アメリカから学ぶバスの適切な扱い方 – 持続可能なバス釣りのために

アメリカから学ぶバスの適切な扱い方 – 持続可能なバス釣りのために
Photo by bassresource.com

釣ったバスを無事にリリースするための具体的な扱い方をご紹介。アメリカの専門家の知見に基づき、バスの命を大切にする釣り方を伝授します。バス釣りの楽しみを次世代にも残しましょう!

こんにちは!店長の小山です!

日本でバス釣りをしている私たちのほとんどはバスを食べません。

キャッチアンドリリースを前提としたゲームフィッシングを楽しんでいるのではないかと思います。

アメリカではバスは食用で、今でも美味しく食べられています。そのため、各湖沼や川ではバスのための環境づくりが行われたり、放流や保護が行われており、いわゆる管理されたフィールドがもともと多かったんですよね。

しかし、ルアーでバスを釣る楽しさが発見され、トーナメント団体ができたとき、プロレベルのアングラーが一気に押し寄せてトーナメントの名のもとにバス(食料源)を乱獲され死滅することを恐れた地主たちの意見をバストーナメント団体(B.A.S.S.)が受け入れ、資源保護のためにキャッチアンドリリースといいう考えかたを生み出したのがいまのアメリカのバス釣り文化の始まりまでのおおまかな流れだと思います。

つまり、アメリカのバスアングラーの皆さんの根底には、バスという資源を枯らしてはいけないという意識があります。

日本では渓流釣り師の方々やヘラブナ釣り師や雷魚アングラーの皆さんが同じような感覚を持っており、リリースするまでが釣りという意識を行動に移しています。

彼らは決して魚を直接触りませんし、魚を長い時間にわたって空気に触れさせることを嫌います。

私たち日本のアングラーは正直なところ、バスを釣るところまでに集中しすぎているところがあると感じます。

なぜなら、日本でバスは特定外来種であり、リリースする場面については大手メディアでは取り扱うことができないために、そこまではなかなか浸透しなかったためだと思います。

これは別にメディアのせいではないと思いますし、国のせいとかでもなく、誰が悪いという話ではなく、決まったルールの中でバスアングラー個々の知識が増えればいいだけの話だと思います。

では、その意識が高いというアメリカのアングラーの間では、バスの扱い方についてどのようなことが啓蒙されているのでしょうか。

この記事は、アメリカのバスフィッシング専門情報ウェブマガジン「bassresource.com」の記事で、サイトの創設者でありアウトドアライターのグレン・メイ氏が、釣ったバスの扱い方について解説しています。

