バスに嗅覚と味覚はあるの?

2020年2月25日

バスに嗅覚と味覚はあるの?
Photo by bassmaster.com

バスは水中の優れたハンターで、他の生き物をハンティングして生き抜いています。その性質を利用して私たちは釣りをするわけですが、バスのハンティングには視覚や聴覚(感覚)の他に、嗅覚や味覚が活用されることはあるのでしょうか。

こんにちは!店長の小山です!

本日は海外サイトより、”A biologist’s look at bass senses, part 3”という記事を引用してご紹介いたします。

引用先:bassmaster.com ”A biologist’s look at bass senses, part 3”by Chris Horton April 21, 2012

私にとって釣りというものは生き物をハンティングする趣味ですから、同じ生き物である人間に例えたり、人間の感覚で考えて狩りに活かすということが多くあります。

たとえば、お腹がすいたらどうするか、寒くなったらどうするか、敵が来たらどうするかという風に、人間の感覚と同じような感覚があるだろうという前提でバスについて考えたりするのですが、バスという生き物も水中の優秀なハンターですから、これは同じハンターとしての感覚を利用して釣ってやろうという算段です。

私は生物学者ではありませんし、魚の生態についてよく知っているわけではありません。悪く言えば自分勝手な妄想を働かせて魚釣りをより楽しもうという感覚に近いのですが(サイコパス的な意味ではありませんよ)、そういう妄想があるからこそ、真実に対しても興味が湧くんですよね。

ということでバスのことをあらためて見てみると、バスには大きな目が付いています。目があるということは目でエサを発見して、追いかけて、食べていると思います。その次は内耳や側線という、水の振動を感じ取る耳があります。これがあることで、見通しの悪い濁った水中や暗い夜でもエサを獲ることができるだろうと想像できますね。

では、残りの五感のうちの鼻と口にあたる、嗅覚と味覚についてはどうなのでしょうか。この感覚はハンティングに必要なのでしょうか。

この記事は、アメリカバスマスターサイトのコラム記事で、リザーバー生物研究学者およびバス生物学者肩書きを持つ元BASSの保護ディレクターであるクリス・ホートン氏の記事で、バスの嗅覚と味覚について解説されています(2011年のやや古い記事です)。

バスのことをもっとよく知って、バス釣りに活かしたい。そう考えているアングラーさんにはとても面白い内容かと思います。

ぜひ読んでみてください。

 気になるところだけ読んでもOKです 

生物学者が見た、バスの嗅覚と味覚

引用文(タップすると開きます)
There is no doubt that bass rely heavily on their eyesight and lateral line for survival, but do scent and taste play a role as well? A lot of lure companies have certainly based their products on the fact that their stinky baits will catch more fish than the average competitor. However, bass are sight predators for the most part, so should you really be concerned if your lure smells or tastes good?

You bet … though at times it may be more important than others.

Although the olfactory (odor-detecting) portion of the bass’ brain isn’t quite as large or well defined as a typical scent feeder like a catfish, they can smell, and scent does play a role in their feeding. Like with sound, fish are able to detect smells underwater far greater then the average human can in air.

While smell may dissipate quickly for humans in the surrounding atmosphere, it lingers much longer in water, and a fish can detect odors in far smaller quantities. Some fish, like salmon, can even smell their home stream from miles away, using scents as faint as one part per million to navigate to the same spawning stream where they were hatched.

Bass aren’t quite as perceptive (at least we don’t think so). However, like most fish, bass have nostrils on either side of the head. These nostrils contain an olfactory rosette that detects odorous chemicals and transmits them to the brain for translation. When visibility is poor, this ability to smell prey becomes much more important for survival. However, even when visibility is good, a finicky bass may be more enticed with a sweet smelling morsel than one that has no other special appeal.

So fish can smell, but can they taste what they eat? They certainly can, and in many fish the taste buds are quite developed. Like in humans, most fish have taste buds around the inside of the mouth and on the tongue. However, there are some fish that take their sense of taste to a whole new level. Obviously, catfish are among the most specialized. Their barbules (whiskers) are loaded with taste buds, allowing them to determine if they want to eat a morsel just by brushing it with their whiskers.

Bass don’t have barbules, and when you think about the differences between catfish and bass, you can understand why they don’t need them. As we have already discussed, bass are sight predators and use their vision as the primary sensory tool to locate and capture prey. Catfish, on the other hand, don’t see as well and have to rely on their highly developed sense of smell and taste to locate food. Although a bass doesn’t rely as heavily on taste as a catfish, flavor still plays a role in a bass’ feeding activity.

So, as an angler, how does knowing about a bass’ sense of taste help you to catch more fish? Obviously, hard baits generally have immediate hooking ability with the standard treble hook configurations. However, bass have an opportunity to inhale a soft plastic and scrutinize it a bit more. They can sometimes do it so subtly that you don’t even know they have it. If they don’t like the way it feels or tastes in their mouth, they can just as quickly spit it back out. If you’re getting a lot of hits on your favorite soft plastic, but there’s nothing there at the hook set, you might want to experiment with flavored scent sprays. That’s all it may take to get them to hold it a second or two longer and allow you to connect next time.

The bottom line is that bass can smell and taste. It may not be as important for an angler as lure selection or presentation, but it could mean the difference between catching a limit and being skunked.

