スモールマウスバスの起源・原産地
Photo by everything-smallmouth.com
こんにちは!店長の小山です!
本日は海外サイトより、”Hey, Where You From? Origins Of The Smallmouth Bass”という記事を引用してご紹介いたします。
引用先:everything-smallmouth.com ”Hey, Where You From? Origins Of The Smallmouth Bass”By Christopher Smith
私の大好きなスモールマウスバス。
どういった経路で日本に入ってきたかという話は私にはよくわからないのですが、外来生物法というものがある以上、いくら好きでも国内で広めてしまうわけにはいきません。
バスたちは私のことなんか大っ嫌いで私の一方的な片思いなのはわかっているのですが、好きになってしまうとどうしても、どこに住んでいるのかな、今何をしているのかな、などと考えずにはいられません。
ちょっと気持ち悪いことを言ってますかね、すみません(笑)
人間が相手の場合は、好きになった人の先祖代々の家系まで調べるのはまあまあヤバイやつの行動のような気がするのですが、相手がバスである場合は、その起源をたどって、バスはどこから来たのだろうということに思いを馳せるのはまあまあロマンチックなことのように感じます。
この記事は、アメリカのスモールマウスバス専門メディア「EVERYTHING SMALLMOUTH」の記事で、スモールマウスバスがどこから来たのか、ということについて書かれています。
スモールマウスバスの生まれ故郷にどれくらい迫ることができるのでしょうか。興味のある方は読んでみてください。
どこから来たの?スモールマウスバス
Although the smallmouth bass is essentially a product of the Great Lakes of Canada, yet, during the past century, it has been introduced artificially into so many parts of North America, and so few records have been kept of its distribution, that it is difficult now to trace its genealogy, except to a very limited extent.
Frank Forrester (1849), in a book entitled Fish and Fishing, says that this fish is peculiar to the basin of the Saint Lawrence and the Great Lakes, and found its way into the Hudson River through the Erie canal; he makes no mention of its having been taken anywhere in the United States, but refers to others who said that it had been caught in some places in the State of New York.
There is evidence, also, that in 1854, W . W. Shriver put the first bass into the Potomac ; and that there were no bass in the State of New York prior to the opening of the Erie Canal in 1825.
If we probe still further back into the past, we find that the Jesuit missionaries first used, in 1655, the word “achigan” to designate this fish; and, in view of the fact that this is of Ojibway origin, and that the Ojibway tribe were, at that period, inhabitants of the northern shores of Lake Huron and Lake Superior, it seems probable that the bass were natives of these waters.
It may be noted here that the word “achigan” is still used in its original sense by the French-Canadians; it corresponds exactly to the French word bas, meaning a stocking. Whether or not it was applied to the bass by the Ojibways, from any similarity of form, or of pronunciation, is an interesting question for philologists.
It is to be noted, also, that Claude Dablon, who was a careful observer of Nature, states, in his relation of 1671, that the region about Lake Huron was the most noted for its abundance of fish, since, as he says in savage parlance, this is its native country. (C’est la ou est son pays.) It is to be supposed that he includes, in this statement, the achigan, with which he was perfectly familiar.
In addition to the foregoing facts, exact scientific investigation showed that the smallmouth bass, unlike its relative, the largemouth bass, flourishes in clean water of a temperature varying from 50° F. to 60° F.
In the 1800s the Smallmouth bass was transported by an evolving train system to areas where it was previously unknown and was not native.
It used to be thought that temperature changes, even a few degrees, outside of these limits, would cause these fish to rapidly disappear.
We shall not be far astray, therefore, if we locate the birth-place of the smallmouth bass somewhere in the waters of Georgian Bay, which, on account of its peculiar formation and great extent, and in spite of the ravages of fishermen and anglers, may still be regarded as its home.
At the present day, it is to be found in abundance in some portions of the Great Lakes, and particularly in Georgian Bay.
In Canada, it is found chiefly in the province of Ontario, south of the height of land which separates the waters flowing into the river Ottawa from those which flow into Lake Huron.
It is not a native of the eastern provinces, but has been artificially propagated in most Canadian provinces.
Interesting historical fact: It had been transplanted in England and Germany, small fry three inches in length having been carried across the ocean in tanks specially prepared for the purpose; but many died on the way owing to the difficulty of keeping the water, during the long journey, aerated and cool. The fish seem to have thriven well for some time but finally died out, probably owing to improper food and lack of attention. In a letter received from the present Marquis of Exeter in August, 1906, he says that some large and smallmouth bass were imported by his grandfather in 1879 and were placed in a small lake on his estate near Stamford. They grew rapidly, some reaching, in a few years, a weight of four or five pounds; but they gradually disappeared, and the last one was seen in 1898 or 1899.
