秋の水温とブラックバス(ラージマウスバス)の生態

秋の水温とブラックバス(ラージマウスバス)の生態

秋から冬にかけて水温が下がり続ける時期、バスはどんな風にして過ごしているのでしょうか。バスの生態を知り、バス釣りに役立てましょう

こんにちは!店長の小山です!

本日は海外サイトより、”How Water Temperatures Affect Largemouth Bass Behavior and Metabolism”という記事を引用してご紹介いたします。

引用先:bassfishing by p-roberts.com ”How Water Temperatures Affect Largemouth Bass Behavior and Metabolism”by Paul Roberts JANUARY 21, 2009

バス釣りをするにあたって、バスのことを知るのは大切なことです。

釣りがうまくいっている時はそれほど大切ではないかもしれません。釣れているなら思っている通りのその釣りを続けていてもいいと思います。

しかし、釣れない時期に釣れるようになりたい、またはもっと釣れるようになりたいと考えた時は、釣りのテクニックを学ぶと同時に、バスの生態について学ぶことでその願いがかなうかもしれません。

一般的に、ラージマウスバスは温帯性の魚であるため、水温が高い時は比較的釣りやすいものです。

しかし秋以降、水温が下がってくるにつれて、フォールターンオーバーですとか、バスが散ってしまうという話が聞かれるようになり、バスは釣りづらくなってくるのではないでしょうか。

この秋から冬の間、ラージマウスバスはどんな風に過ごしているのでしょうか。

そしてそれを知ることが、バス釣りにどんなヒントになるのでしょうか。

やっぱり気になりますよね。

この記事は、アメリカのYoutubeチャンネル「THE NATURE OF FISHING」を運営するポール・ロバーツ氏が自身のブログ内で書いた記事で、秋の水温変化に適応するバスの生態について書かれています。

彼については調べてもほとんど出てこないのですが、バスの生態とバス釣りの関係を知ることを強く勧めている方のようで、非常に勉強になります。

ぜひ読んでみてください。

水温とラージマウスバスの体温

引用文(タップすると開きます)

The body temperature of a largemouth bass is the same as the water where it lives. As a result, its metabolism and body chemistry change as water temperature changes. An abrupt decrease or increase in temperature of 8 degrees or more can cause internal chemical imbalances in fish. It’s important to realize that when largemouth bass experience changes in temperature, they may become inactive until their bodies can reach equilibrium at a new temperature. It may take largemouth bass several days to recover from a decline in temperature, whereas they can recuperate from an increase in temperature in only a few hours. Therefore, cold fronts have a greater impact on fishing than warm fronts.

Largemouth bass will instinctively move to warmer water when the water temperature is below 76° F and to colder water when above 86° F. A largemouth bass can detect changes in water temperature less than one half of a degree using its lateral line. In spite of this, bass will not normally search for locations that offer optimum temperatures if all of their basic needs are being met. Even though they are most likely to move to feed or avoid life-threatening conditions, no single factor is dominant enough to force bass to move away from satisfactory conditions in an effort to achieve optimum conditions.

Cooler water temperatures slow the metabolism of largemouth bass, which causes them to limit movement and eat less. Even though the metabolism of largemouth bass slows in cooler water, this does not mean that they cannot swim fast or aggressively strike a passing lure. However, smaller prey such as aquatic insects typically offer less resistance to capture, take less energy to digest, and are often targeted by largemouth bass when the water cools to around 50° F. Even at this temperature it may take between 4 and 7 days for a largemouth bass to digest a single meal. This strategy of consuming small prey items allows largemouth bass to expend less energy capturing and digesting food, which enables them to be more efficient in cold water.

At 39° F, which would occur mostly in northern latitudes where ice cover is possible, it is theorized that largemouth bass may only feed a couple of times per month during the winter, and each meal takes between 14 and 17 days to digest. Therefore, locations that consistently produce notable catches in late fall or early winter are likely to be where large aggregations of largemouth bass can be found until they “migrate" to spawning grounds in the spring. However, only a few will be caught on a daily basis due to their slow metabolic processes and feeding behavior in cold water.

Fish must use the energy from a single meal to meet several needs. Carnivorous fish, like largemouth bass, have an energy budget that differs from herbivorous fish such as grass carp. Approximately 20% of the energy gained from what largemouth bass eat is discarded as waste, 15% is used for activity or movement costs, 14% is applied for digestion, 7% is used for standard metabolic processes, and the remaining energy is split between growth and reproduction.

ラージマウスバスの体温は、そこに住んでいる水の温度と同じです。ということは、水温が変化すると、バスの代謝と生体の化学反応も変化します。 5℃以上の水温の急激な低下または上昇は、魚の内部の化学的 平衡失調(へいこうしっちょう=体のバランスが取れなくなること)を引き起こす可能性があります。ラージマウスバスの体温が変化するとき、その体が新しい温度に適応できるようになるまでは活性が低くなる可能性があることを理解することが重要です。ラージマウスバスは、温度の低下から回復するには数日かかる場合がありますが、温度の上昇についてはわずか数時間で回復できます。したがって寒冷前線のほうが、温暖前線よりも釣りに大きな影響を与えます。

ラージマウスバスは、水温が24℃を下回ると本能的に温かい水に移動し、30℃を超えると冷たい水に移動します。ラージマウスバスは、側線を使用して0.5℃未満の水温の変化を検出できます。それにも関わらず、基本的に居心地がいいと感じている場合は、最適な水温の場所を探したりはしません。たとえ餌を食べることか厳しくなったり、命にかかわる状態になったとしても、居心地がいいと感じた場所からなかなか遠くに動こうとはしません。

