バス釣りに魔法はない

プロの方々が見せるバス釣りのテクニックや実際に釣っているシーンを見たとき、あまりにも次元が違い過ぎると、まるで魔法でも見ているかのような気持ちになることがあるのですが、そんな気持ちに対してプロの方々が伝えたいこととは、どんなことなのでしょうか。
こんにちは!店長の小山です!
本日は海外サイトより、”No Magic Formula”という記事を引用してご紹介いたします。
引用先:missilebaits.store ”No Magic Formula”by John Crews|February 08, 2021
私は、ごく一般的なアングラーです。
普段は1本のバスに辿り着くのにとても苦労し、もちろん辿り着けないことも多々あり、たまたまいっぱい釣れることもある、そんなアングラーです。
私から見てプロのアングラーさんというのは特別な人々で、彼らが何をやっているのか、説明されれば分かることもありますが、ただ見ているだけでは彼らの考えも分からない、まるで別次元の釣りをしているようにも感じることもあります。
プロの方々からバス釣りを学ぶというのは簡単なようでいて、自分自身もある程度バス釣りのことを理解しようとしないといけない部分もあるかもしれません。
また一方で、プロの方々は私たち聞き手のレベルに合わせて話の内容をより分かりやすく伝えるようにしてくれるものですが、そういったお互いの歩み寄りがない場合は、本当に魔法でも見ているような気持ちになることもあります。
それくらい、彼らには特別な力がある、またはとっておきのルアーでも使っている、または彼しか知らない秘密のポイントで釣っているといった、何らかの秘密でもあるように感じてしまうんです。
まあそういう考えは、私の性格の悪い部分が出ているのでしょうけどもね…。
実際のプロの方やプロガイドの方々に「なんか秘密でもあるんですよね?」なんて聞いてみると、返ってくる答えは決まって「そんなのないですよ」ということ。
多分ですけど、私と同じような質問をされたことがこれまでにあったのだと思います。
そんな質問をされた時、プロの方というのは私たちを傷つけたり気を悪くさせないように答えてくれると思うのですが、本当のところは、どんなことを私たちに伝えたいのでしょうか。
この記事は、アメリカのルアーメーカー、「ミサイルベイツ」の公式HPのブログ記事で、ミサイルベイツの社長兼トッププロアングラーであるジョン・クルーズ氏が、バス釣りのマジックについて語ってくれています。
あるようでないようなバス釣りマジックの世界を、ぜひのぞいてみてください。
バス釣りに魔法の数式はない
バス釣りは人生と同じようなものです。 必ず成功する魔法のような公式などありません。 釣りに行くたびにバスが釣れるルアーというものもありません。 他のスポーツやビジネスと同じです。 魔法の公式があるとすれば、ハードワーク、トライ&エラー、そして決断だと言えます。
イチローと松井秀喜の成功
イチローがメジャーで10シーズン連続200本安打を達成したのには魔法を使ったと思いますか?松井秀喜がワールドシリーズでMVPを獲ったのも何かの魔法を使ったと思うでしょうか? 彼ら2人は両方とも細部にいたるまで驚くべき注意を払っており、自分自身に多くのことを要求しています。そう、彼らは彼らの周りの人間の誰よりも、自分自身が一番自分自身に多くを要求していたのです。 最もプレッシャーがかかる状態で頑張っていたという人もいます。私もイチローとマツイはそうだったと言うほかありません。
バス釣りではどうか
ケビン・バンダムがバス釣りでいうところのイチローや松井だというのが日本人にとっては分かりやすいでしょう。 彼の実績を見ると、彼はすべてのトーナメントを1つのルアーやテクニックだけで勝ってきたわけではありません。 彼はディープクランク、スピナーベイト、ドロップショットなどを駆使してトーナメントに勝ってきました。 ケビンの大きな武器は、フィールド上で常に効率的であることです。 彼は変化する条件に素早くアジャストします。 それこそが本当の魔法です。
私にとって、日々にアジャストする能力は、バスアングラーにとって本当の魔法だと思います。 バスフィッシングというスポーツには、他のスポーツよりも多くの変数があります。 湖が変わる。 天気が変わる。 バスが動き回る。 光量が変わる。 すべてが変わります。 バイトを出し続けるためには、フィールドでアジャストする準備ができていて、自ら進んでアジャストしていく必要があります。
