スポーニングの時期のバス釣り「プリスポーンの言葉にだまされるな!」

バスのスポーニングという行動は、何十年も何百年も変わっていません。産卵という行動の全体を覚えてしまえば、これほど簡単な釣りはありませんよね。しかし、本当にそうでしょうか。
こんにちは!店長の小山です!
本日は海外サイトより、”Don’t be fooled by early spawners”という記事を引用してご紹介いたします。
引用先:bassmaster.com”Don’t be fooled by early spawners”Written by Bobby Lane Jr.|March 31, 2023
春のバス釣りといえばスポーニングを意識して作戦をたてますよね。
では、私たちが考えるスポーニングの意識って、なんでしょうか。
おそらくほとんどのアングラーは、ベッド(産卵床)ができる場所のことをイメージして、その場所を探したり、その周辺に目を付けたりすると思うんです。
すくなくとも私はそうです。
バスに限らず、生き物という生き物のほとんどは、何十年、何百年ものあいだ同じ繁殖パターンを繰り返してきています。
ツバメは家の軒下に巣を作って産卵しますし、カンガルーはお腹の袋で子供を育てますし、トンボの幼虫(ヤゴ)は夏の終わりに水から上がってきてサナギから成虫に変態し、成虫は秋のうちに水面に卵を産みます。
バスはご存知の通り、決まった時期が来ればおなじみのシャローフラットにベッドを作って産卵しますから、それまでの行程を覚えてしまえば、これほど簡単な法則はありません。
何十年も何百年も変わっていないんですから。
しかしですよね。物事はそう簡単にいかないのがこの釣りの難しくも楽しいところなんですよね。
世界中の湖や池がすべて同じ形で、同じような場所にあればいいのですが、バス釣りのフィールドには同じ形のものはひとつとしてなく、場所によってもその年によっても気候はまったく違います。
釣りをするフィールドや年によって作戦を変える必要があるんですよね。
この記事は、アメリカバスマスター公式サイトのコラム記事で、エリートプロのボビー・レーンJr氏が、スポーニングの釣りの難しさについて自身の経験をシェアしてくれています。
大切なことが学べると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
プリスポーンという言葉にだまされないで
今年の春は異常でしたね。 かなり早くから水温が上がったため、セミノールでのエリートの試合はスポーニングベッドのバスを釣っていました。 オキチョビーではポストスポーンのバスまで釣られていました。 サイトフィッシャーマンであるプロたちにとっては、なかなかいいウェイトを揃えられなかったという不満が残りました。
スポーニングのシーズンであるにもかかわらず、オキチョビーでの優勝者は水深4.5メートルでジャークベイトをトゥイッチすることでプリスポーンバスを釣ってきました。セミノールの優勝者は、6メートル以上の深さでのプリスポーンバスを釣ってきました。
バスのなかには、3月ですでに水温が15.5℃まで上がっていても気にしないものもいます。 つまり、それらのバスはまだプリスポーンということです。 スポーニングの大きな波はまだ来ていないのです。
水温が上がるのがかなり早い春というのは、シャローに上がったバスの行動もやたら早いのです。 さっさと卵を産み、すぐに去ります。 バスはそのあたりでウロウロしません。 今年はどうもそんな年になったようです。
ユーフォーラレイクで今年最初のエリートの試合をしたときは、バンク際にもう多くのバスがいました。 そんなバスたちを見てしまったせいで、私はトーナメントが終わったときに自分を責める結果になってしまいました。
バンク沿いでバスを発見してしまったら、サイトフィッシングのことで頭がいっぱいになってしまいます。 他のことを考えるのは苦手です。 それが私のやりたいことだからです。 私はシャローマンですから。
ですから私は、ユーフォーラレイクで橋がかかっているクリークのバンク沿いで釣りをしました。 プラクティスでも本番でも、何度か橋の下で釣りをしました。 魚探で3.6〜4.5メートルにバスがいるのも見えていましたが、チェックはしませんでした。
実際、私はバンク沿いを釣ることを決めていたので、チェックしようにもそのレンジのバスにアプローチできるようなディープクランクは持っていなかったのです。
トーナメント中はバンク沿いを釣り、ラバージグにトレーラーのセットで釣りました。 初日は16ポンド強をウェイインし、47位でした。
次の日はもっといい結果を出さなければなりませんでしたが、そうはいきませんでした。 私の狙っていたバスは釣り切られていました。 バンクには新しいバスも入ってきていなかったので、なかなかバイトが出ませんでした。
結局、12ポンドしかウェイインできず、60位で終わりました。 試合期間中、私が毎日アイドリングで通り過ぎていた橋の周りで別の選手が釣りをしていました。 その彼は10位以内に入りました。
私は頑固になってしまい、他のことを試すことができなかったことで、多くのバスを他の選手に譲ることになってしまいました。 私は早くバンク沿いに上がってきたバスにだまされてしまったのです。
プラクティスの時からもっと柔軟であるべきだったと学びました。 釣りかただけでなくタックルもです。ディープクランクやダウンショットリグなども用意しておく必要がありました。
また、魚探掛けにも多くの時間を費やす必要がありました。 ローランスのアクティブターゲットをつかってバスを探しても良かったかもしれません。あれはやればやるほど上達しますからね。
ユーフォウラでは、シャローのバスを見つけた後にクリークから出る途中でプリスポーンバスがいそうな橋、岬、チャンネルのカーブをチェックするべきでした。 そうすれば、バンク沿いのバスをバックアップにする作戦も立てられました。
私のように、早春の最初に上がったシャローのバスにだまされないでください。 まだバンクに移動していないプリスポーンバスはたくさんいるのです。

ボビー・レーンJr.は今年50才になるベテランで、これまでバスマスターのトーナメントは149戦をこなし、トップ10に40回、30位以内には86回も入るというツワモノ中のツワモノです。
そんな彼が、今年はどうでしょう、彼のような超エリートプロでもこのような失態(失礼ですが彼のこの記事からこの言葉を使わせていただきました)を犯してしまったんですね。
彼は今年50才になりますので、もし10才くらいからバス釣りを始めたとしたら、スポーニングの季節を経験するのは40回くらいですね。
季節がやって来る回数は誰にでも平等です。自分だけ他の人より年を取るのを遅くすることはできません。
しかし、その季節にどれだけ釣りに出かけて、他の人より経験を積めるかはその人次第です。
また、他の人よりたくさん釣りに出かけたとしても、何の発見もなければ、身に着くものは少ないかもしれません。
バス釣りはやっぱり、頭で何かを考え、意識して、考える釣りをして、出来ることなら回数もたくさん出掛けたいものですね。
そうすることで成長も早くなる釣りだと思います。
それでも50才で経験もとびきり多いであろうボビー・レーンが、バス釣り中級者の私がやってしまいそうなことを今年のトーナメントでやってしまったのですから、自分をコントロールすることの難しさがよく分かります。
いくら上達しても、油断したり天狗になったり頑固になったり意地を張ってしまうと、何年も前の自分に戻されてしまうんですね。
ボビー・レーンの悪口を言うのではありませんが、今回の彼はバスに騙されたのではなく、自分に騙されたのです。
私たちも過去の経験や成功にとらわれず、目で見たものを信じたり、ほかの事を試す自分を信じる自分になりたいものですね!
それではまた。
毎度ありがとうございます!