もう迷わない!リールのギア比を学ぼう

2018年7月30日

もう迷わない!リールのギア比を学ぼう

Photo by game and fish

こんにちは!店長の小山です!

本日は海外サイトより、”What You Need to Know About Gear Ratio”という記事を引用してご紹介いたします。

引用先:gameandfishmag.com”What You Need to Know About Gear Ratio”by David Johnson | July 23rd, 2018(海外サイトです)

 

ご存知の方は多いかと思われますが、2018年のICAST(アイキャスト=アメリカ最大のフィッシングショー)において、アブ・ガルシアよりギア比なんと10.1:1というハイスピードリール、「レボ・ロケット」の発売が発表されました。(アメリカ時間2018.9.10発売。日本での発売は不明)

私にとってギア比10.1:1という数字は驚異的で、私の持っている昔のベイトリールで一番低いのが約4.8:1というものですから、それよりも倍以上の速さで巻けることになります。

昔は、今よりロングキャスト性能が良くないリールが多かったのでそれほど気にならなかったかもしれませんが、今のロングキャスト性能に優れたリールで遠くに投げれれば投げれるほど、回収の手間のかからないハイスピードリールの登場はそれだけでも理にかなっていると思います。

ただ、昔からハイスピードリールの開発が行われてこなかったわけではありません。

ギア比が高いということは、大きいギアと小さいギアの差が大きくなるということです。大きさの差が大きいギア同士がくっついて回るということは、小さい方のギアの歯のほうが圧倒的に早く消耗してしまうということになります。ここにまず強度という最大の問題があって、長い期間を使うリールという道具にとってはなかなか強度と価格に見合った素材がなかったというのが、これまでこれほど速いリールが出てこなかった理由だと思います。

 

さて、いざそれが実現できたとなると、これまでの常識が変わります。いままでなかったギア比のリールが誕生するということで、再び、それぞれのギア比に合った釣り(ルアー)の選択というのを見直す時期が来たということになると思います。

この記事は、アメリカのルアーフィッシング専門メディア「GAME & FISH」の記事で、リールとギア比についての解説がされています。

自分の持っているリールが、どんな釣りにフィットするのか。今までの常識と変わる部分はあるのか、そういったところに注目して、読んでみてはいかがでしょうか。

 

ギア比の意味

Gear ratios in reels are simply an expression of how many times the reel spool turns each time you turn the reel handle.

So a 6.4:1 ratio means that for every one revolution of the reel handle, the spool turns 6.4 times. The Revo Rocket’s spool revolves 10.1 times for every time you turn the handle.

Obviously, a faster gear ratio retrieves line faster, but two reels with the same gear ratio can retrieve slightly different amounts of actual line-per-reel turn based on the size of the spool and how much line is on the reel. Bigger spools with more line on them are bigger around, and therefore return more line per turn.

One thing new technology has allowed is for lower profile reels to be extremely fast, because before that technology the easiest way to make a reel with a faster retrieve was to make the spool big (and hence the reel larger).

Today’s low-profile reels are more ergonomic and can, in the right application, reduce fatigue and improve your fishing efficiency.

リールのギア比とは、リールハンドルを回すたびにスプールが何回転するかを表したものです。

したがって、6.4:1の比率であれば、リールハンドル1回転ごとに、スプールが6.4回転することを意味します。 Revo Rocketのスプールは、ハンドル1回転で10.1回転するということです。

言うまでもなく、より速いギア比はより速くラインを回収しますが、同じギア比の2つのリールでも、スプールのサイズおよびリールに巻かれたラインの太さによってはハンドル1回転あたりのライン巻取り量は異なります。大きなスプールにいっぱいのラインが巻かれたものは、円周がより大きくなるため、1回転あたりでより多くのラインを巻き取ります。

今回、新しい技術が可能にしたことは、ロープロファイルのリールが非常にハイスピードであるということです。この技術が生まれる前、リールをハイスピードにする最も簡単な方法は、スプールを大きくすること、すなわちリールを大きくすることでした。

今日のロープロファイルのリールは人間工学に基づいており、適切な用途では疲労を軽減し、釣りの効率を向上させることができます。

 

ギア比により適した用途を選ぶこと

The quest for faster gear ratios might make you think that faster is always better. But faster is better only when the fishing application calls for it.

Hammers are what you need to drive nails, but they don’t do much if you’re trying to loosen a screw.

