スクワーミングテールとパドルテール:2つのスイミングワーム

2021年2月18日

スクワーミングテールとパドルテール:2つのスイミングワーム
Photo by bassmaster.com

ワームのスイミングテクニックを使うというのと、スイミングワームを使うテクニックとは、似ているようで別の話です。さて、スイミングワームとはなんでしょう?ここで改めて、スイミングワームの特徴と使い方というものを学んでみましょう。

こんにちは!店長の小山です!

本日は海外サイトより、”Swimming worms: To thump or squirm”という記事を引用してご紹介いたします。

引用先:bassmaster.com ”Swimming worms: To thump or squirm”by Mark Hicks|January 23, 2021

みなさんは、ワームのスイミングというテクニックをお使いになりますでしょうか。

ワームのスイミングといいますと、ちょっと意味が広くなりすぎるかもしれません。

ワームのスイミングには大きく分けて2通りあり、ひとつは、ジグヘッドスイミングやソフトジャークベイトなど、アングラー側でワームが泳いているように見せるテクニックやその状態を指す場合と、もうひとつは、初めからワームそのものに自分で泳ぐようなアクションを組み込まれているものを使う場合やそのアクションの様子を指す場合です。

これを言い方の違いで表現すると、「ワームのスイミングで釣る」と「スイミングワームで釣る」ということになるのですが、今回は後者の「スイミングワームで釣る」テクニックのお話になります。

ワームでの釣り方が一般的になってからもう数十年もたつと思いますが、初めのうちはボトムでじっくりと釣る方法がほとんどだったものが、ここ数年では表層や中層での横の動き、フリーリグやロングリーダーのキャロやダウンショットでの中層フォール中のアクションで食わせるといった、ボトム以外でのアクションが注目されることも多いように思います。

巻きラバ、スイミングテキサス、巻きキャロ、沈み虫系ワームなどがこれに当たるでしょうか。

これらのテクニックはすべて、制作者がワームにあらかじめ持たせたアクションが釣果に大きく影響していますよね。

スイミング系ワームにもいろいろな種類があるのですが、ここではさらにそのスイミングワームのうち、日本ではちょっとマイナーな「スクワーミングテール」と「パドルテール」に絞っています。

えっ?スクワーミングテールなんて、あまり聞いたことがありませんよね。

これ、日本ではマイナーなジャンルのワームですが、アメリカではまあまあメジャーなジャンルのワームの形状のようですよ。

では、その聞いたことがないワームはどんなものか、そしてそのワームやテクニックを使う時は、どんなことを意識していけばより効果的になるのでしょう。

この記事は、アメリカバスマスター公式サイトのコラム記事で、ライターのマーク・ヒックス氏が、2名のエリートプロにインタビューしたものが共有されています。

ワームの特徴、使う場面など、よく理解すれば釣果は上がるはずです。

早速読んでいきましょう。

2種類のスイミングワーム

引用文(タップすると開きます)
Swimming a worm over and through shallow grass is a mainstay in Florida, and this ploy can draw strikes anywhere in the country where bass lurk in similar cover. The most popular worms for this presentation sport squirming-action tails, such as Zoom’s UltraVibe Speed Worm or Yum’s Thumpin’ Dinger. Thumping paddletail worms are another option, such as Gambler’s Paddle Tail Worm. Since these types of baits are employed for the same presentation, when should you thump or squirm a swimming worm? Zoom’s swimming worms have been go-to baits for Bassmaster Elite Series veteran Gerald Swindle for more than 15 years. He Texas rigs these baits with a 4/0 straight-shank VMC worm hook and varies the weight of the bullet sinker.

フロリダでは、シャローウィードの上や中でのスイミングワームはメイン戦略のひとつですが、このテクニックはどのフィールドでもバスが同じようなカバーに潜んでいるのであれば有効です。 このプレゼンテーションで人気のあるワームは、Zoom・ウルトラバイブスピードワームやヤム・サンピンディンガーなどの、スクワーミングアクションテールがついたものです。 ギャンブラーのパドルテールワームなど、サンピングアクションをもったワームもこれに含まれます。

スクワーミングテールとパドルテール:2つのスイミングワーム
スクワーミングテール(左)とサンピングテール(右)

これらのワームは同じプレゼンテーションで使われるのですが、スクワーミングアクションとサンピングアクションの使い分けはあるのでしょうか?

