BPT Format Change”December 16, 2022

アメリカにはメジャーリーグフィッシング(以下MLF)という大手のバストーナメント団体があるのをご存知でしょうか。

MLFには年間を通してひとつのバスプロツアー(以下BPT)というシリーズ戦と1試合だけのカップ戦がいくつかあるのですが、MLFの特色のひとつとして、他団体ではおなじみの5本リミット制ではなく、リミット無しの重量上積み制を採用していました。

このフォーマットには賛否両論あり、先日、MLFが今後の方針を決定するために公式HP上でファンに向けてアンケートを取ったんです。

この結果やさまざまな議論を経て、2023シーズンからBPTのみ5本リミット制に変更になることが決定したようです。

これにより出場選手の方々には少なからずなんらかの負担が出ることになってしまうとは思うのですが、エンターテインメントの国アメリカでは、何よりもファンのため、より楽しめるように変更を繰り返すというのは、業界全体のことを思えば悪いことではないと思います。

さて、しかしながら、実際の選手の声にはどんなものがあるのでしょうか。

この記事は、アメリカのバスプロトーナメント専門の情報サイト「BASS FAN .COM」のコラム記事で、アメリカのトップ中のトッププロ、ジェイコブ・ウィーラー氏に、このフォーマット変更についてインタビューされたものです。

人気・実力ともに世界一と言ってもいいであろうジェイコブウィーラーは、このことについてどう考えているのでしょうか。

それでは読んでいきましょう。

より多くのファンにアピールできるでしょう

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Appeals to Different Audiences Wheeler said television viewers who aren’t competitive bass anglers themselves likely prefer the every-fish-counts format. With sheer numbers of keepers as the focus, the scoring (and thus the action) is virtually non-stop. The format didn’t resonate with the sport’s most passionate fans, however. Perhaps the retention of the ScoreTracker, which keeps competitors abreast of their place in the standings at all times, and a switch to scoring only an angler’s five heaviest catches will strike a balance that appeals to both sides. Plus, the conservation advantage of immediately releasing all fish after they’re weighed and not stuffing them into a livewell will remain the status quo. “The advantage of counting every fish is you could get bigger separation (on the standings sheet)," he said. “It took some of the luck out of the scenario. In two days of practice, guys who are good at finding fish could find a bunch of 2 1/2- to 2 3/4-pounders and you could compete that way as long as you could generate enough bites. “With five fish you have to figure out how to get the 4-pounders, but the guy who lucks into a 7- or 8-pounder is that much better off. It’s very much like restrictor-plate racing – things are going to get tighter. You’ll see adjustments made on the water and we’ll find out what it’s like to have the ScoreTracker in a five-fish-limit tournament."

ウィーラー氏は、バス釣りをほとんど知らないテレビの視聴者であれば、すべてのバスをカウントするフォーマットのほうを好む可能性が高いと言います。より多くのバスが事実上ノンストップでテレビ画面に映るからです。

しかしこのフォーマットは、より本格的なバスアングラーや熱心なファンの共感を呼ぶものではありませんでした。 ですので、ライバルの結果が絶え間なく表示される「ScoreTracker」(スコアトラッカー=リアルタイムポイント表示システム)に5本のベストウェイトが表示されることは、双方のファンにバランスよくアピールすることができるでしょう。

さらに、バスを検量したらすぐにリリースし、ライブウェルには入れないというバスに優しい部分はそのままです。

「すべてのバスをカウントすることのメリットは、順位差で大きく突き放すことができることです。これには運の要素はあまりありません。2日間のプラクティスで、バスを見つけるのが得意な人は、2~3ポンドのバスをたくさん見つけることができ、無限のバイトを得ることができましたので。」

「5本リミットでは、どうやって4ポンド以上のバスを釣るかということを考えなければなりませんが、運によって7~8ポンドが釣れることもあり、それで有利になることがあります。私たちはスコアトラッカーにより、ボート上で途中経過がわかり、今どのようなことをしなければならないかがすぐにわかります。」

世論の影響

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Influenced by Polls Wheeler said the results of polls conducted by himself and others on social media caused him to lean a bit toward the five-fish-limit side as the best way for the BPT to proceed. “I never saw a poll where every-fish-counts won – there wasn’t a time that five fish didn’t get the majority," he said. “When I added up all the polls it was about 63 percent for five fish, so that’s what really weighted it for me. “I have to take my own personal agenda out of things. MLF had to make a decision and I commend them for doing it. Nobody who signed up for this thought things weren’t going to change – that’s one of the things that will help elevate the sport of bass fishing, no matter how you have to do it. We have to try to make it better for everybody involved." He said one group that will significantly definitely benefit from the switch is current high school and college anglers who aspire to join the professional ranks. “One of the biggest things was that those guys couldn’t dream about fishing on the Bass Pro Tour because they couldn’t compete that way (presently). They’d have to go through the Toyota Series or the Invitationals without competing in (the BPT) format. “It’s kind of like wanting to be a pro football or basketball player, but not being able to play the same game in high school."

