なぜ正しいロッドアクションを選ぶとより釣れるのか?

2021年10月22日

なぜ正しいロッドアクションを選ぶとより釣れるのか?
Photo by bassmaster.com

今日ではバスロッドが数多く細分化されていますが、これは正しいロッドアクションを選ぶことで、より多くのバスをキャッチできるということでもあります。しかしそれは、使うルアーで選ぶというだけでなく、自分のスタイルにも関係しています。

こんにちは!店長の小山です!

本日は海外サイトより、”Select the right rod action to land more fish”という記事を引用してご紹介いたします。

引用先:bassmaster.com”Select the right rod action to land more fish”by Matt Herren|October 8, 2021

あなたは現在、1回の釣行で何本のバスロッドを用意されていますでしょうか?

私の場合、オカッパリから始まったエンジョイフィッシングスタイルが軸となっているためか、ボート釣りでも多くのロッドを持つことはありません。

オカッパリならまず1本、ボートでは4本くらいでしょうか。

一番ロッドが多かった時期でも6本だったと思います。

数回のレンタルボートの料金を払うのと同じ金額で高品質なロッドが買えてしまうわけですから、ロッドを増やすか、ボート釣行回数を増やすかで迷った結果、レンタルボート釣行を選んでしまうという感じですかねえ…。

これでも、以前に比べればロッドは増えました。

なぜ持っているロッドが増えたかと言えばやはり、やりたい釣りに適したロッドがあるためです。

しかし、現在のロッド選びというのはなかなか複雑です。

自分の現在のスキルから必要と思われる性能は何かを考え、ロッドを選ばなければなりません。

それにはまず、ロッドがするべき仕事について理解しなければならないんですよね。

ロッドには大きく分けて2つの仕事があり、それは、バスに食わせるまでの仕事と、もうひとつはバスを掛けてからの仕事です。

バスに食わせるまでの仕事には、キャストのしやすさ、キャストの正確さ、ルアーの操作性、フッキングの良さなどがあります。これは、多くのロッドメーカーの説明書に書かれていることだと思います。

問題はもうひとつ、バスをかけてからの仕事です。これはバラシの少なさが主な仕事になると思うのですが、これひとつだけでもなかなかに複雑なものが関係しているんですよね。

この記事は、アメリカバスマスター公式サイトのアングラーズコラムの記事で、エリートプロのマット・ヘレン氏が、より多くのバスを釣るための正しいロッドアクション選びについて解説してくれています。

バスロッドや周辺タックルの歴史といったバックボーンから考えると、物事は理解しやすくなるようですね。

それでは読んでみましょう。

ロッド選びの重要性

引用文(タップすると開きます)
You all know that I’ve been around the sport of bass fishing for many years. Throughout my years I’ve seen the advancements made in every part of the sport, and they are mind blowing. But what I want to focus on right now are the changes in the fishing rod market specifically. As a kid growing up, the majority of rods we used for fishing were made from some type of fiberglass. Today, most rods are made from super-light, highly sensitive graphite materials. The fiberglass type, or the composite materials that make up our moving bait rods, weigh half of what a traditional glass blank did 25 years ago. These advancements in rod material combined with advancements in fishing lines and fishing hooks make selecting the right rod more critical than ever. Years ago, when the majority of our fishing was done with monofilament lines, we basically used rods that were known as faster tapers. Most techniques were done with medium-heavy to heavy actions because of the stretch in the monofilament lines. Today, most of the fishing that I do is done with some type of low stretch fluorocarbon or braided line, and I use monofilament only for a few specific baits and presentations. The lower stretch of the lines also means better feel of the lure. The advancements in rod blanks coupled with the added sensitivity of low stretch lines has totally changed how I select the rods I use today. I was recently asked by an angler how I chose a rod for a specific technique, and I used this explanation: “You’ve got to choose the right hammer for the nail you’re trying to drive.” I further explained after all the time and combinations I’ve tried, it finally occurred to me that there are two main factors to consider when choosing a rod. The first is, how do you set the hook? Do you reel down and try to snap the line and make the boat move, or do you reel up all the slack and set the hook on a tight line? To me, setting the hook is like making a golf swing. When the pressure of the moment happens an angler will set the hook how they naturally do. There is not a lot of thought; they just react.