バス釣りの公式を見つけるには
おそらく、バス釣りをする中で最も難しい部分といえば、バスを見つけることです。 お気に入りの湖にボートを出してあたりを見回してみます。 バスはどこにでもいる可能性があります。 これは恐ろしいことです。 気が遠くなることもあります。 バスはどこにいてもバスであることを覚えておく必要があります。 バスを見つけ出すには常にいくつもの方法があることを知っておく必要があります。 その日にバスを見つける方法がわかれば、バスは見つかるでしょう。
バスは他と何か違うものが好きです。 5つの岬があり、1つだけが大きい岬の場合、そこにいます。 シェードができる桟橋があれば、そこにいます。 岬にウィードラインがあれば、彼らはそこに行きます。 バスは待ち伏せタイプの捕食者です。 彼らは簡単に食事をしたいと思っているので、エサを食べるには隠れることがその手段となります。 他とは違う種類のカバーを探すことは、バスを見つけるための良い方法です。
魔法を継続すること
バス釣りについて私が一番忘れてはならないと思うことは、これは恐ろしいスポーツであるということです。 ある日はどれだけ上手く釣りができても、翌日はまったく違うことになっています。 毎日をアジャストする準備ができていなければ、恐ろしいことになるでしょう。 毎日を新しくしてください。 どうでしょう、魔法を少しは理解できましたでしょうか。

ジョン・クルーズの言う魔法は、非常に地味なものですね。
記事の途中にあったイチローと松井の部分は、私が勝手に書き換えたものですが、イチローの言葉には、
自分が全く予想しない球が来たときにどう対応するか。それが大事です。試合では打ちたい球は来ない。好きな球を待っていたのでは終わってしまいます。
苦しみを背負いながら、毎日小さなことを積み重ねて、記録を達成した。
苦しいけれど、同時にドキドキ、ワクワクしながら挑戦することが、勝負の世界の醍醐味だ。
というものがありますし、松井は試合があった日も無かった日も、毎日毎日、長嶋監督に何百回もの素振りを見てもらったそうです。メジャーに行っても、電話で素振りの音を聞いてもらっていたのだとか。
他の選手がリラックスしている時にも、地味なことをコツコツと続けていたことがうかがえます。
やはり、トッププロの世界は尋常じゃない世界なのだとは思っちゃいますよねえ…。
さてジョン・クルーズが教えてくれた「バスは違いが好きな魚」という部分。
5つのうち1つだけ大きな岬や、同じストレッチにひとつだけある桟橋のシェード、というのが記事に出てきた違いでしたが、私が付け足しさせていただくとすれば、「バスは逆説的な魚」ということ。
逆説的な魚というのは、「有る所には無い所にいて、無い所には有る所にいる魚」という意味です。
たとえば、
- ウィードが無い所にはポツンとウィードがある所にいて、ウィードだらけのところにはウィードが無い所にいる
- フラットエリアには少しでも坂がある所にいて、急坂エリアなら狭くてもフラットな部分にいる
- 濁っているところならクリアなところにいて、クリアなところなら濁ったところにいる
- 流れているところなら流れが無い所にいて、流れていない所なら流れがある所にいる
- ベイトフィッシュが多すぎるなら、多すぎないところ、ベイトが少ない所なら、群れのいるところにいる(バスの方が反応が良い)
- 晴れた日には曇ったときに食って、雨の日には晴れ間が出た時に食う
・・・考えればもっともっとありそうなんですが、まあつまり、こんな傾向がある、あまのじゃくな魚だと思うんです。バスは。あくまでも私の個人的な考えの範囲の、ひとつの傾向なんですけどね。
だからといって釣れるかどうかは分からない、やってみなくちゃ分からない、それが私の釣りですから、魔法に期待せず、コツコツと試してみたいなと思います。
イチローのような大記録は作れませんが、ワクワクしたりドキドキする気持ちはイチローと変わらないと思うんですよね。私も、皆さんも。
誰か本当にまじで魔法が使えるようになったらこっそり私にだけやり方を教えてほしいですけどね…(笑)!
それではまた。
毎度ありがとうございます!