「究極のルアー」が生まれる日は来るのか?

「究極のルアー」が生まれる日は来るのか?

そこにいるバスを百発百中で釣ってしまう、究極のルアー。そんなものが存在するのでしょうか。私たちアングラーも、そしてメーカーさんもまた、そんなルアーを望んでいると思うのですが、そんな願いが叶う日は来るのでしょうか。

こんにちは!店長の小山です!

本日は海外サイトより、”CREATING THE ULTIMATE BASS LURE”という記事を引用してご紹介いたいます。

引用先:berkley-fishing.com ”CREATING THE ULTIMATE BASS LURE”

バス釣りをしている私たちにとって、よく釣れるルアーというものは絶対に欲しいものです。

釣具メーカーさんも自社で販売するよく釣れるルアーで皆さんに釣りを楽しんでほしいという想いで製品づくりをされているはずです。

その両者の思いがあって、釣りは発展していくものですよね。

私もそこそこ長いことバス釣りをしてきたことで色々な製品を見てきましたし、バスのことについても色々と自分なりの発見をしてきました。

しかしいまだに、新しいルアーが発売されるたびに、バスを引き付ける新しい特徴や新しい理論が出てきたりするんですよね。

新しいテクニックが生まれて、それに沿ったルアーやリグが出ることもあります。

人間がルアーでバスを釣るようになってから時間としては100年以上が経っているわけですが、この釣り人とメーカーの願いには、終わりがあるのでしょうか。

言い換えれば、究極の釣れるルアーというものが完成する日は来るのか、ということですよね。

この記事は、アメリカのルアーメーカー「Berkley」の公式ホームページのコラム記事で、バークレイ研究所からの立場でその究極のルアーを作ることについて書かれています。

私たちアングラーはただ単に釣れるルアーを作ってほしいと願うだけですが、メーカーサイドからすると、この問題にどう取り組んでいるのか、気になるところです。

さっそく読んでいくことにしましょう。

 気になるところだけ読んでもOKです 

究極のバスルアーは作れるのか

引用文(タップすると開きます)
Bass lures have come a long way over the last century. The basics may not have changed, but the array of materials, the breadth of lure design, appearance and consistency, and the quality of hooks continue to improve. Who could argue that today’s crankbaits are not dramatic improvements over their ancestral counterparts?

Still, after years of studying bass responses to lures in the lab and field, what impresses me most is the room we have for improvement. No lure I have ever tested has proven irresistible to bass. Bass always have the final say. I can’t think of a single lure that predictably draws a strike from every bass that encounters it.

By all appearances, bass get more excited over live natural prey than artificial baits. But artificials can and do outperform natural baits. This superiority is largely because of their greater efficiency. There isn’t the constant mess of having to rebait after each strike. Artificials also lend themselves to some applications better than naturals. Live baits are limited and better suited to a slower sit-and-wait presentation when you already suspect the presence of bass.

I believe the potential exists for someday making artificials decidedly more stimulating than natural prey. Predators seek out prey according to specific sensory search criteria. Prey organisms strive to avoid predators by making themselves less detectable, something akin to slipping beneath an enemy’s radar or, better yet, becoming radar invisible. Minnows, crayfish, and the like don’t devote their lives to fulfilling bass meal dreams. They focus on survival. As such, they come equipped with cryptic defensive mechanisms, like camouflage and hiding behavior, for escaping sensory detection by marauding bass. In some cases they also sport active (claws and spines) or passive (chemical skin repellents) defenses to make sure the bass pays dearly should it choose to attack.

Because of this gap between what the bass is looking for and what its prey presents, there exists some scope for designing lures that fulfill bass search criteria better than natural prey. The lures could be made more effective by requiring less of a particular stimulant to evoke bass attack behavior, eliciting stronger responses, or on average stimulating a larger percentage of the bass population. By exaggerating key natural features, or even offering unnatural features, such lures would function better than what nature has to offer. In effect, they would be super lures.

The likelihood that we will ever design super lures is better than you might think.

バスルアーというものは、前の世紀から長い道のりを歩んできました。基本的なことはほとんど変更されていませんが、素材、設計の幅、見た目の整合性、フックの品質は向上し続けています。今日のクランクベイトが昔からある製品のパクリばかりで改善されていないという人はいませんよね?

