ボートフィッシングのための新しい安全アプリが登場
バス釣りをするときのボートは他の漁船や一般的なプレジャーボートなどに比べてスピードが出て、身体の露出も多いと思いますので、事故になった時に被害が大きくなる可能性があります。事故を起こさない前提はありつつ、事故が起きた時の対処もしっかりしておきたいものですね。
こんにちは!店長の小山です!
本日は海外サイトより、”Safe and secure with 1st Mate”という記事を引用してご紹介いたします。
引用先:bassmaster.com”Safe and secure with 1st Mate”by Bernie Schultz|January 20, 2022
釣りをするうえで最優先するべきは、釣果ではなく安全です。
これは誰が何と言おうと絶対です。
安全より釣果を優先したいという方は、申し訳ありませんが今すぐ釣りをやめるべきです。
事故を起こすことは、当事者の心身的なことはもちろん、家族や親しい方への影響、業界への影響、業界が社会全体へ与える影響、すべての面においてプラスなことは一切ありませんので、そんな方は今すぐ考えを改めてください。
まあ、そうは言っても、おそらくそんな人はいないでしょう。
それにしても、事故は起きてしまいます。
ちなみに日本の船舶の事故は全体的に減少傾向にあるようです。これは国土交通省はじめ運輸安全委員会などが行う法改正や船舶免許講習などの改善などが実を結んでいるということなのでしょうか。素晴らしい傾向ですね。
しかしこれは漁船やプレジャーボートなどの一般船舶を含めたトータルの傾向ですし、私たちバスアングラーが乗るボートは高速でありながら身体がほとんど露出したまま操船するものですから、ひとたび事故を起こせば他の船に比べて命に直結する可能性が高いように思えます。
そうなると、事故を起こさないことが前提でありながら、事故が起きた時の対策もしっかりしておくべきですよね。
そんなボートの安全のために、新しい製品が発売されました。
この記事は、アメリカバスマスター公式サイトのアングラーズコラムの記事で、エリートプロのバーニー・シュルツ氏が、1st Mate(ファーストメイト)という新しいアプリ&ユニットを紹介してくれています。
一体どんなものか、見てみましょう。
1st Mateの安全・安心
バスマスターエリートシリーズでは、「ボートチェック」と呼ばれるものをしてからその日の試合が開始されます。これは、ライブウェル、航行灯、キルスイッチが完全に機能していることを確認するプロセスです。 トーナメント関係者はまた、ライフジャケットが米国沿岸警備隊の基準を満たし、しっかりと固定されていることを確認します。
こういった働きかけは良いことです。
私たちが水上にいるとき、特に他の人まで関係してくる場合は、安全を最優先する必要があります。
幸いなことに、ほとんどのバスマスターアングラーは安全で良心的なボート乗りです。 「航行上のルール」を知っています。これは素晴らしいことです。 しかし、水上での安全をより便利にすることができる最新のテクノロジーをご存知でしょうか?
1st MATE(ファーストメイト)
新しく登場した1st Mate Marine Safety and Security System(ファーストメイトマリンセーフティ&セキュリティシステム)についてお話ししましょう。
1st Mateは、従来の物理的キルスイッチおよびストラップをワイヤレス化した代替手段であり、船外の状況把握に役立つ追加機能も付いています。仕組みは次のとおりです。
1st Mateは、小さなエンジンハブからあなたのスマホ、他の乗船者のスマホ、また衣服やライフジャケットに取り付けるリストバンドやクリップ式のウェアラブルリモートフォブ(センサー的なもの)にワイヤレス接続されます。スマホへのアクセスは、1stMateアプリを介して接続します。
運転中に運転者がボートから投げ出された場合、1st Mateは直ちにエンジンを停止します。次に、アプリのman-overboard(MOB)機能が立ち上がり、接続されている同船者に事故が発生した警報と場所を示すウェイポイントを送信します。その後、アプリから接続された他の同船者にエンジンを再始動する方法を指示し、運転者が落水している場所に案内してくれます。
接続された同船者が船外に出た場合、1st Mateはすぐにあなたに警報を出し、あなたを落水者の場所に案内します。
さらに安心を求める場合は、あなたや同船者が船外に落ちた場合に、陸上の緊急連絡先に遭難信号を送信するようにアプリで設定しておくこともできます。これは、一人での釣行をする場合に特に素晴らしい機能です。
セーフティファースト、セキュリティセカンド
1st Mateは、ボートのセキュリティ機能も提供します。 このアプリを使用すると、1st Mateの盗難防止システム(TDS)を設定することで、エンジンをロックしたり、使用を制限したりできます。 所有者であれば、フォブまたは1stMateアプリを使用してエンジンのロックを簡単に解除できます。