私がバスフィッシングに長年携わってきたことはご存知の通りかと思います。長年にわたり、私はバスフィッシングの多くの部分の進歩を見てきましたが、それらは驚異的なものです。そして今、私が特に注目したいのは、バスロッド市場の変化です。

子供の頃、私たちが釣りに使用したロッドの大部分はグラスファイバーで作られていました。今日、ほとんどのロッドは超軽量で高感度のグラファイト材料で作られています。グラスファイバータイプまたは巻き物で使うようなコンポジットロッドを構成する素材は、25年前のグラスロッドの半分の重さです。これらロッド素材の進歩は、ラインやフックの進歩と相まって、適切なロッド選びについてこれまで以上に重要になってきました。

数年前、バス釣りの多くがまだナイロンラインで行われていたとき、私たちは基本的にファストテーパーのロッドを使用していました。ナイロンラインには伸びがあるため、多くの釣り方でミディアムヘビーからヘビーロッドで行われました。今日、私たちがする釣りの多くで、伸びの少ないフロロカーボンやPEラインで行われ、私はある特定のルアーやプレゼンテーションでのみナイロンを使用しています。ラインの伸びが小さいということは、ルアーのフィーリングも良くなることを意味します。

ロッドブランクの進歩と伸びの少ないラインでの感度の向上により、現在は使用しているロッドの選び方が完全に変わりました。最近、一般アングラーから特定のテクニックでのロッドの選び方を質問されましたが、「打ち込もうとしている釘に適したハンマーを選ぶ必要があります」という説明を使用しました。

この後ちゃんと私が時間をかけて試したことや組み合わせについて説明しようと思うのですが、ロッドを選ぶ際に考慮すべき2つの主な要因があることにようやく気づきました。 1つ目は、フッキングについてです。ラインを巻きながら合わせてボートのほうを動かすか、それともラインのたるみをしっかり巻き取ってガッチリとフッキングをするのか?

私にとってフッキングとはゴルフスイングをするようなものです。バイトを感じると、釣り人はフックの動作を自然にします。多くの考えはありません。ただ反応します。

ロッド、ライン、フックのバランス

フッキングとバスのランディングの技術を理解するには、まず、バスの口とは柔らかい肉であり、唇の周りに少し硬い軟骨や骨があることを理解する必要があります。

バスをフッキングしてランディングするのに成功させるには、フックがバスの口に大きな穴を開けることなく、口をきれいに貫通する必要があります。もう少し詳しく説明させてください。ロッドでフッキングをするとき、ルアーのフックをバスの口に刺す力が生まれます。私たちが使用するフックには、一度掛けると外れないようにカエシが付いています。しかし、ロッドのアクションとラインとフックのバランスが取れていない場合、2つの問題が発生する可能性があります。ひとつは、フックが貫通どころか口を引き裂いてしまい、大きな穴が開き、カエシの意味がなくなります。次に、フックが完全に貫通せず、カエシまで届かないという場合です。

ロッド、ライン、フックの組み合わせを考えるとき、私がなにを見ているのかの例を次に示します。

  1. フッキングしてファイトの末にボート際まで来たが、バスが口を開けた瞬間に外れる。
  2. フッキングしたが、ファイト中のジャンプ1発でフックアウトする。
  3. フッキングしたはずが、バスの体重が乗りかけて外れた。

これらはすべて、ロッド、ライン、フックのバランスが正しく取れていない場合に発生する可能性のある問題の例です。ランディングするバスや使用ルアーに注意することで答えが得られます。

釣れたバスのフックを外すときに、バスをよく見てフックがどのように貫通したかを確認します。フックはちゃんと貫通しているか、それとも皮一枚でかろうじて残っていたのでしょうか?破れたような大きな穴が開いていないか?

