【大森貴洋プロ】シャロークランクのシークレット:メジャーリーグフィッシング

2021年4月30日

【大森貴洋プロ】シャロークランクのシークレット:メジャーリーグフィッシング
Photo by major league fishing.com

メジャーリーグフィッシングで10年間、常に上位争いをしている大森貴洋プロ。彼はシャロークランクのスペシャリストであることは誰もが認めるところですが、実際のところ、あのメンバーの中で常に上位に居続けるのはただごとではありません。

こんにちは!店長の小山です!

本日は海外サイトより、”Takahiro Omori’s Shallow-Crankbait Secrets Revealed”という記事を引用してご紹介いたします。

引用先:majorleaguefishing.com ”Takahiro Omori’s Shallow-Crankbait Secrets Revealed”APRIL 20, 2021 • TYLER BRINKS

2021年シーズンのMLF(メジャーリーグフィッシング)BPT(バスプロツアー)が始まっています。

日本の大森貴洋プロは、2月に開催されたレッドクレスト戦で6位入賞するなど、春の濁りのシャローの巻きの釣りが相変わらずめっぽう強いところを見せつけていますね。

大森貴洋プロはメジャーリーグフィッシングが発足した2011年(当時はカップ戦のみ)から、このスタイルで上位入賞を繰り返しているようで、地元のファンや同じメジャーリーガーの間でも一目置かれる存在だったようです。

無料ライブストリーミングで観戦できるバスプロツアー(シリーズ戦)が始まったのが2019年。それまで有料放送でしか観ることができなかったことを考えるとこれはすごくありがたいことで、深夜でも大森プロのシャロークランクやチャターの釣りを見て興奮して眠れなくなってしまうほどです。

先ほど、春のシャローの巻きの釣りにめっぽう強いと言いましたが、他の季節はどうかと言えば、もちろん、1年を通して彼は強いです。春にめっぽう強いだけで、1年中強いんです。

大森プロのスタイルがアメリカの釣りに合っている…特にバスを釣った数が重要となるメジャーリーグフィッシングのフォーマットに合っていると言えばそうなのかもしれませんが、年間を通して同じスタイルであのメンバーの中で常に上位にいるというのは、ただごとではありません。

「釣りが合っている」という簡単な言葉だけでは済まされないでしょう。

では、大森貴洋プロの強さの秘密は、どんなところにあるのでしょうか。

この記事は、アメリカメジャーリーグフィッシングのコラム記事で、ライターのタイラー・ブリンクス氏が大森貴洋プロのシャロークランクのことについて取材し、共有してくれています。

大森プロがシャロークランクを使って多くのトッププロのなかで輝く秘密を読んでいきましょう。

大森貴洋とシャロークランク

引用文(タップすると開きます)
Omori’s proficiency with a squarebill has helped him score two MLF Cup wins (plus five Bass Pro Tour Top 10s), but he’s been winning money on crankbaits for most of his professional career. He won an Elite Series event with a squarebill, and his famous “I knew it” moment from the 2004 Bassmaster Classic was thanks to a shallow-running crankbait. Throwing a crankbait is part of who Omori is as a tournament angler, and while his approach seems simple, he’s refined the technique to a level that allows him to catch fish while cranking all year long. “This is my style of fishing and what I like to do,” Omori says. “I can almost always find somewhere to fish a shallow crankbait. I’ll start doing it in the prespawn and will do it into December on some lakes.”

大森はスクエアビルクランクのマスターと呼べる存在で、MLFカップでは2回(ちなみににバスプロツアーのトップ10には5回)優勝していますが、プロとしてのキャリアのほとんどをクランクベイトで賞金を獲得しています。 彼はスクエアビルクランクでバスマスターエリートシリーズの試合にも勝ち、そして2004年のバスマスタークラシックでは彼の有名な「I knew it!!(だと思ってたぜ!)」という勝利のセリフもまたシャロークランクベイトがもたらしました。

クランクベイトを投げることは大森がトーナメントアングラーとしてあり続けるために欠かせないもので、そのアプローチはシンプルに見えますが、彼は一年中クランクでバスを釣ることができるレベルまでそのテクニックを磨いたのです。

「これが私のフィッシングスタイルであり、私がやりたいことです。 ほとんどのフィールドでシャロークランクで釣れる場所を見つけることができます。 プリスポーンはもちろん、フィールドによっては12月だって可能です。」