ウィーラー氏は、自身や誰かがSNSで実施した世論調査の結果により、BPTを進化させるためには、5本リミット制も必要なのかもしれないと考えたようです。

「すべてのバスをカウントするフォーマットの方が良いという調査結果は見たことがありません。すべて5本リミットの方が過半数以上という結果ばかりでした。調査の結果を見る限り、5本リミット制に賛成する声は約63% だったので、私もその意見を尊重するべきなのかもしれないと思ったのです。」

「私はそれについて個人的な感情を持ち込むべきではないと考えます。MLFは判断に迫られましたが、私は彼の決定について称賛します。 どのような方法であれ、バスフィッシングというスポーツを向上させるはずです。関係者全員にとってより良いものにするよう努めなければなりません。」

この変更により、確実に恩恵を受けるのは、プロになりたいという情熱を持つ今の高校生や大学生アングラーだろうと彼は言います。

「最大の問題の1つは、彼らがバスプロツアーで釣りをしたいという夢を見ることができなかったということです。なぜなら、今の学生トーナメントにはそのようなフォーマットがないためです。彼らは、BPTと同じフォーマットを経験することがないまま、BPTのフォーマットであるFLWトヨタシリーズやインビテーショナルで戦わなければならなかったのです。」

「フットボールやバスケットボールのプロ選手になりたいのに、高校でフットボールやバスケットができないのと同じうようなものです。」

ジェイコブ・ウィーラーの視点

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Notable > Wheeler hasn’t run all the numbers, but he thinks he would’ve fared well on the BPT this year even if the five-fish-limit format were enacted retroactively. “I caught some of the biggest five-fish stringers that I ever have – I just never got credit for that and it was hard for people to notice it. At Caney Creek (in the first event of the season in Louisiana), my best five weighed 32 pounds." > He said one venue on the 2023 schedule where strategy will definitely change under the five-fish format is Lake St. Clair. “I think it’ll be a lot more entertaining. The largemouth will come into play and not everybody will be throwing a dropshot."

ウィーラー氏はすべてのスコアを計算したわけではありませんが、もし今まで通り5本リミットのフォーマットだったとしても、今シーズンのBPTは問題なかったと考えています。

「これまでの何試合かでは、5本リミットだったとしても優勝スコアを出しています。その記録は残りませんので、ファンや他の皆さんがそれに気付くのは難しかったでしょう。ルイジアナ州キャニークリーク (シーズン初戦) では、自己ベスト記録が出ました。 5本のウェイトは32ポンドでした。」

彼は、2023年のこの5本リミットへの変更により、確実に戦略が変わる場所のひとつがレイクセントクレアだと言います。 「この試合はもっと面白いものになると思います。ラージマウスも登場したり、みんながドロップショットリグを投げることもなくなるでしょう。」

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現在、地球上でもっとも強いバスプロ、ジェイコブ・ウィーラーのことですから、このような変更にはさほど影響はないと言えるのでしょうね。

数字からすれば、5本リミットだったとしても2022年の彼の順位は変わらなかったと考えられるようです。

しかし実際は、これまで通りの展開にはならないかもしれません。

上から5本しか記録しないということは、各選手の差がかなり縮まるということですし、全員のなかからこれまでのフォーマットの戦い方から変えてくる選手がいるはずだからです。

1発のある選手がより強くなることで、最後の最後まで油断ができなくなりました。

(これまでのフォーマットの場合、1位がほぼ確定するくらいにぶっちぎりの選手は後半ピリオドは事実上、次の日のプラクティスに充てていたのです)

このことから、ジェイコブウィーラーの言う通り、これまでのリミット無しが好きだったファンも、5本リミットフォーマットの方が好きなファンにも楽しめる試合になるだろうと思われますよね。

さらにスコアトラッカーというリアルタイムスコ表示システムがあることで(バスマスターでは他の選手の状況はわからない)、各選手に目に見える具体的な形での作戦変更が余儀なくされ、その過程を見ることができるのも楽しみのひとつです。

2023年のMLFバスプロツアーがどのようになるのか、注目したいところですね!

それではまた。

毎度ありがとうございます!