1stMateには2つのバージョンがあります。 マーキュリーエンジン用(40馬力以上、2004年以降のモデル)には、高度なTDS機能が設定可能です。 マーキュリーエンジンでない場合、または古いマーキュリーのエンジンを使用している場合は、1st Mate 全メーカー対応エンジン用が使え、多くのメーカーのエンジンで使用でき、基本的なTDS、船外機アラート、エンジンカットオフ機能、および遭難メッセージ機能が使用可能です。
その他の機能
1st Mateシステムは、ほとんどのアングラーがDIYで設置や設定可能です。 やり方が説明された動画もあります。また、専門家に任せたい場合は、マーキュリーの認定ディーラーにインストールしてもらうことができます。
水上では多くのことが起こり得ますが、そのほとんどは楽しく、ポジティブなことです。 しかし残念ながら、そうでないこともあります。 したがって、私たちは自分自身、私たちが愛する人、そして自分を愛してくれる人に対して安全を最優先する義務があるのです。
1st Mate Marine Safety&Security Systemの詳細については、1stmate.com(公式HP)にアクセスしてください。(下のサイトです。英語です。)
これは素晴らしいアプリですね。
念のため機能をおさらいしますと、大きく分けると次の3つ
- 乗船者の落水の監視と警報
- 遭難信号機能
- 盗難防止機能
という役割があります。
さらに細かくみると
キャプテンが落水した場合
- フォブが水に沈むとエンジンが停止
- ボートハブとスマホアプリからの警報
- アプリとボートに設置したディスプレイ上にGPSマップで落水場所を表示(装備している場合)
- スマホアプリに接続した同船者のフォブへ警報発信
- キャプテンが落水した場所へ、同船者のスマホに操船の指示が表示される
同船者が落水した場合
- ボートハブとスマホアプリへの警報
- アプリとボートに設置したディスプレイ上にGPSマップで落水場所を表示(装備している場合)
- スマホアプリに接続したキャプテンと同船者のフォブへ警報発信
- 同船者が落水した場所へスマホアプリでルートを誘導
盗難防止機能
キャプテンが近くにいないとき、またはキャプテンが解除しなければエンジンがかからない機能。
遭難信号発信機能
キャプテン用のフォブを付けている人が落水して戻れない、または同船者も助けられない場合、同船者が発信するか、あらかじめ設定したタイマーが切れると自動で遭難信号を発信する機能。
受信者にはメッセージタイトル、日時、場所のデータが送られるとのことです。
主な機能はこんな感じですね。
このアプリの具体的な使用方法をちょっと考えてみますと、このユニットをたとえば友人同士で待ちよれば、友達同士でお互いの事故を監視できますよね。
また、日本はレンタルボートでのバス釣りが主流ですから、レンタルボート店やマリーナが「親」となってボーターにフォブを渡しておけば、自店舗のレンタルボートが事故した時やマリーナから出船したボーターが事故したときに救助に向かうことができるかと思います。
また、これは可能かどうかわかりませんが、マリーナやスロープの使用者やフィールドで釣りをする人が全員このアプリをインストールしてあれば、フォブを持った人が事故したときに限られますが、事故現場から近い人が救助に行くなんていうことができるのかもしれません。
このアプリを記事を書いたバーニ―・シュルツ氏が使っているのかどうかはわかりませんが、エリートプロが紹介しているというのもとても素晴らしいポイントだと思います。
アメリカの規則では、現状ボート走行中はライフジャケットの着用が義務付けられているものの、正直なところ、これまで安全面に関しては日本よりも意識が低かったのです。
しかしこういったアプリが登場し、トッププロが紹介するということを見れば分かる通り、現在では安全面に対する意識もかなり向上し、フィールドのゴミ問題や駐車場、進入禁止・釣り禁止場所での釣りなど、マナーやモラルに対する意識や危機感もかなり向上しているのを感じます。
コロナ禍によるアウトドアブームがこのような危機感を募らせているのはアメリカも日本も同じのようです。
初心者さんやマナーやモラルに対して無知な方が一気にドーンと増えた場合、フィールドでは初心者さんが初心者さんを見よう見まねで真似して、間違った知識を良しとしてしまうパターンが増えると思いますので、業界や釣りを教える人は、釣りを守るためには今後より一層の努力が必要となるかもしれません。
このようなアプリの開発はそういう意味では非常にありがたいですし、広告でもいいので情報発信すること自体が安全・マナー・モラルの向上につながるかと思います。
ちょっと話が広がってしまいましたがすみません。いずれにしても、私も皆さんも、安全を第一に引き続き釣りを楽しむことを徹底していきましょうね。
それではまた。
毎度ありがとうございます!