釣りをしていて熊(ツキノワグマ)と遭遇してしまったら

日本に住む数少ない猛獣の仲間のひとつ、ツキノワグマ。私たち釣り人にとっては非常にその確率は低いとはいえ、常に遭遇の危険があります。危険とは出会わないことが一番ですが、出会ってしまった時の対処を知っていれば、目の前の危険を回避し、自分自身を助けるのに役立つはずです。
こんにちは!店長の小山です!
本日は海外サイトより、”What to do about black bears”という記事を引用してご紹介いたします。
引用先:humanesociety.org ”What to do about black bears”
皆さんが「釣りをしていて潜んでいる命の危険」として真っ先に思いつくのはなんでしょうか。
おそらく、水難事故ですよね。
これはもちろん皆さんお気を付けになられていることと思いますが、この他にも危険はあるもので、例えば落石や交通事故などの物理的なものや、熱中症や低体温症などの身体の異常によるものなど、オーバーかもしれませんが、意外と命の危険というのはあるものです。
他には今回のテーマとなりますが、野生動物との遭遇がありますよね。
ざっと考えてみると、熊、猪、毒蛇、毒虫、野犬などがいるかと思いますが、命に危険を与える生き物を想像するだけで、まあまあ怖いです。
日本は他の国と比べれば猛獣と呼ばれる動物は少ない地域ですが、北海道にはヒグマ、本州以南にはツキノワグマという猛獣が、意外なほど身近にいるんですよね。
特に近年では住宅街に熊や猪や猿が紛れ込んでくるのが度々ニュースになっていますので、住宅街にある池で釣りをしているから大丈夫とは言えなくなってきました。
皆さんは、熊が目の前にいたらどうしますか?正しい行動を起こせますでしょうか。
危険とは遭わないことが一番ですが、もし遭ってしまったときに対処法を知っていれば危険を回避し、自分の身を守るのに役立つはずですよね。
この記事は、アメリカの動物保護団体のひとつ「The Humane Society of the United States」のコラム記事で、住宅地のツキノワグマについての解説や遭遇してしまった時の対処法が書かれています。
人間と動物の双方にとって不幸なことが起きないよう、読んでみてはいかがでしょうか。
熊が人間に対する恐怖をなくすワケ
クマには鋭い視力と聴覚があり、彼らの嗅覚は犬の7倍もあります。ペットフード、ゴミ、バーベキューグリル、鳥のエサなどのありかを察知するための鋭い能力があり、一度食料源を探し出すと、それがどこにあったかも記憶します。
クマは通常、人間を警戒しますが、クマが怖がらずに食べ物を見つけてしまった場合、彼らはまたやってくるかもしれません。これが繰り返されると、さらに恐れることがなくなり、習慣化することで問題につながる可能性があります。彼らの過食症は、冬眠を意識しはじめる夏の終わりから秋から食欲が増して荒食いが始まり、1日当たり20,000カロリーを摂取し、1日ごとに体重が1~2キロ増えていきます。
人間への恐怖心を失った熊は「迷惑熊」と呼ばれます。これらはほとんどの場合、親離れしたばかりで食べ物を探す方法を学んでいる最中の若いオス熊か、子供を連れた母熊です。多くの州で、迷惑熊は住宅地に戻ってこれないように殺処分されたり閉じ込められたり、遠くへ移動されます。しかしほとんどの場合、人間が庭やゴミ箱などに食べ物を捨てたりしなければ、このような結果を招くことはなかったと思います。
熊と生活圏が同じにならないようにするには
お住まいの地域でクマが人間界に慣れないようにするには、次の手順に従ってください。
- ゴミ箱に熊が近づけないようにします。夜にごみを捨てるようにするか、対クマ用のゴミ箱やコンテナを購入します。
- 庭の生ごみ捨て場(堆肥場)を囲います。掘っただけの堆肥の穴、特に生ごみを入れるような穴は、クマにとってはたまらないごちそうです。熊は簡単に見つけて掘り起こすので、生ごみを埋めただけではうまくいきません。
- 廃品回収に注意してください。廃品回収などでリサイクルするものを家の外に出しておくときなどは注意し、空き瓶などは良く洗ってください。
- バーベキューグリルは清潔に保ち、できる限り油分を残さないようにします。グリルをしばらく使用しないときはアンモニアや漂白剤などで掃除し、家から離しておいてください。
- 鳥の巣箱を再考してください。夏は、鳥は自然界で自分で食物を摂ることができます。鳥の巣箱やエサ場をセットしてあげる場合は、家から離して設置してください。
クマ問題に対処している自治体などは、クマに故意または無意識のうちに食べ物を与える人に罰金を科したりしています。またクマ用のゴミ箱の設置を要求したり、教育用チラシを配布したり、元警察官の役員などがゴム弾、爆竹、唐辛子スプレーを使用した熊撃退の技術を訓練する講習会などをしています。
ステファン・ヘレロ(生物学者):「人間が食物とゴミを管理さえすれば、人間と熊は問題なく共存することが可能であることは間違いありません。」
ハンティングでクマの被害が減らない理由
自治体などが熊の目撃談などを通報すると、州の野生生物機関がハンティングを開始したり、現在のハンティングの対象の割合に熊を増やすことが多くなります。 しかし多くの研究によると、ハンティングは人間と熊の問題を解決するには至っていないと示しています。 ハンターは森の中にいるクマをターゲットにしており、人間の居住地の近くで問題を引き起こしているクマではないのです。