それでも、研究室やフィールドで何年もルアーに対するバスの反応を見続けていて、いまだに思うことと言えば、まだまだ改善の余地があるということです。私がこれまでにテストしてきたルアーは、バスにとって満足しているとは証明されていません。正解は常にバスが握っています。私がこれまで見てきたすべてのバスが予想通りにバイトしてくるというルアーというものは思い出せません。

パッと見では、バスは人工のルアーよりも生きている自然のエサの方が興奮するようです。しかし、人工のルアーが自然のエサよりも上回るということはあります。ルアーが優位であることのひとつは、効率性が高いことです。魚が釣れるたびにエサを付け直さなければならないという面倒臭さはありません。また人工のルアーは、使い方によっては自然のエサよりも適していることがあります。生きエサは弱いもので、バスがそこにいるかどうか分からないようなときは、ゆっくりと座って待つようなアプローチしかとれません。

いつの日か、自然のエサよりも人工のルアーの方に良く反応する日が来る可能性があると私は信じています。バスのようなプレデターは、特定の感覚器官でのサーチの基準に従って獲物を探します。食べられる側の生物は、敵のレーダーをかいくぐるように自分自身を見つけにくくしたり、さらにはレーダーから消えるようにすることで、プレデターを回避することに努めています。小魚、ザリガニなどは、バスの食欲を満たすために存在しているのではありません。彼らも生きることに焦点を当てています。ですから、彼らにはカモフラージュやステルス行動など何らかの防御メカニズムが備わっており、バスが攻撃に移るための感覚器官による検出から回避します。場合によっては、針やトゲなのアクティブな防御、または匂いや毒などのパッシブな防御をする者もあり、バスがそれらを攻撃することで、しっぺ返しを食らいます。

バスが探しているものと、その獲物となるものが備えているものにはこういったギャップがあるため、自然の生き物よりもルアーの方にバスのサーチ基準を満たせられる設計ができる余地がまだあるのです。ルアーはこれまで、よりバスを警戒させる要素を減らして食わせるものや、より強い反応を引き出すもの、または数多くいるバスの群れの中からより多くの個体を刺激する確率を上げることによって、効果的としてきました。自然界にあるエサの特徴を誇張することによって、または逆に不自然な特徴をアピールすることによって、ルアーは自然界のなかで機能することができます。そしてそれこそが、スーパールアーと呼ばれるものになります。

そう考えると、究極のルアーが生まれる可能性は、あると言って良いでしょう。

「究極のルアー」が生まれる日は来るのか?

究極のルアー。これも難しい問題ですよね。

バスは必ずしも生きたエサを望んでいるとは限りません。

バスを解剖してみたら胃の中に大量のワームがあったという話は聞きますし、アメリカのバスプロであるマイク・アイコネリはテレビ番組の中で、バスじゃない魚を狙ってニシンの切り身をエサにして置き竿で釣っていた時にバスが釣れてしまって驚いていました。

バスは、自然界には存在しないものでも、興味や好奇心や匂いで飲み込んでしまうことがあるんですよね。

ですので、本物の生き物を究極なまでにリアルにすることが究極のルアーになることではないと思いますし、バスの生態そのものにまだ発見されていない機能なんかがあるかもしれませんもんね。

何より、すべてのバスが釣れてしまうルアーを本当にアングラーが欲しいのか?と考えた時の、アングラーの気持ちの問題もあります。

100%釣れると分かり切った釣りが面白いのか?ということです。

100%じゃないことが楽しくて、私たちはエサ釣りではなくルアー釣りを選んだのではないのか?

そんなことを考えてしまいますよね。

よく「○○のルアーは釣れすぎるから封印した」というアングラーさんも見かけますから、釣れすぎるというのはある意味よろしくないんですよ、これがまた。

人間というのはどこまでわがままなのでしょうね(笑)

でも、今のルアーだって、そこにいるすべてのバスを釣り切ることを目標にして作られているはずです。

魚や釣りに対するあらゆる知恵や知識を持った人間が全力で取り組んで、今のルアーがあるわけで、それでもなお、全てのバスを釣ることができないところに、アングラーとメーカーさんとの共闘が生まれ、ドラマやバックストーリーが生まれる良さがあるのでしょう。

この人間臭さが、釣りをやめられない理由なのかもしれません。

これからも、新しく発売されるルアーにはぜひ注目していこうと思います。

でも本当は、100%釣れる究極のルアーも、1度くらいは使ってみたいですね(笑)。皆さんはどうでしょうか。

それではまた。

毎度ありがとうございます!