シャロークランク、いつ・どこで

引用文(タップすると開きます)
Omori will utilize shallow crankbaits early in the year and adjust where he fishes them throughout the year. “I start early in the spring when the water temperature is still cold, even as cold as 45 degrees,” Omori says. “It works great to trigger a reaction bite, even when fish are not that active yet. Early (in the year), you might not get as many bites, but they’ll usually be big fish.” As the waters warm in the summer months, Omori sticks to the same approach of fishing shallow and moving fast. “In places like New York, Michigan, and Minnesota, the fish will stay shallow all summer,” Omori says. “On southern lakes, the majority of fish will get out deep because it gets so hot. That’s when I run into the rivers and search for current, and catch a lot of fish doing that.” With a squarebill in hand, Omori is generally looking hard cover – what he’s searching for will change with the seasons. “I look for any hard object from riprap and rocks to wood or stumps,” Omori confirms. “In the spring, when they’re eating crawfish, it’s usually rock. When they’re eating shad, it seems like laydowns, bushes and stumps are better.” As Omori trolls down the bank, he prefers cast to targets at a 45-degree angle while retrieving his bait as his boat is pushing forward. “Doing this is how I can cover more water,” he says. “I reel fast and try to hit the bait into an object or the bottom. Once it hits, I stop it for a second so the bait will float up and not hang up. This is also where you get a lot of bites – it will just feel heavy, and they will be hooked.”

大森はシーズンの初めからシャロークランクを投げ、シーズンを通してどこで釣るかをアジャストしています。

「早春、気温7℃の寒さで水温がまだ低いときから使い始めます。 バスがまだそれほど活発ではない場合でも、リアクションバイトを誘う素晴らしい働きをします。早春はそれほど多くのバイトはないかもしれませんが、来ればビッグフィッシュです。」

夏は水温が上がりますが、大森はシャローで速い釣りをするという同じアプローチを続けます。

「ニューヨーク、ミシガン、ミネソタのような場所では、バスは夏の間ずっとシャローに残るでしょう。 アメリカ南部の湖はとても暑くなるので、バスの大部分はディープへ行きます。そんな時は川筋へ向かい、流れとそこにいる釣れそうな魚を探します。」

スクエアビルを手にした大森は、一般的にはハードカバーを探していますが、彼が探しているものは季節によって変わります。

「リップラップや岩、それからウッドカバーやスタンプまで、あらゆるハードカバー、ハードストラクチャーを探します。 春にザリガニを食べているときは、たいてい岩です。バスがシャッドを食べているときは、レイダウン、ブッシュ、スタンプの方が良いでしょう。」

大森はバンクを撃っていく際、ボートを進めながらルアーを45度の角度でターゲットにキャストしてリトリーブするのを好みます。

「こうすることで、より効率よく撃っていくことができます。 速く巻いて、ルアーを物やボトムに当てていきます。なにかに当たったら少し止めて、ルアーを浮き上がらせ、根掛かりしないようにします。これはまた、バイトが集中するタイミングでもあります。ただ重く感じるだけかもしれませんが、それが食った合図です。」

大森貴洋のクランキングタックル

引用文(タップすると開きます)
Omori’s shallow-cranking expertise led to the development of a Daiwa Signature Series Tatula Elite Series – everything about the rod was built to his specifications. “It’s a 7-foot medium-heavy composite rod,” he says. “It has a soft tip but a good backbone for fighting fish. The length makes it easy to make short roll casts and underhand casts to targets. It’s also a faster taper to the rod, which helps with making accurate casts.” Making as many casts as possible as he moves down the bank is one or Omori’s key goals, so he uses a blazing-fast reel to assist him. “I use a 9.0:1 Daiwa Zillion reel with 16-pound Sunline Shooter fluorocarbon,” he says. “I want to cover water fast and also reel the bait fast. The faster reel also gives me more control when fighting fish because I can always keep tension on the fish.”

大森が持つシャロークランクの専門知識は、ダイワのシグネチャーシリーズであるタトゥーラエリートシリーズの開発につながりました。そのロッドはすべて彼の仕様に基づいて設計されています。

「これは7フィートのミディアムヘビーのコンポジットロッドです。 ティップはやや柔らかいですが、バスとのファイトを制するバットパワーを持っています。 長さがあるので、ロールキャストやアンダーハンドキャストでの接近戦も簡単にこなせます。 また、ファーストテーパー寄りのロッドのため、正確なキャストを行うのにも役立ちます。」