ズームのスイミングワームは、バスマスターエリートシリーズのベテランであるジェラルド・スウィンドルが15年以上もお気に入りのワームとして使われています。 彼は#4/0のストレートシャンクのVMCワームフックでのテキサスリグでこのワームを使い、バレットシンカーの重さを調節しています。

スクワーミングテールとパドルテール:2つのスイミングワーム
ジェラルド・スウィンドル / Photo by bassmaster.com

サンピングアクション

引用文(タップすると開きます)
“I swim the original Zoom Speed Worm when the water gets a little dirty,” Swindle said. “Say I’m fishing shallow hydrilla at Kissimmee and the wind turns the water from crystal clear to hay colored. That’s when the extra thump of that little paddle tail can trigger bites.” Since the bass can’t see the worm as well in off-colored water, Swindle matches the bait with a 1/8-ounce weight so he can retrieve it slowly over and through likely ambush places. “If you wind it too fast, the bass might not have time to react to it,” Swindle said. Shallow cover that is being muddied by wind and waves generally lends itself to slinging a spinnerbait or some other power presentation. However, bass can be spooky even under these conditions due to heavy fishing pressure, Swindle pointed out. In this situation, the thumping vibrations of a paddletail swimming worm can coax bass into biting when they are too shy to attack more aggressive baits.

「少し濁りがあるようなら、ズームのオリジナルのスピードワームのスイミングです」とスウィンドルは言います。 「キシミーレイクなどのシャローのウィードエリアに風による濁りが発生したようなときを釣る場合、小さなパドルテールの強い波動によってバイトが出やすくなる可能性があります。」

バスは濁りによってワームを見ることができないため、1/8オンスのシンカーを使い、バスが待ち伏せしているであろう場所でワームをスローリトリーブします。 「速く巻きすぎると、バスが反応する時間がなくなってしまうかもしれないので。」とスウィンドルは言います。

風や波によって濁りが発生したシャローカバーは、一般的にはスピナーベイトやその他のパワーフィッシングが有効です。 しかしスウィンドルは、このようなコンディションでもフィッシングプレッシャーが高ければ、バスがスレている可能性があると指摘します。 そんなとき、パドルテールのスイミングワームの出す波動は、もっと強い波動を出すルアーにはバイトをためらう場合でも、バイトさせられる可能性があるということです。

スクワーミングテールとパドルテール:2つのスイミングワーム
Zoom・オリジナルスピードワーム

スクワーミングアクション

引用文(タップすると開きます)
Besides the 6-inch UltraVibe Speed Worm, Zoom makes a 7-inch Magnum UltraVibe. Swindle opts for the smaller version in most instances. He matches it with a 3/16-ounce bullet sinker when fishing grass in clear water. The slightly heavier weight allows for a faster retrieve, which works well in clear water where a bass can see and quickly react to a swimming worm. An upbeat retrieve is also more likely to prompt a reflex strike. The squirming tail kicks out vibrations, but not the hard-thumping cadence of the paddle tail.

Zoomには、6インチのウルトラバイブスピードワームの他に、7インチのマグナムウルトラバイブもあります。 スゥインドルはほとんどの場合、小さい方を使っています。 クリアウォーターのウィードエリアを釣るときは、3/16オンスのバレットシンカーと組み合わせています。

やや重めのシンカーを使うのは、より速いリトリーブをするためです。これは、バスがスイミングワームを目で見て追うことができるクリアウォーターで有効です。 速めのリトリーブはまた、リアクションバイトも出やすくなる可能性が高くなります。 スクワーミングテールも波動を出しますが、パドルテールほど激しいアクションではありません。

スクワーミングテールとパドルテール:2つのスイミングワーム
Zoom・ウルトラバイブスピードワーム / Photo by bassmaster.com

ウィードエリアだけではない

引用文(タップすると開きます)
Swindle doesn’t limit his swimming worm gambit to shallow vegetation. “People underestimate the swimming worm,” Swindle said. “Don’t just think of it as a bait for shallow grass. Use your imagination. I’ve caught bass swimming a white pearl UltraVibe around docks over 70 feet of water on Smith Lake during the shad spawn.” When pitching and swimming the UltraVibe to docks, Swindle matches it with a pegged 1/4-ounce bullet sinker. He does not peg the sinker when fishing grass. If the water is stained, Swindle will swim the paddletail Speed Worm around docks. “It’s kind of a finesse-y alternative to a swimbait, especially when there’s not a lot of wind,” Swindle said. “You can fish docks behind guys that are casting spinnerbaits and bladed jigs and get bit.”