キャッチアンドリリースについて興味のある方はぜひ、最後まで読んでみてください。

 気になるところだけ読んでもOKです 

釣ったバスの取り扱い

  • Avoid using the net if possible, as it will rub off the fish’s protective slime coating, increasing its chance of sickness and infections. If you must use a net, use a rubberized kind. These reduce the damage inflicted.
  • If a bass weighs over 3 pounds, don’t hold him up by his lip alone; you may break his jaw. Instead, support his weight with your other hand by cradling his belly.
  • If you’re having difficulty removing the lure, use needle nose pliers and gently pry the hooks free. Yanking and twisting the hooks only causes more damage.
  • If the hook is embedded in the throat, cut the line instead of trying to get the hook out. Leave about 18″ of line, and chances are the bass will dislodge the hook himself. Trying to pry the hook out of this delicate area can kill the bass.
  • Before measuring your fish (especially on hot days), place the measuring board in the water to avoid damaging the fish’s protective slime coating.
  • Keep your livewell water temperature close to the lake temperature. A 5-degree difference is stressful to the bass; an 8-degree difference can be fatal. Use non-chlorinated block ice (in small quantities) if necessary.
  • Keep your livewell aerator on. You can’t over-aerate a fish! Pounds of bass, higher elevations, and higher water temperatures all deplete the oxygen levels of a livewell.
  • Bass expel ammonia when they “breath," recirculating the water with your pump or use of livewell chemicals such as “Catch & Release" help reduce the ammonia content in the water.
  • ランディングネットを使用するとバスの魚体を保護する粘液のコーティングが剥がれてしまい、病気や感染症の可能性が高まるため、網の使用はできるだけ避けてください。 ランディングネットを使用する場合は、シリコンやラバー入りのものを使用してください。 これらは受けるダメージを軽減します。
  • バスの重さが1300gを超える場合は、口だけでバスを持たないでください。 アゴが壊れてしまうかもしれません。片方の手でお腹を支えるようにして、全体重が口にかからないようにしましょう。
  • ルアーを外すのが難しい場合は、ラジオペンチを使ってゆっくりとフックをこじって外してください。 フックを引っ張ってしまうと、ダメージがさらに大きくなります。
  • のまれたフックが喉に刺さっている場合は、フックを取り出そうとせずにラインを切ってください。 ラインを約45センチ残しておけば、バスから自然にフックが外れる可能性があります。ノドというデリケートな部分からフックを無理やり取ろうとすると、バスが死んでしまう可能性があります。
  • サイズを測定する前に(特に暑い日)、バスの粘液コーティングを損傷しないように、メジャーを一度水中に入れましょう。
  • ライブウェル内の水温は湖の水温に近づけてください。 3℃の差はバスにとってストレスとなります。 5℃の差は致命的になる可能性があります。 必要に応じて、非塩素化ブロック氷を(少量で)使用してください。
  • ライブウェルのエアレーターはオンのままにしてください。 バスの酸素を止めてはいけません。 疲れているバス、標高の高いフィールド、高い水温などは、ライブウェルの酸素レベルを低下させます。
  • バスは呼吸するときにアンモニアを排出しますので、ポンプで水を循環したり、ライブウェル用の化学薬品を使用したりすると、水中のアンモニア含有量を減らすことができます。
アメリカから学ぶバスの適切な扱い方 – 持続可能なバス釣りのために
Photo by bassresource.com

ちなみにこの記事は1995年の古いものです。

すでにお察しの方も多いかと思いますが、今日のバス釣りには個人個人に動画やSNSが付いて回りますので、このような記事に似た記事にはほとんど「撮影の時間をなるべく少なくする」といったことも追加されています。

また、フィネス全盛期な現代では、バスとのファイト時間も長くなりがちですが、ファイトの時間が長ければ長いほどバスは回復するのに時間がかかるので、キャッチした後のより慎重なケアを求めている記事も多いです。

私は冒頭で日本ではバスアングラーの意識が低いかのような書き方をしてしまいましたが、そう思っているわけではありません。

むしろ現代のバスアングラーさんは釣り場にゴミを捨てたり無茶な駐車をしたり禁止場所に入ったりする方がかなり減りました。本当に素晴らしい方ばかりだと思います。

しかし、渓流釣りの方々や雷魚釣りの方々がやっているのは、誰かに釣りを教えるときに「こういうことはしてはダメだよ」と個々でしっかり教えていることなんです。

それはもう完全なる文化であり習慣となっていて、当たり前のことになっているんですよね。

たとえばプロガイドの方々などは、お客さんに対してバスの持ち方やフックの外し方などを気付いた時にレクチャーしてる方が多いと思います。

一般アングラーの方々にも、そういうレベルでバス釣りを教えている方もいらっしゃいます。

もし、そのような知識を分けてもらった方は、初心者さんのお連れさんに教えるのはもちろん、いつもの釣り仲間にも「これ知ってる?俺も教えてもらったんだけど」という感じで、個人レベルで広めていければいいなと思います。

バス釣りでもそこまでが文化として完全に定着すればいいですよね。

とはいえ、この記事も、そして私が書いている個人的な意見もこれを読んでいる方に求めているわけでもありませんし、誰にも強制できるものでもありません。

あなた自身がどうするかだけです。

それではまた。

毎度ありがとうございます!