スモールマウスバスは基本的にはカナダの五大湖を産地としていますが、これまでの長い歴史の中で、北アメリカの非常に多くの地域に人間の手によって放流されていったため、その分布の記録というのはほとんどありませんでした。非常に限られた範囲だったということ以外は、系図として残されておらず、今はそれをたどるのは難しいとされています。
フランク・フォレスターは1849年、「Fish and Fishing」という本の中で、この魚はセントローレンスリバーと五大湖水系特有のものであり、エリー運河からハドソン川にかけても見られると述べています。彼はアメリカ合衆国のどこかへ持ち込まれたかということについては言及しませんが、他の方によるとニューヨーク州(ハドソン川の下流域にあたります)のある場所でキャッチされたと言及されています。
また、1854年にも証拠が書かれています。 W.シュライバーは最初のバスをポトマック(川)に入れました。そして1825年にエリー運河が開通するまではニューヨーク州にバスはいなかったとのことです。
さらに過去を振り返ってみると、イエズス会の宣教師たちが1655年にこの魚のことを示す「achigan(アシガン)」という言葉を最初に使ったことがわかります。そして、これがオジブワ族(北米の先住民族)の起源であり、オジブワの部族は当初はヒューロン湖とスペリオル湖の北岸の住民であったという事実を考えると、バスはこれらの水域の生まれであったと考えられます。(現在オジブワ族はアメリカとカナダの国境を半々にまたいで住むようです)
ここで注目されるのは、「アシガン」という言葉は、フランス系カナダ人によってもともとその感覚で使われているということです。これはフランス語の「BAS」という語句に一致しており、「ストッキング(放流)」を意味しています。字面や発音の類似性から、それがオジブワ族によって「BASS(バス)」とされたかどうかは、言語学者にとって興味深い問題です。
また、1671年、自然を愛する観察者であるクロード・ダブロンは、ヒューロン湖周辺の地域は魚が豊富であることで注目されていたと述べています。フランス語でC’est la ou est son pays「東の民族」。下品な用語として、こう彼らの故郷を指しています。この言葉の中に、彼がよく耳にしていたアシガンも含まれると考えるべきです。
前述の事実に加えて、正確な科学的調査により、スモールマウスバスは、その親族(ラージマウスバス)とは異なり、10℃から15.5℃の範囲の水温のクリアウォーターが快適であることが示されました。
1800年代、スモールマウスバスは鉄道網が発展したことによって、それまで知られていなかった原産地ではない地域へと輸送されていきました。
このとき、たとえ数度でも適水温の範囲外に温度が変化すると、この魚は急速に消えていくだろうと考えられていました。
ということから、その独特の構造や規模の大きさ、そして漁師や釣り人による影響にもかかわらず、ジョージア湾(五大湖のひとつヒューロン湖にある巨大ワンド)の水域のどこかをスモールマウスバスの出生地と仮説することは、大きく外していないと考えます。
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今日では、五大湖のかなりの部分と、特にジョージア湾で豊富に見られるはずです。
カナダでは主にオンタリオ州と、ヒューロン湖に流れ込むカナダ南東部のオタワ川水系とに分かれます。
これは東部の州を原産とせず、ほとんどのカナダの州で人間の手によって広められました。
興味深い歴史的事実:スモールマウスはイギリスとドイツにも移植されたことがあります。長さ3インチの小さな稚魚が、特別な目的のために用意されたタンクで海を渡って運ばれました。しかし、長い旅の間、通気や水温を低く保つことが難しかったために多くの個体が途中で死んでいきました。魚はしばらくの間は健康そうだったようですが、おそらく不適切な食物や注意力が足りなかったために死なせてしまったようです。 1906年8月に現在のイギリスのエクセター侯爵から受け取った手紙の中で、1879年に彼の祖父によってラージマウスとスモールマウスが輸入され、スタンフォード近くの彼の所有する小さな湖に入れられたと言います。それらは急速に成長し、数年以内に重さ1.8キロ〜2.2キロに達するものもありました。しかし、彼らは徐々に姿を消し、1898年か1899年に見られたものが最後となっています。
いかがでしたか。
アメリカに残っている記録では、エリー運河が開通したことによってアメリカ北東部のセントローレンスリバー水系のハドソン川を下ってニューヨーク州に入ってきたとされているようですが、はっきりしたことはわかっていないようです。
書物として残っているのがこの記事に書かれていることだということで、スモールマウスが広まったのが鉄道網の発達によるものだったとしても、アメリカに渡ってきたきっかけが東部のニューヨーク州というのは実際は何とも言えないのではないかと思います。
カナダでは東部の州が起源とはされていないということですから…ね。
そして面白いことに、イギリスやドイツにもブラックバスは渡っていたようです。しかし定着はしなかったということなんですね。20年ほどで全滅したようです。
イギリスやドイツでしたら気候的にはカナダと近そうですが、それでもだめだったということはもしかしたら水質自体が合わなかったのかもしれません。
もしくはブラックバスより強力なフィッシュイーターやエッグイーターの餌食になっていったのでしょうか。
そのあたりもよくわかりませんが、ちなみに、アメリカでスモールマウスがアメリカ国内全土に放流されたのは、スモールマウスが良いゲームフィッシュのターゲットとして認められたという理由のほかに、他の代表的なゲームフィッシュ種であるウォールアイやマスキーたちのベイトフィッシュとしての意味合いもあって放流されたという記事も目にしたことがあります。
イギリスやドイツでも同じようにバスのことをベイトフィッシュ扱いする魚がいるということであれば、西洋の水中の生態系のトップの幅広さというのはものすごいんですね。
世界にはまだまだ魅力的なゲームフィッシュが数多くいるということになるのですが、「ところ変われば品変わる」というように、魚も住むところが変われば人間によるその扱いは大きく変わってしまいます。あるところでは愛すべき魚でも、あるところでは憎き対象になります。
私たちもそういう魚を相手にしているわけですから、決められたルールの中で楽しまないといけませんよね。
片思いの相手とはいえ、親しき仲にも礼儀ありです。理性をもって付き合っていきましょう。
それでは、また。
毎度ありがとうございます!