スウィンドルは、スイミングワームの使い道はシャローのウィードエリアだけではないと言います。

「人々はスイミングワームを過小評価しています。 シャローウィード用のワームとだけ考えないでください。 イマジネーションを持ってください。 私はスミスレイクのシャッドスポーン(ベイトフィッシュが産卵している状態がバスのフィーディング対象になっている現象)のときに、水深20メートルもあるエリアの桟橋まわりでウルトラバイブスピードワームのホワイトパールカラーでバスを釣っています。」

ウルトラバイブスピードワームをピッチングして桟橋まわりをスイミングさせるとき、スウィンドルはペグ留めした1/4オンスのバレットシンカーを使います。 ウィードエリアではペグ留めはしません。 桟橋まわりの水が濁っていれば、パドルテールスピードワームのスイミングにします。

「特に風があまりないときは、スイムベイトをよりフィネスにしたようなイメージです。 スピナーベイトやチャターをキャストしていた人の後に桟橋に入った時などに、バイトがある場合があります。」

1本で2度おいしいワーム

引用文(タップすると開きます)
Dual-purpose swim worms Several bait companies offer paddletail and squirming-tail swimming worms. There are also dual-purpose swimming worms that are capable of thumping or squirming, including the Tour Swim Worm from Big Bite Baits and the Machete Worm from Reaction Innovations. Both worms feature a paddle tail that has perforations. Straight from their respective packages, these worms have large, heavy-thumping paddle tails. You turn them into squirming worms by splitting the tails along the perforations. Elite Series pro Garrett Paquette dotes on the Big Bite Baits Tour Swim Worm. He fishes it 90% of the time as a squirming worm. It produces especially well with a swimming retrieve when he fishes grass in Florida or grass in any lake that has been stocked with Florida-strain largemouth. “I’m not saying Northern bass won’t eat a swimming worm, but it’s just really more deadly on Florida fish,” Paquette said. The Tour Swim Worm comes in 5.5- and 7.5-inch sizes. For swimming applications, Paquette opts for the longer version. He Texas rigs it with a 5/0 Gamakatsu worm hook and a 1/8- to 3/16-ounce bullet weight, and he retrieves it steadily just under the surface over shallow grassbeds. He regards this as a finesse swimbait presentation. When bass lurk under pads and matted grass with openings, Paquette fishes the worm weightless and drags it on the surface over the cover. This makes the squirming tail churn the water “like a subtle, buzzing frog.” The 7.5-inch size is heavy enough that it casts well with baitcasting tackle, Paquette added. Over the past few seasons, Paquette has done well with a squirming worm by working it through grass with a pull-drop retrieve. He steps up to a 1/4-ounce tungsten bullet weight for this presentation. This makes the worm sink faster and gives the tail more action, both of which prompt reflex strikes. This presentation paid off for Paquette on the first day of the 2019 Bassmaster Elite Series tournament at South Carolina’s Winyah Bay. He made the 100-plus-mile run up the Cooper River, which left him with only four hours of fishing time. By going to work with his pull-drop retrieve in 3-foot-deep hydrilla beds, he boated a dozen bass on the swimming worm that yielded a limit over 12 pounds. It was good enough to put him in sixth place. Sadly, the bass were not as cooperative on Day 2 and he fell to 29th place.

いくつかのメーカーから、パドルテールとスクワーミングテールの両方のスイミングワームが発売されています。 ビッグバイトベイツ社のツアースイムワームやリアクションイノベーション社のマチェーテワームなど、スクワーミングでもサンピングでも2つの目的で使えるスイミングワームもあります。

どちらのワームも、パドルテール部分に切り取り線が入っています。これらのワームは、パッケージから出した時は大きくて厚いパドルテールになっています。切り取り線に沿ってテールを割くことによって、スクワーミングテールに変わります。

エリートプロのギャレット・パケットは、ビッグバイトベイツのツアースイムワームを溺愛しています。彼の場合は90%の確率でスクワーミングワームとして使います。彼はフロリダのウィードエリアやフロリダラージマウスバスがいるフィールドのウィードを釣るとき、スイミングが有効だと言います。

「ノーザンラージマウスバスがスイミングワームで釣れないと言うわけではありませんが、フロリダラージマウスには本当に有効なんです。」とパケットは言いました。

ツアースイムワームには、5.5インチと7.5インチのサイズがあります。スイミングで使う場合、パケットは長い方の7.5インチを使います。#5/0のガマカツワームフックと1/8~3/16オンスのバレットシンカーでテキサスリグにし、シャローのウィードベッドの水面直下をステディリトリーブします。彼はこれをフィネスなスイムベイトのプレゼンテーションと見なしています。

バスがリリーパッドなど、ポケットのあるウィードマットの下に潜んでいるとき、パケットはワームをノーシンカーで使い、カバーの上をズル引きします。これにより、スクワーミングテールを「バジンフロッグ」のように使うことができます。