バンク沿いを進みながらできるだけ多くのキャストを行うことが大森のやるべき重要なことの1つであるため、彼は超ハイスピードリールを使用しています。

「9.0:1のダイワ・ジリオンにサンライン・シューターのフロロカーボン16ポンドを巻いて使用しています。 私はそのエリアを素早くカバーするためルアーも速くリトリーブしたいのです。 ハイスピードリールはバスとのラインテンションを常に保つこともできるので、バスとのファイトにもアドバンテージがあるんです。」

大森貴洋のお気に入りルアーとカラー

引用文(タップすると開きます)
Omori’s crankbaits of choice are mainly the Lucky Craft LC series of squarebills. “They cut through water good and have a nice wobble; they’re the original plastic squarebill,” Omori says. “On the Bass Pro Tour, I like the 1.5 size because it’s perfect for anything over 2 pounds. I use the 2.0 and 2.5 on lakes with bigger fish and in really muddy water.” Omori is a fan of chartreuse hues in dirtier water and will mix in shad and crawfish colors depending on the season and water clarity. He’s also a stickler for sharp hooks and will swap out the stock hooks and change them throughout a day on the water. “I like the Gamakatsu round-bend trebles,” Omori says. “They’re sharp, but I always check them during the day. I’ll change my hooks two or three times a day if I’m fishing around rocks.” While Omori keeps it relatively simple and fishes shallow crankbaits wherever and whenever he can, he has it down to a science. “This (technique) has been working for over 30 years,” Omori says. “History has proven it and you can’t go against history. Once you learn to fish a shallow crankbait, you’ll catch more fish.”

大森が使うクランクベイトは、主にラッキークラフト・LCシリーズのスクエアビルクランクです。

「これは独自の樹脂でできたスクエアビルクランクで、水中でキレのあるいいウォブリングをします。バスプロツアーでは(キーパーサイズである)2ポンドを超えるバスを釣ればいいので、1.5サイズが最適です。ビッグバスがいる湖やかなりの濁りがある場合は、2.0や2.5サイズのものを使っています。」

大森は、濁りが強いところではチャートリュースがお気に入りで、季節や水の透明度に応じて、シャッドやザリガニのカラーを使い分けています。

彼は鋭いフックにこだわるタイプで、水上での1日を通してしょっちゅうフック交換をしています。

「がまかつのラウンドベンドトレブルフックが好きです。 鋭いフックですが、1日を通して常にチェックしながら釣っています。岩場周りで釣りをしている場合は、1日に2、3回はフック交換をします。」

大森はできるだけシンプルに考え、寝ても覚めてもシャロークランクを投げ続けた結果、ひとつの結論に達しました。

「このテクニックは30年以上も有効に働いています。」大森は続けます。「歴史がそれを証明しており、歴史に逆らうことはできません。シャロークランクで釣ることを覚えれば、より多くのバスが釣れるようになるという話です。」

【大森貴洋プロ】シャロークランクのシークレット:メジャーリーグフィッシング
Photo by major league fishing.com

なるほどなるほど、さて、大森貴洋プロのシャロークランクのシークレット、お分かりになりましたでしょうか。

「ええっ!?なにがシークレット!?どこが!?」

ってなりましたよね…

ですよね…わかります…!

書かれていることはほとんどが王道と言えるようなことばかりで、特別変わったことをしているような感じはしませんでしたよね。

変わったことと言えばリールのギヤ比が異常に高いことくらいですが、そうしたからと言ってガンガン釣れるようになるとも思えないような…。

読んでみた感じ、多分ですが、大森プロの中にはタックルや釣り方に関するシークレットなんてないのではないかと思います。

心を折らずにやり続けることですとか、そういうところを伝えたいんだな、という感じがしました。

まあ、本当はそのバスが釣れる場所の選び方や水の感じみたいな、そういうところに秘密といいますか、言いたくない部分がまだありそうな気がしないでもないのですがね…(笑)

バスプロツアーの面白いところは、カメラ艇の台数が10台と多いことです。

10台もリアルタイムのカメラがあると、それぞれの選手が使っているルアー、またルアーチェンジのタイミング、リトリーブのやり方なんかが丸見えなんですよね。

編集ができないのでシークレットも何もなく、使うルアーも時にはその選手がスポンサードされていないメーカーのルアーもあったりして、かなりカオスな状態です。

そういうところを大森プロは「バスプロツアーのライブを見ればわかるよ」と言っているような気もしますね。

自分の得意なことを磨き続ける大森貴洋プロの勇姿が見れるバスプロツアー、私も起きていられれば観ていますので、皆さんもよろしければ一緒に楽しみましょう。

それではまた。

毎度ありがとうございます!