またハンティングがクマの個体数を減らすことにも成功していません。 ライバルが減って食べ物の入手がしやすくなってしまったことで、実際の数字は増えているようです。
ツキノワグマに遭遇してしまったら
庭でツキノワグマを見かけたとしても、恐れすぎないでください。若いクマが単に巣に帰るために通り抜けるだけかもしれません。または、大人のクマがいい匂いを嗅ぎつけたり興味深い音をチェックしているのかもしれません。通常は、周囲に人間がいることを知れば、彼らは山へ向かいます。二度と戻っては来ません。
熊に出会ってしまったら、まず落ち着いて、熊にあなたが恐ろしい存在であることを分からせてください。ツキノワグマが人間を攻撃するのは非常にまれであり、ほとんどのツキノワグマは次の要領で簡単に怖がらせることができます。
- 立ってクマと向かい合います。逃げたり、近づいたりしないでください。
- 腕を広げ、コートなどを着ていればそれも広げ、自分をできるだけ大きく見せてください。
- 鍋や食器を鳴らしたり、叩いたり、他に音が出るようなもの使って、できるだけ多くの大きな音を発生させます。
- クマが近づいてきたとき、クマ避けスプレーがある場合は、クマが近づいたときにスプレーします。
- 非常にまれなケースですが、ツキノワグマがあなたを襲ってきた場合は反撃してください。死んだふりをしてはいけません。
- クマが去ったら、その場所へ熊を引き寄せたもの(バーベキューグリル、鳥の餌箱、ペットフード、ゴミ)は撤去します。
(この内容はツキノワグマ特有のものであることに注意してください。その他のクマに遭遇した場合の対処方法ではありません。)
クマの衛生上の問題
クマから病気や寄生虫をもらうということについては恐れることはありません。 哺乳類であることからクマは狂犬病を持っている可能性はありますが、それは非常にまれです。 クマから狂犬病を患った人間の前例はありません。

動物園で見るツキノワグマはめちゃくちゃ可愛いんですけどね。檻がなくなれば恐怖でしかありませんよね。
基本的にはツキノワグマは人間を襲わないということですが、それは性質上の問題であって、実際に襲われている例はありますから、気を付けなければいけませんよね。
なんせ、ツキノワグマは馬や牛を一撃で殺す腕っぷしの持ち主なんですからね。
私は幸いにも危険な野生動物と遭遇したことはないのですが、池で釣りをしていたらすぐそばに野生のカモシカがやってきたことがあるんです。
近くで見ると鹿だけに馬鹿でかいんですね。草食動物だと分かっているのですが、じっと見つめ合い、私が先に動いたら襲ってきそうな、そんな雰囲気があり、動けませんでした。とても怖かったです。
これが熊や猪だったらどうなっていたのでしょうね。
この記事にあることを知っていても、実際に起きたらなかなか出来ることではないかもしれませんが、イメージだけは持っておきたいと思います。
ちなみに、地球上で1年間のうちに最も人間を殺す生き物とは何か、ご存知でしょうか。
トップ15には熊は入っていません。ランキングは次の通りです。下から見ていきますね。
14位 サメ 10人
14位 オオカミ 10人
12位 ライオン 100人
12位 ゾウ 100人
11位 カバ 500人
10位 ワニ 1,000人
ここまで猛獣ゾーンですね。やはり猛獣は世界中で人間を襲い、被害が出ているようです。意外なのはゾウやカバかもしれませんが、彼らもかなり危険なんだそうです。くれぐれも草食動物を舐めないでくださいね。
それではトップ10にいきましょう。
9位 サナダムシ 2,000人
8位 カイチュウ 2,500人
5位 巻き貝 10,000人
5位 サシガメ 10,000人
5位 ツエツエバエ 10,000人
この辺はもうよく分からないんですが、人間の内部から殺しにかかってる感じのやつですね。恐ろしいですね。
では次です。
4位 イヌ 25,000人
3位 ヘビ 50,000人
人間の一番の友達である犬が年間25,000人も人間を殺しているなんて…信じられませんが、世界では狂犬病による死亡例がまだまだ多いようです。海外旅行に行ったときは日本と同じ感覚で野良犬に近づくのは絶対に避けてくださいね。
では2位はなんでしょうか。
2位 人間 475,000人 (戦争や紛争を除く)
人間を殺す生き物の第2位は人間ですか…。悲しすぎるじゃありませんか。ケタ違いの死亡数です。生きづらい世の中ですが、事故に気を付けたり、人間関係のトラブルなどには気を付けなければならないんですね…。
それでは堂々の第一位です。
1位 蚊 725,000人
-「世界の殺し屋の動物たちー1年で動物に殺される人間の数」(World’s Deadliest Animals)2014年4月より引用 –
1位は「蚊」なんですね。それも年間725,000人…調べてみたら東京都の練馬区に住む人と同じくらいの人数です。おお…練馬区が全滅するレベルが毎年というペースなんですね。原因はもちろんマラリアや脳炎やデング熱といった伝染病です。
ちょっと話がそれてしまいましたが、こうしてランキングで見ると、本当に恐ろしいのは大きな生き物よりも、「まさかこんなのが!?」という結構小さな生き物なんだということがよく分かりますね。
とはいえ、熊に遭遇することだって、「まさかこんなところに熊が!?」となるわけです。
「まさか」は起こりますので、ぜひ危険予測をもって、普段の釣りを楽しみましょうね。
それではまた。
毎度ありがとうございます!