【バスプロに学ぶ】リールギア比の使い分け&ドラグ設定

【バスプロに学ぶ】リールギア比の使い分け&ドラグ設定
Photo by mossyoak.com

経験豊富なバスプロの理論に基づいて、細分化され開発されてきたリールをはじめとするバスタックル。これらは信頼して使うことができる一方で、どれを選んだらいいのか分からないという問題もあります。ここでは、一人のトッププロのリールの使い分けを見てみましょう。

こんにちは!店長の小山です!

本日は海外サイトより、”OTT DEFOE DETAILS GEAR RATIO AND SETTING DRAG”という記事を引用してご紹介いたします。

引用先:mossyoak.com ”OTT DEFOE DETAILS GEAR RATIO AND SETTING DRAG”provided by John E. Phillips August 7, 2020

バス釣りをするのに欠かすことのできないタックルのひとつが、リールです。

魚を釣るためのリールもロッドも、数百年も前から存在していましたが、その進化の過程を見た時に、見た目の変化で分かりやすいのは、リールのほうですね。

数百年前に登場したリールはただ糸を巻くための装置でしたが、ここ最近の百年くらいで、レベルワインダー、クラッチ、ドラグ、ブレーキシステムが登場し、今のリールらしくなってきたんですね。

おなじように、バス釣り人気が広まるとともに、ルアーの種類も進化しながら増えていきました。

タックルの進化やルアーの多さに伴ってアングラーも進化しまして、アングラーの好みや志向により(またはメーカーの戦略的に)、あるいはリールに巻くラインにも多様さが増し、より細分化された専門的なリールが求められるようになり、釣りのターゲット、扱いたいルアー、ギア比、価格などで私たちはかなり多くの商品のなかからリールを選べるようになりました。

喜ばしいのは、これらの開発をメーカーとトッププロの間で進められたことで、経験豊富なプロの理論が道具に落とし込まれ、私たちが信頼を寄せて使うことができるという点です。

逆に辛いことに、バス釣りを始めたばかりの初心者さんや、これまで道具に対してそれほど気にしていなかったような人にとっては、リール選びが大変になってしまったということです。

特に、その進化の過程が見た目に分かりやすかったリールにおいて、内部のギア比の変化や違いというものは目に見えにくく、リールを選ぶときに迷う原因になるのではないでしょうか。

この記事は、アメリカのハンティングとフィッシングの専門メディア「Mossy Oak」のブログ記事で、メジャーリーガーのオット・デフォー氏へのインタビューにより、ギア比によるリールの選び方と、おまけとしてドラグ設定について解説されています。

バスフィッシング業界を引っ張ってきたバスプロのリールのギア比の使い分けですので、ぜひ、参考にさせてもらいましょう。

リールのギア比

引用文(タップすると開きます)
Some reels seem to have more gear ratios than an 18-wheeler. The reason for the different gear ratios is dependent on the lures I’m fishing, and how fast or slowly I want to retrieve my lures. Today I only carry three different gear-ratio reels on my bait-casting equipment. I use a 6.8:1, a 7.5:1 and an 8.3:1. 1. 6.8:1 Reel – I like to fish all my treble hooks on a 6.8:1 gear-ratio reel. I not only use that reel for my crankbaits, but also for top-water lures, swimbaits and hair jigs. I think I have more of a feel for the lure as I’m retrieving it with a slower gear-ratio reel. I know how fast I’m turning the handle relates to how fast the lure is moving in the water. I want to know that I’m not overpowering the bait by reeling it too fast. With that reel, I can slow the bait down or speed it up. For me, the reel with this gear ratio is my best reel for letting me know the speed of the bait, and what the bait is doing under the water. 2. 7.5:1 Reel – With my 7.5:1 gear-ratio reel, I like to use this reel when I’m fishing single-hook lures like a buzzbait, a spinner bait, bladed jigs and a frog. This reel allows me to fish baits a little faster than my 6.8:1 reel does, and many times when fishing these types of lures, the bass will take the bait and keep swimming toward you. So, you have to take-up line fast to get a good hook set and not have slack in your line. 3. 8.3:1 Reel – With many lures, reel speed determines how the bait acts, how fast it’s moving, and how fast you’ll get the bass to the boat. But with the 8.3:1 gear ratio reel, I’ll be working the lure with the rod tip and giving the lure action with the rod tip instead of the reel. With the 8.3:1 gear ratio reel, I’ll mostly be fishing soft plastics and jigs. I’ll cast the bait out and move the lure along the bottom, through the cover and/or over the top of the cover with the rod. When the bass attacks, I’ll use the reel to take-up slack quickly, so I can set the hook. General Information on Gear Ratios – When I’m using a spinning reel, I like a reel that’ll take line up quickly – probably a 6.2:1 gear ratio reel. I like this reel on my spinning rod for many of the same reasons that I prefer the 8.3:1 gear ratio reel my on bait-casting reel. When I’m fishing light line and little lures, I’m primarily going to work those lures with my rod tip, instead of the speed of my reel. The main way I use my reel is to take up line quickly when the bass inhales one of my little lures and set the hook. I am mainly fishing soft plastics when I’m using the spinning reel. Also, I’ve learned that when I set the hook on small plastic lures, the bass often will take the bait and run straight toward the boat. So, I need a reel that will pick up line quickly.

