【バス釣り初心者向き】キャッチ&リリースを学ぼう
日本では、特定外来種であるバスの正しいリリース方法が示される機会はあまり多くありません。しかし、リリースが正しい行為である場合、せっかくの優しい気持ちを台無しにしないよう、リリースの方法を学びましょう。
こんにちは!店長の小山です!
本日は海外サイトより、”HOW TO HOLD A FISH THAT YOU PLAN TO RELEASE”という記事を引用してご紹介いたします。
引用先:takemefishing.org”HOW TO HOLD A FISH THAT YOU PLAN TO RELEASE”by DEBBIE HANSON|7/26/2021
※この記事はバス釣りのキャッチ&リリースの方法についてのガイドラインですが、バスなどの外来魚のむやみな拡散を目的としたものではありません。実際のバスのリリースにつきましては、そのフィールドや地域、各自治体の定めるルールに従ってください。
バス釣りに限らず、アングラーさんの多くが、釣れた魚に敬意を持って接してらっしゃいます。
食べることのありがたさや命の尊さを学ぶという点でも、釣りは良いですよね。
昔の釣りは漁に近い感覚で、釣ったら食べるというのが習わしとしてありましたが、1960年代、アメリカのバスフィッシング団体、B.A.S.S.(バスマスター)がトーナメントを行う際、ウェイインしたバスの多すぎる死体を見て(昔は15匹リミットでライブウェルもなかったため、全部死魚の状態でウェイインしていた。その後全部食べていた?)「これではバスが絶滅してしまう」と懸念し、釣ったバスをリリースする文化を作りました。
これにより、現在のアメリカではアングラーの95%が釣ったバスをリリースしているそうですが、残りの5%は食べるために持ち帰っています。ただし、食用のための持ち帰りのルールもフィールドごとに決められており、ほとんどの方がルールに従っているものの、バスが美味であるがゆえにこれに反対するアングラーも多く、もっと持ち帰りたい派の声が意外とあるようですね。
日本に持ち込まれたブラックバスにはもちろんそのような背景は無く、キャッチ&リリースという(表面上の)文化も同時に持ち込まれたものの、外来魚というサブタイトルがつくためか、アメリカほどバスという魚そのものを大事にする文化までは至らず、乱暴な扱いを受ける場面も多くあったと思います。
どちらかと言えば、食べられない魚だし面倒臭いからリリースする、みたいな感じでした。
今もそのような思想は残っていますが、特にここ数年はSNSの普及のおかげか、バスという魚に対する思いやりの精神は日本でも広がっていると感じます。
しかし、日本では特定外来種であるバスのリリース方法というのが紹介されることはほとんどありませんよね。
これではせっかくの優しいアングラーさんのためになりません。
この記事は、アメリカの水辺のレクリエーションを推進・保護する非営利団体が運営するWebサイト「Take Me Fishing」のブログ記事で、女性アウトドアライターでありフィッシングガイドでもあるデイビー・ハンソン氏が、キャッチ&リリースを正しく覚えるためのガイドを共有してくれています。
キャッチ&リリースの釣りをする方はぜひ覚えていってくださいね。
バスは常に濡れた状態で
魚からフックやルアーを外すときは、出来る限り魚は水中に入れておきます。魚を水から出してしまうと、ストレスや窒息(空気中に長時間いる場合)を引き起こすため、注意深く取り扱わないと内側からのダメージにやられる可能性があります。
濡れた手で扱う
キャッチアンドリリースが前提での釣りをしている場合は、魚を扱う時は濡れた手を使用してください。濡れた手で魚を扱う方法を学ぶということは、魚を保護している粘膜の損失や損傷を減らすことを学ぶことです。布は魚の粘膜を奪い、魚を感染症にかかりやすくしてしまうため、魚を取り扱うときはタオルなどの布を使用しないでください。
サポートをきちんとする
フックやルアーを外すために魚を水から出す場合は、ラバーコーティングされたランディングネット(ラバーネットは魚の粘膜の損傷を防ぐのに役立ちます)を使用するか、片手を水中に静かに入れ、魚のお腹の下に入れて持ち上げます。魚を横に持ち上げるときは出来る限り片手は魚の腹のあたりを支えるようにします。
魚を優しく扱う
魚の扱い方は優しく、魚を強くつかみ過ぎないようにしてください。魚を強くつかむと、内臓や筋肉組織に損傷を与える可能性があります。魚のエラも触ってはいけないことを覚えておくことも重要です。
魚によって扱い方を変えることも必要です。これは、あなたが狙う魚の解剖学や生態学について学ぶ必要があることを意味します。たとえばバスの持ち方を学ぶときは、バスの下唇をつかみつつお腹を支えると言いますが、トラウトを持つときは、魚の口を手でつかむのはいけません。
フックやルアーはすばやく取り外します
フックを外しているとき、魚は水中に入れ、頭を下に下げて魚を落ち着かせます。魚を水から出す必要がある場合は、自分の息を止められる時間以上に魚を空気中に晒さないように注意してください。
冒頭で、日本ではキャッチ&リリースを学ぶ機会が少ないようなことを書きましたが、実際はアメリカでも正しいキャッチ&リリースができているかどうかと言えばかなり幅があり、気を付ける人と気にしない人に分かれている感じです。
まずは釣りが楽しいことを覚えることが重要だとは思いますが、こういう部分もしっかり身に着けておいた方がいいでしょうね。
特にSNSの世界というのは、バスに限らず、魚の持ち方ひとつ、サイズの測り方ひとつ、写真の撮り方ひとつでお互い嫌な気持ちになることが多い世界ですので、そういう意味でも気を付けたいものですね。
(食べるならどういう扱いをしてもひとまず大丈夫ですが、その場合でも食べる宣言をしないと誤解されやすいのも辛いところです。気を付けましょう)
私が個人的に気になったのは、魚を優しく扱う項目の、魚種ごとに扱いを変えるという部分です。
特にバス釣りをされる方の場合、他の魚を釣った時もバスと同じような持ち方(いわゆるバス持ち)をしようとする傾向があると思うんです。
多くの魚種でその持ち方でも大丈夫なのですが、気を付けたいのはトラウト、ナマズ、ライギョ、海ではヒラメ、ムツ、サメなど、歯が三角形をしている魚種です。
これらの魚は、バスのようにまるごと飲み込んで窒息死させる魚ではなく、歯で切って出血させて失血死させる魚。
全部がそうではないのですが、噛みついたらグルグルねじって噛み切ろうとするので、ファイト中にラインが魚にグルグル巻きになってしまう特徴のある魚です。
そういう魚の歯にちょっと触れただけで痛みもなくスパッと切れて、いつまでも血が止まらない切れ方をするんですよね。なんであんなに血が止まらないのか不思議なくらいです。
もしそうなったとしても、彼らが悪いのではなく、持ち方が悪いんですからね。
魚だけでなく、自分にダメージを与えないためにも、魚種ごとのキャッチ&リリースというのを意識しておきましょう。
それだって、立派に釣り場の未来を見据えた行動になりますもんね!
それではまた。
毎度ありがとうございます!