バスが生きていくためには視力と聴覚(側線)に大きく依存していることは間違いありませんが、では、嗅覚と味覚は役割を果たしているのでしょうか?多くのルアーメーカーは、ニオイ付きのワームの方が他のものよりもよく釣れるという事実に基づいて、そういう製品を作っています。しかし、バスはほとんどの場合、目で獲物を追って食べているはずですから、優れたルアーの匂いや味について本当に心配する必要があるのでしょうか?

どうでしょうね…しかし、それが時には他より重要かもしれません。

バスの脳が検出する嗅いの部分は、ナマズのような典型的な嗅覚捕食者ほど発達していないかハッキリしていませんが、匂いは確かに感じており、匂いによるフィーディングも行います。音と同様に、バスは空気中にいる人間よりもはるかに水中の匂いを嗅ぎ分ける力があります。

匂いというものは空気中にいる人間にとってはすぐに消えてしまうものかもしれませんが、水中では長く残り、魚は少ない量でも匂いを検出できます。 サケのような魚などは、数百万分の1のかすかな匂いを感じ取り、生まれた時と同じ川へまた産卵のために登るために、数キロ離れたところから生まれた川の匂いを嗅ぐことさえできます。

バスはそこまで匂いに敏感ではありません。しかし、ほとんどの魚と同じように、バスには顔の両側に鼻孔があります。この鼻孔により、臭いの元となる化学物質を検出し、脳へと送る信号に変換して伝達する嗅覚の仕組みがあります。視界が悪いとき、獲物の匂いを嗅ぐこの能力は生存のためには重要です。ただし、視界が良い場合でも、警戒心の強いバスにとって他になんの魅力がないものよりも、好きな匂いのするものの方が口にしやすい可能性はあります。

魚に嗅覚があることはわかりましたが、では食べるものに対する味覚についてはどうでしょうか?多くの魚は味覚が非常に発達しており、味を感じることができます。人間のように、ほとんどの魚は口の内側と舌の上に味覚を持っています。しかし、極端に味覚が発達している魚もいます。ナマズがその最たるものです。ナマズのヒゲには味蕾(みらい)が詰まっているため、ヒゲでひとなでするだけで食べものかどうかを判断できます。

バスにはヒゲはありません。ナマズとバスの違いを考えると、なぜバスはヒゲがを必要としないのかを理解できます。すでに説明したように、バスは目で獲物を追う捕食者であり、彼らは視覚を主な感覚ツールとして使用し、獲物を見つけて捕らえます。一方、ナマズは目が悪いため、食べ物を見つけるために高度に発達した嗅覚と味覚に頼らなければなりません。バスはナマズほど味に依存していませんが、それでも味はバスのフィーディングに役立っています。

ではアングラーとしてバスの味覚について知ることが、よりバスを釣るために役立つのでしょうか?たとえば、ハードルアーには通常トレブルフックが付いているため、即座にフックキングする能力があります。一方、ワーム類はバスが咥えた後、少し噛んでいる傾向があります。バスはその動作を非常に微妙にやっているため、私たちはそのことに気付いてすらいないことが多いようです。口の中での食感や味が気に入らない場合は、すぐに吐き出します。ワームを使っていてバイトはあるけどフッキングに至らないというような場合は、味や匂いのあるアトラクタント(フィーミュラ剤など)を試してみてください。噛んでいる時間が1〜2秒長くなるだけで、フッキングがすべて決まるとなると釣果に直結するはずです。

肝心なのは、バスは匂いと味を感じることができるということです。アングラーにとってはルアー選びやプレゼンテーションほど重要なことではないかもしれませんが、それがリミットメイクとボウズの分かれ目になる可能性もなくはないということです。

バスに嗅覚と味覚はあるの?
Photo by bassmaster.com

私にとっても不思議なのですが、最初にバスを人間に例えてしまうと言ってはいるものの、鼻があるため嗅覚があるだろうなというのはイメージしやすいのですが、あんなに大きな口があるのに味覚があるようなイメージがしづらいんですよね…。

でも確実に、味覚はあるようですね。

匂いについても、この記事ではサケやナマズには及ばないものの、嗅覚があり、フィーディングにも役立っていると書かれていましたが、実際は他の魚ほど嗅覚は敏感ではないようです。

具体的な意味はよくわからないのですが、何かで読んだことがあるのですが、匂いを感じるための鼻の中のひだ(しわ)の数が、他の魚は120くらいあるのに対し、バスは20ぐらいなんだそうです。えらい少ないですよね。たしかにそれなら、バスは主に目でフィーディングする理由になりますね。

しかしそれは、バスを釣るために匂いや味が無意味であるということにななりません。

バスはやはり、感覚を使用して獲物をハンティングする生き物です。目が見えない状態であれば、他の感覚を使うということを忘れてはいけないはずです。

私がもし、目隠しをされて夕食のテーブルに着かされた時、片方にカレー、片方に冷奴が出されたら、おそらくカレーを食べます。どちらも同じくらい大好きな食べ物ですが、目が見えないのであれば、そうなりますよね。

風を引いてしまうと、鼻が利かなくなったり、味を感じなくなったりしますが、そういうときこそ匂いや味を感じるものが美味しく思えるのも、似たようなことなんでしょうか。

バスの嗅覚・味覚は他の魚よりは鈍い感覚なのかもしれませんが、だからこそ大事になることも実際にあるということは覚えておこうと思います。

しかし私の場合、自分について五感はある程度あると自覚しているのですが、肝心の記憶力がいまいちなものですから、たちが悪いんですよね(笑)

忘れないようにしないと。

それではまた。

毎度ありがとうございます!