現在のリールは、ギア比の種類が非常に多くなっています。色々なギア比がある理由は、釣りに使うルアーと、ルアーをどれだけの速さ(または遅さ)でリトリーブしたいかによって変えたいためです。現在私は、ベイトリールで3つの異なるギア比リールを使っています。「 6.8:1」、「7.5:1」、「8.3:1」です。

ギア比6.8:1

トレブルフックが付いているルアー​使う時は、6.8:1のギア比のリールを使いたいです。クランクベイトだけでなく、トップウォータールアー、スイムベイト、ヘアージグにもこのギア比を使用しています。遅めのギア比のリールでリトリーブしているので、ルアーへの感度が増していると思います。ハンドルを回す速さが、そのままルアーが水中で動く速さに関係していますので、速く巻きすぎてルアーの動きが破たんしないようにもしたいもの。このギア比だと、ルアーの速度を下げることも、上げることもできます。私にとってこのギア比のリールは、ルアーのスピード調節と、ルアーが水中でどんなアクションをしているのかを知るのに最適なリールです。

ギア比7.5:1

7.5:1のギア比のリールは、バズベイト、スピナーベイト、チャターベイト、フロッグなどのシングルフックのルアーで釣るときに使用します。このギア比のリールは、6.8:1のリールよりも少し速くルアーを巻き上げることができます。また、これらのタイプのルアーで釣っていると、バスがルアーにバイトしてそのままこちらへ向かって泳ぎ続けることがあります。そのため、ラインのたるみをなくし、適切なフッキングを行うには、ラインをすばやく巻き取る必要があります。

ギア比8.3:1

多くのルアーでは、リールの巻き上げ速度により、ルアーのアクション、動きの速さ、バスをランディングするまでの速度が決まります。しかし、8.3:1のギア比のリールでは、ルアーをロッドティップで操作する場合、つまりリールではなくロッドティップでルアーを動かすためのリールです。 8.3:1のギア比のリールでは、主にワームやラバージグでの釣りをします。ルアーをキャストしたら、ルアーをボトムに沿って、またカバーの中や上を通すというように、ロッドでルアーを動かします。バスがバイトした時は、このギア比ならラインスラックをすばやく回収できるので、フッキングも決まりやすくなります。

スピニングリールのギア比

スピニングリールを使用するならば、ギア比の高いものが好きです。だいたい6.2:1のギア比のスピニングリールです。ベイトリールの8.3:1のギア比の項目で書いたことと同じ理由で、スピニングロッドを持つときはこのリールを気に入っています。細いラインと小さなルアーで釣りをするときは、リールではなく、主にロッドを使ってルアーを扱います。ライトタックルでリールを使用する主な場面は、バスが私の小さなルアーにバイトしたとき、フッキングの前にすばやくラインのたるみをとるときです。スピニングリールを使用しているときは、主にワームを使っています。また、小さなワームで釣っている時のバイトは、バスがルアーを咥えたままボートに向かってくることがよくあります。ですので、ラインのたるみを素早く回収できるリールが必要です。

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バスをバラす理由

引用文(タップすると開きます)
Most fishermen either set their drags too tightly, too loosely, or don’t set their drags at all. Each time I pick the rod I’m going to fish with, I check the drag system before I start fishing. I just take hold of the line and pull it to see how tight or loose my drag is because I want to know that that line is coming off the reel the way it should when the drag is engaged. Also, throughout a day of fishing, I’ll give the line a little tug to make sure the drag hasn’t tightened-up or loosened-up. Once you get in the habit of checking your drag system throughout the day, testing the drag isn’t a hassle. There’s no exact science as to how tight or loose your drag should be. I just use the feel test to make sure my drag is set the way I want it to be. I generally set my drag just a little bit tight, so that when I get a bite, I can set the hook fairly hard. However, if I have a big fish, I’ll loosen the drag slightly when I’m fighting the bass. Another reason that many bass fishermen lose bass is because they’ll let the fish jump. When a fish is in the air, there’s slack in the line, and the bass can throw many of the lures it has in its mouth. To solve this problem, I use my boat. I learned many years ago that when a fish first takes the baits I need to have my trolling motor high to keep the bass away from the boat. When a bass swims underneath your boat and possibly jumps to the other side of your boat, you have very little control of it. When the bass is jumping, flipping and rolling right beside the boat, you also have little control over the fish. But if you use the boat to pull the fish away from the boat, then it can’t jump. You can play the bass down, and landing it is much easier. I like to drive the boat away from the fish, until I tire the bass out and then attempt to put it in the boat. This tactic makes sure I keep a tight line on the bass until I pick it up and put it in the boat. Although every professional angler uses different types of tackle and various strategies for the equipment he uses, this is what I use, the way I fish, and the way I’ve been successful.