7.5インチは重量があるため、ベイトタックルでも使いやすいとパケットは付け加えます。

スクワーミングテールとパドルテール:2つのスイミングワーム
シャローのグラスエリアでのノーシンカーで / Photo by bassmaster.com

過去数シーズン、パケットは、ウィードエリアをリフト&フォールで通すことによって、スクワーミングテールワームを使いこなしていました。彼はこのプレゼンテーションのときは、1/4オンスのタングステンバレットシンカーを使います。これにより、ワームのフォールスピードは速くなり、テールのアクションも大きくなるという、リアクションバイトに必要な2つの要素を得られます。

このプレゼンテーションは、サウスカロライナ州のウィンヤーベイで開催された2019バスマスターエリートシリーズの試合の初日に、パケットを助けました。彼はクーパー川を100マイル以上も走らせたため、釣りをする時間はわずか4時間でした。深さ1メートルのカナダ藻のウィードベッドでリフト&フォールを使用することで多くのバスを釣り、6位に入りました。悲しいことに、2日目のバスは協力的ではなかったようで、29位まで後退してしまいましたが。

スクワーミングテールとパドルテール:2つのスイミングワーム
ビッグバイトベイツ・ツアースイムワームのテール部分 / Photo by bassmaster.com

フリッピングとピッチング

引用文(タップすると開きます)
Paquette reserves the 5.5-inch version of the Tour Swim Worm for flipping and pitching presentations. He leaves the paddle tail intact because it slides through cover more easily than the squirming version and puts out subtle thumping vibrations as it sinks. “It’s a really good bait in pressured fish situations,” Paquette said. “I rig it with as light a weight as possible, usually 1/8- to 3/16-ounce, depending on the cover. I’ve done really well with it flipping pads in Florida.” Swindle also flips and pitches Zoom’s paddletail Speed Worm. It slides through cover without hanging up as a squirming or curled-tail worm will do, and the paddle tail gives the bait more action than that of a straight-tail worm. “When I flip the Speed Worm, I pop it up and let it fall,” Swindle said.

パケットは、5.5インチのほうのツアースイムワームは、フリッピングとピッチング用と考えています。 パドルテールは、スクワーミングテールよりもカバーをすり抜けやすく、かつフォール時にはいい感じの波動が出るため、テールを切り取り線で切らず、そのままにしておきます。

「フィッシングプレッシャーのかかるバスを釣るときに本当に有効なワームです。 カバーにもよりますが、通常は1 / 8〜3 / 16オンスという、できるだけ軽いシンカーでリギングします。 フロリダでのリリーパッドのフリッピングでは本当にうまくいきました。」

スウィンドルはまた、ズームのパドルテールスピードワームでフリッピングやピッチングをします。 それは、スクワーミングテールやカーリーテールワームのようにカバーに張り付くことなくすり抜け、なおかつストレートテールワームよりも多くのアクションが出るためです。

「スピードワームでのフリッピングをするときは、リフト&フォールもやってみます。」とスウィンドルは言います。

スクワーミングテールとパドルテール:2つのスイミングワーム
Photo by bassmaster.com

スクワーミングテールというのは、もともとはパドルテールワームのテールのカップ部分を斜めに切ってできたようなカーリーテールの1種なんですね。

ということで、パドルテール(サンピングテール)とスクワーミングテールのワームの使い分けの解説がされたというわけなんですね。

どちらの場合も、ハードルアーを使うにはバスが警戒していて食ってきそうもない場合に使うような感じで、さらにクリアウォーターならスクワーミングテール、マッディならパドルテールをスイミングで使うという感じでしたでしょうか。

また、カバーへのピッチングやフリッピングで使う場合はパドルテールの方が良さそうです。

フリッピングやピッチングの釣りを多用される方にとっては当然の話なのかもしれませんが、カーリーテール系のワームというのは、テールが木の枝や護岸に「ピターッ」と貼りつきやすいんですよね。

あれなんなんですかね(笑)

強引に引っ張って取ろうとするとすぐテールがちぎれてしまったりするので、近付いて回収しようか、でもそうするとポイント潰しちゃうし…どうしようかなって悩みますよね(笑)

そうならないためには、そうならないワームを選ぶしかありません。

似たようなワームでも、使い分けは結構はっきりしているんですね。

一応、この記事としてはスクワーミングテールとパドルテールの使い分けという内容で書かれていましたが、そのジャンルだけでない、いろんなワームに共通するような大事なことが書かれていたと思います。

マイナーなジャンルのワームの話でしたので、もしかしたら読み飛ばしてしまった部分があったかもしれませんが、すごくいい記事だと思います。

ぜひ繰り返し読んでみてくださいね!

それではまた。

毎度ありがとうございます!