Anglers typically divide gear ratios into three categories: slow, medium and fast.

Roughly speaking, “slow” reels have ratios below 6:1; medium reels are 6 to just under 7:1 and fast reels are 7:1 or faster.

In the early days of tournament fishing, 7:1 reels were not sturdy enough to stand up to long-term serious fishing, but today they are. Not surprisingly, all of these reels have their place, but all reels work best if you match them correctly to the kind of bait you are fishing.

より速いギア比のリールが誕生するということは、速いことが良いことのように思えてしまうかもしれません。 しかし、より速い方がいい時というのは、その釣りが速さを求めているときだけです。

ハンマーは釘を打つために必要なものですが、ねじを緩めようとしている場合はあまり効果がありません。それと同じです。

釣り人は通常、ギア比を低、中、高速の3つのカテゴリに分類します。

大まかに言えば、低速リールは6:1以下のギア比です。 中速リールは6〜7:1未満、高速リールは7:1以上です。

トーナメント初期のころは、7:1のリールは長期的なハードな釣りに耐えられるほど丈夫ではなかったものですが、今日ではそれに耐えられます。 もっともなことを言うようですが、これらのリールのすべてに適した場所があり、あなたが釣るルアーの種類に正しくマッチさせることで、すべてのリールが最も効果的になります。

 

ローギアリール

Slow reels in the 5:1 range are often the top choice for anglers fishing deep-diving crankbaits, slow-rolled spinnerbaits and big swimbaits.

The slower uptake makes sense in these applications because they allow the bait to get down in the water column and because during most of the retrieve these baits are fishing in the strike zone (or at least what you hope is the strike zone).

The gear ratio allows you to turn the reel at a comfortable rate, and coupled with these baits, keeps your offering in the strike zone the entire retrieve. Generally with these baits, when the fishing part of the cast is done, the bait is close to the boat, and therefore the slow ratio does not delay the next cast much.

ギア比5:1前後の低速リールは、多くの場合、ディープダイビングクランクベイト、スピナーベイトのスローロール、大き目のスイムベイトで釣るときにもっとも適した選択肢です。

これらは、ルアーが水中にあってリトリーブしている間、ルアーがストライクゾーン(またはあなたがストライクゾーンであろうと思っているレンジ)を通せるので、より低速なリトリーブをするリールを適用させるのは理にかなっています。

このギア比はリールを快適に回すことができ、これらのルアーをリトリーブ全体を通してストライクゾーン内にルアーを維持します。 一般的にこれらのルアーは、キャストしてからボートのそばに来るまでチャンスタイムが続くため、低速であることが次のキャストを遅らせることにはなりません。

 

中速ギアリール

Medium reels are often referred to as the “workhorses” of bass anglers. Ratios of around 6:1 or 6:4 present a wide variety of baits and are often used with shallow spinnerbait presentations, square-billed crankbaits, medium-depth cranks in general, and castable umbrella rigs.

Again, turning the reel at a comfortable rate naturally presents these baits at the depth they are usually most effective. Many reels in this range are also quite capable of presenting not only baits listed in the “medium” category, but also in the slow and fast category – perhaps with slightly less efficiency or more work, but they can get the job done.

中速リールは、しばしばバスアングラーにとっての「馬車馬」と呼ばれます。 約6:1または6:4のギア比は、様々なルアーに適合し、シャローのスピナーベイトプレゼンテーション、スクエアビルクランクベイト、ミディアムクランク、アラバマリグでよく使用されます。

先ほどと同様に、リールを快適な速度で回転させると、最も自然で効果的な深さでこれらのルアーをプレゼンテーションできます。 このギア比を持つ多くのリールは、ここに挙げたルアーだけでなく、ローギアとハイギアで挙げられたルアーを使うこともできます。多少、効率が低下したり、より労力が必要になりますが、仕事はこなします。

 

ハイギアリール

Fast gear ratio reels are the most efficient choice for anglers who are presenting baits at relatively defined target areas, or are fishing a bait primarily worked by moving the rod tip, or fishing baits that are being “ripped” quickly, or using baits that are fished in heavy cover where getting the fish into open water immediately upon hookset is helpful.

Some examples of baits that match well to a fast gear ratio are jigs, big worms, Texas rigs, Carolina rigs, jerkbaits, lipless crankbaits, and topwaters.

The extremely fast line uptake of fast reels does three things for anglers.