アングラーの中には、ドラグがきつすぎたり、緩すぎたり、まったく気にしていない人がいます。ロッドを換えるたびに、キャストの前にドラグをチェックしましょう。ラインをつまんで引っ張るだけで、ドラグがどの程度きついか、緩んでいるかを確認できます。どの程度の強さでドラグが滑ってリールからラインが出ていくかを分かっておきたいためです。また、1日釣りをしていく中で、ドラグが不意に締まっていたり緩んだりしていないかを確認するために、ラインを自分で少し引っ張ります。ドラグを1日中チェックする習慣が身に付いてしまえば、ドラグのチェックは面倒なことではありません。ドラグをどの程度きつくまたは緩くするかについては科学的に決まっているものではありません。その場でチェックしてみて、想像通りのドラグ設定ができているかどうかを確認するだけです。私は通常、ドラグは少しきつめに設定します。これにより、バイトがあったときに強いフッキングができます。ただし、ビッグフィッシュが掛かった場合は、バスとのファイト中にドラグを少し緩めます。

バスアングラーがバスをバラすもう1つの理由は、バスをジャンプさせるためです。魚が空中にいるときは、ラインにたるみが発生し、バスは口の中にあるルアーを振り払うことができます。この問題を解決するために、私はボートを利用しています。何年も前に、バスがバイトしたらすぐに、バスをボートから遠ざけるためにエレキを踏む必要があることを学びました。バスがボートの下に入り、ボートの反対側でジャンプしようとしたら、それを防ぐはほぼ不可能です。バスがボートのすぐそばで興奮してジャンプや首振りをされたら、ほとんどコントロールできません。しかし、ボートを使ってバスをボートから引き離すと、ジャンプできません。バスをコントロールしやすくなり、ランディングまでが簡単になります。私はボートの遠くでバスとファイトするのが好きです。バスを疲れさせてからランディングします。これをするときは、バスをボートにランディングするまで、ラインをしっかり張っておくことです。

すべてのプロアングラーが、使用するタックルごとにさまざまな種類のルアーやさまざまな戦略を使用していますが、これが私の考えであり、そして成功している方法です。

【バスプロに学ぶ】リールギア比の使い分け&ドラグ設定
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ひと口にリールといっても、現代のバス釣りでは、その役割は糸を巻き取るということの中にも、ルアーをアクションさせて回収することと、釣れた魚を引き寄せるということが分けられて考えられていますし、ルアーをより遠くへ飛ばす役割もあったり、ラインを切らないようにする役割もあります。

その役割をさらに良くするために、巻き心地、ラインのねじれ防止、巻きムラをなくす、釣り人の痛みや疲れを減らすといった釣り人の快適さ、さらにそれらの品質を長く保つといったことまで求められています。

プロの経験とメーカーの技術力で私たち好みのリールが数多くラインナップされていますし、さらにそれを私たちの予算に合わせて選べるようになっている現代のリール事情ですので、私たちも色々と学んで、自分に合ったリールを見つけたいものですね。

ここ数年で、さらにリールが細分化されてきています。

数年前はギア比の違いというのがリール選びの基準といいますか目安として有効だったのですが、今はスプール径の違うリールが多くなってきましたので、今はハンドル1回転あたりの巻き取り長さで選んだほうがいいのかもしれません。

ギア比というのはハンドル一回転につきスプールが何周するかというものです(ハンドル1回転につきスプールが7周すればギア比7:1)が、スプール径が変わればラインの巻き取り量も変わってしまうため、同じギア比でもラインスラックを取る早さなどに違いが出てしまうためです。

スピニングリールはスプールでなく、まわりのローターがハンドル1回転あたり何周するかをギア比で表していますが、これもスプールの直径によって巻き取り長は変わりますので、メーカーによって、また商品によってギア比と巻き取り長には違いがありますので注意が必要です。

とはいえ、釣具店の店長としてはふさわしくないことを言いますが、私にとってちょっとのギア比やスプール径や巻き取り長の違いによって、正直それほど釣りは変わりません。

ですが、このオット・デフォーの解説のように3つぐらいに分けた大きなギア比の違いは感じることができます。

まだまだ私は最新の道具についていくのが精いっぱいの状態ですが、こういった情報をもとに、道具を正しく使いこなすことによって自分の釣りの精度を上げていければいいなと思います。

今は「良い道具」にあふれている時代です。

そんな中で必要なのは「自分に合った道具」であって、それは「自分が求めるものは何か」によりますからね、大事なのは自分と向き合い、自分を知ることではないでしょうか。

ちょっと最新の道具がよく分かってない人が負け惜しみの知ったかぶりで終わってしまったみたいな感じですみません(笑)

それではまた。

毎度ありがとうございます!