テキサスリグで太軸のフリッピングフックを使って釣ったとしたら、フッキングの時にワームもろとも貫通したかどうかを確認します。フックが完全に貫通していない場合、この釣り方にそのロッドアクションだと少し弱かった可能性があります。 ラバージグで釣った場合、ジグがバスの口の中で動きすぎていないかどうかを確認するために、引っ掛かっている場所を調べます。大きな穴が開いていたり、フックがずれたような跡がある場合は、ロッドがファストテーパーすぎるのです。

このような簡単な手がかりで、フッキングのスタイルに適したロッドアクションを選ぶのに役立ちます。一般に、ファストまたはミディアムファストテーパーは、現在使用しているラインとフックでは有効です。メーカーによってはロッドのパワーは昔と同じ表記でも、ロッドのテーパーまたはアクションは、以前よりも少し柔らかく感じる場合があります。

ただし、どのメーカーを使用したとしても、フッキングの動作でロッドのアクションを選ぶと、今よりも多くキャッチできる可能性があると私は保証します。

なぜ正しいロッドアクションを選ぶとより釣れるのか?
Photo by bassmaster.com

皆さんはフックが掛かったバスの口をよく観察したことはありますでしょうか。

この解説では、特にロッドアクションとラインとフックの関係について書かれていた感じでしたね。

これってものすごく重要なことで、特にPEラインがバス釣りに使われるようになってからより注目されるようになったと思います。

しかし、記事の中にあった1~3の状態については説明がなかったので、僭越ながら私が補足させていただきますと、

分かりやすくするためにあえて2から補足しますが、ラージマウスバスでよくあるのですが、特に口の横あたりの軟骨と軟骨の間にある白い薄い膜のようなところにフッキングした時にできる大きな穴。

これはPEラインを使ったり、ヘビーロッドで強引なファイトをしたときによくなる現象です。

ファイト中にテンションを掛け続ければいいのですが、バスが首を振った瞬間に外れるのがこの状態ですよね。

PEラインを使っているならリーダーを変えたり長さを変えるか、ファイトをもう少し優しくすればいいと思います。

次に1についてですが、しっかりフッキングしていたつもりでも、ファイト中にバスが口を開けた瞬間にフックが外れるというのは、フックがカエシまで貫通していないということです。

これは1とは口が小さく骨の部分が相対的に多いスモールマウスでよくあるのですが、同じラインを使うならフックを細くして少ない力でも貫通するようにするか、フッキングパワーを上げられれば上げるべきでしょう。

3については、フッキングパワーが強すぎて身切れしている可能性がありますので、フッキングをもう少し優しくするか、柔らかいロッドを使うと解決できると思います。

補足としてはこんな感じなのですが、実際問題、フッキングやファイトのやり方を今すぐ変えるのは難しいと思います。

マット・ヘレンも記事に書いた通り、この時のアングラーは多くを考えず、自然にまたは反射的に行動しているためです。

そういうことで、タックルバランスがより重要となるという感じでしょうか。

ただし、ロッド、ライン、フックなどの道具は、メーカーによって表記の基準が違いますし、使う人によって印象も基準も変わります。

メーカーの宣伝文句、メーカー所属プロの言うことは間違いではありませんが、ただ誰かの言う通りに道具を判断しても、自分のスタイルに合うかどうかはまた別の話です。

できれば、誰かの言葉に左右されず、自分の成長とともに自分の使ってきたロッドたちと比べて今のロッドがどうか、そういう基準で判断するとより釣りが上手になるのではないかと思います。

逆に、ロッドを変えたことで釣果が上がったのであれば、そのロッドにどんな特徴があるのかを分析することで、自分の癖みたいなものがあぶり出せるかもしれませんね。

今後ますます複雑化するであろう現代のバス釣りですが、自分の成長、上達を楽しむことに変わりはありません。

まずは釣ったバスの口にあるフックの状態をよく観察します、そしてそこから、自分は自分のバス釣りを楽しむための道具選びをしましょう!

それではまた。

毎度ありがとうございます!