In the case of worm anglers who may be fishing cover or structure at some distance from the boat, once the bait has been fished through the area that a strike is likely to occur, the bait can be reeled in very quickly, and hence the next cast can be made quickly. Over the course of the day, that can greatly increase the amount of time your bait spends effectively fishing.

In the case of baits that are jerked or otherwise fished in short movements with a twitch of the rod, the fast reel allows instant slack uptake, not only allowing for better contact with the bait, but a better chance to get a firm hookset.

Finally, for flipping, pitching and other heavy-cover applications, extremely fast reels are very helpful in horsing bass out of the brush. The Revo Rocket, for example, brings in 41 inches of line in one turn of the reel. Between rod movement on the hookset and the first turn of the reel handle, that bass has got to move and move right now.

速いギア比のリールがどんなアングラーに向いているかと言えば、比較的狭い範囲のエリアにルアーを入れていく釣りか、またはロッドティップを動かすことによって効果的になるルアーを使っているか、ヘビーカバーで釣っていてフッキングの直後に魚をオープンウォーターに誘導するような釣りをしているアングラーにとって、最も効率的な選択肢になります。

ハイスピードギアによくマッチするルアーの例としては、ジグ、大きなワーム、テキサスリグ、キャロライナリグ、ジャークベイト、バイブレーション、トップウォーターなどがあります。

ハイスピードリールによる非常に速いライン回収は、釣り人にとって3つの効果があります。

ワームで釣っている時にボートから距離を離してカバーやストラクチャーを釣る場合、バイトが発生する可能性があるエリアからルアーが外れたら、ルアーを非常に迅速に回収することができます。これで、次のキャストを素早く行うことができます。これは一日を通してみた時に、あなたのルアーを有効なゾーンに入れておく効果的な時間を大幅に増やすことができます。

ロッドティップでジャークやショートトゥイッチをするようなルアーで釣る場合、ハイスピードリールは、ラインスラックを素早く回収しルアーの操作感がより良くなるだけでなく、しっかりとしたフッキングをする事も可能にします。

最後に、フリッピング、ピッチング、その他のヘビーカバーに適応させた場合には、ハイスピードリールはカバーからバスを引きずり出すのに非常に役立ちます。例えば、Revo Rocketは、リール1回転で104センチのラインを巻き取ります。フッキング時のロッドの動きとリールのハンドルの最初の1回転で、そのバスは即座に引きずり出されます。

 

長所を生かすこと

For anglers who take their recreational fishing seriously, it can pay to use the best reel type for your style of fishing. You might not need every reel ever made, but you will catch more fish with less effort if you make an effort to match reel ratio to the kind of fishing you love to do.

釣りを真剣に楽しむアングラーにとって、その釣りのスタイルに最適なリールのタイプを使用することで、良い結果をもたらします。 これまでに作られたリールをすべて必要とすることはありませんが、あなたが好きな釣りのタイプにギア比を合わせるようにすれば、より多くの魚をキャッチすることができます。


 

いかがでしたか。

結論としては、10:1のギア比のリールが生まれたといっても、これまでのリールの使い方が大きく変わったということでもないようです。

昔から言われているギア比の考え方は、「竿が仕事をするルアーはハイギア、リールが仕事をするルアーはローギア」ということです。ここに書かれていることと一致していますね。

10:1のギア比が出たことで、釣りの幅が広がったというわけではなく、一部の釣りのスタイルにおいては、釣りの効率がより良くなったということです。その効率が良くなったことが、素晴らしいということなんですね。

 

しかし最近ではそのセオリーも崩れてきています。

木村健太プロやアメリカのトーナメントに参戦している大森貴洋プロなどは、超ハイスピードリールでシャロークランクをバンバン巻いているということですから、使いこめば使い込むほど、何か見えてくるということなのかもしれません。そういう方にとっては、これはあくまで参考ということにして、結局のところは自分の扱いやすいものを使うのがいいのかもしれませんね。

他にもそういったセオリー通りじゃない使い方もあるのかもしれませんが、私はひとまず、ここに書かれていることの通りに実践しています。

ひとまず、今のリールに何の不満もありませんが、超ハイスピードリールを使ったら、元に戻れなくなってしまったりするんでしょうか(笑)

適材適所で使うというのも、実は案外難しいことなのかもしれませんね。

自分にはもっと柔軟な適応力が欲しいものです(笑)

 

それでは、また。

 

毎度ありがとうございます!