水温が低いと、ラージマウスバスの代謝は遅くなり、動きが制限され食べる量が減ります。ラージマウスバスの代謝は冷たい水では遅くなりますが、それは速く泳ぐことができない、または目の前を通るルアーに反応できないという意味ではありません。ただし、水生昆虫などの小さな餌は通常、食べられる時に抵抗されることが少ないため、フィーディングに消費するエネルギーが少ないことから、水温が10℃を切ってきた時のラージマウスバスの標的になることがよくあります。この水温の時、ラージマウスバスが1回の食事を消化するのに4〜7日かかります。この、小さな獲物を消費するという作戦により、ラージマウスバスはフィーディングから消化までのエネルギーをあまり消費せず、低水温下でもより効率的になります。

水面が氷に覆われる可能性のあるアメリカ北部で水温が4℃を切ってくると、冬の間のラージマウスバスは月に数回しか餌を摂ることができず、その食事が消化されるまでに14日から17日かかります。したがって、晩秋から初冬にコンスタントに釣果をあげられる場所は、春のスポーニングエリアに移動するまでのラージマウスバスの大きな群れがいる場所です。ただし、説明した通り代謝が遅いことや冷水でのフィーディングの行動により、日常的に釣れるのはごくわずかです。

バスは、1回の食事から得たエネルギーを必要に応じて振り分ける必要があります。ラージマウスバスのような肉食魚は、ソウギョのような草食魚とは異なるエネルギー収支を持っています。ラージマウスバスが食べるものから得られたエネルギーの約20%は無駄なものとして排泄され、15%は活動または運動コストに、14%は消化に、7%は代謝プロセスに、残りのエネルギーが成長や繁殖に割り振りされます。

秋から冬に変化する時のラージマウスバス

引用文(タップすると開きます)

One thing you must keep in mind when fishing transitional periods (drastic or seasonal changes in water temperature) is that largemouth bass are adapting to climatic changes. Accordingly, anglers must also adapt their fishing patterns and techniques if they expect to consistently find and catch largemouth bass.

It is key to pay careful attention to aquatic vegetation during the fall to winter transition in lakes. Observing the state of vegetation, whether heavy or sparse, green or brown, or deep versus shallow, is helpful in locating and catching largemouth bass. For example, aquatic plants become sparse in shallow water, which will cause largemouth bass to seek vegetation in deeper water on protected breaks and on inside bends near large flats. As winter approaches, all vegetation in the shallow portion of the lake has begun to turn brown and die. Occasionally, largemouth bass will cruise these areas on warm, sunny days, but, more often they are forced to hold on steeper drop-offs among rocks or stumps.

Another important factor to consider is wind direction and time of day. During the pre-turnover period, when largemouth bass tend to school and feed heavily on baitfish, anglers often target the windy banks because baitfish tend to be concentrated in these areas. However, on cool days in late fall or early winter, this may not be the best strategy. When there is a little “chop" on the water, light, and thus heat, do not penetrate the water’s surface to any considerable depth. As a result, areas affected by wind may become less attractive to largemouth bass. In areas that are as flat as glass on cool days, light, and subsequently heat, can stimulate inactive fish to feed more readily. Largemouth bass are typically more active during the middle or warmest part of the day in fall and winter. As a result, you may have success fishing for largemouth bass on large flats or in shallow coves adjacent to deeper water during the warmest part of most autumn days or during sudden warm spells.

As discussed above, water temperature directly affects the bodily functions and behavior of largemouth bass in many ways. When water temperature is actively changing, bass will adapt accordingly. For consistent fishing success, therefore, it is vital that anglers understand how and why bass behave as they do at various temperatures. It’s also very important to know, not only the water temperature at the time you are fishing, but also the temperature trend in the days preceding your trip. Doing your homework on water temperature definitely increases fishing success.

水温の急激な変化または季節的な変化の時期に釣りをするときに注意しなければならないことの1つは、ラージマウスバスは気候の変化に適応しているということです。したがってアングラーも、絶えずバスを釣ろうとした場合は釣りのパターンやテクニックをそれに適応させる必要があります。

湖で秋から冬へ移行している時は、ウィードに注意を払うことが重要です。ラージマウスバスを見つけて釣るには、シャローかディープか、緑か茶色か、濃いか薄いかにかかわらず、ウィードの状態を観察することが役立ちます。たとえば、この時期はシャローのウィードがまばらになってしまうため、大きなフラットエリアが岸に寄ってきたところなどにあるまだウイードが保護されているブレイクのディープ側を探します。冬が近づくと、湖のシャローにあるすべてのウィードは茶色に変わり、枯れ始めてきます。時々ラージマウスバスは暖かい晴れた日にこれらのエリアを回遊しますが、ほとんどの時間を、急なブレイクの途中にある岩やスタンプの間にいることを余儀なくされます。

考慮すべきもう1つの重要な要素は、風向きと時間帯です。フォールターンオーバーが起こる前、ラージマウスバスが群れをなしてベイトフィッシュを大量に食べている傾向があれば、風の強く当たるバンクを狙います。ベイトフィッシュはこれらのエリアに集中する傾向があるからです。しかし、晩秋や初冬の寒くなってきたときは、これは最善の戦略ではないかもしれません。水面に少しのさざ波があるだけで、光、つまり熱は、水面下には届きません。結果として、風の影響を受けるエリアはラージマウスバスにとって魅力的ではなくなる可能性があります。寒い日にはガラスのような水面の場所で、光による熱により、低活性なバスも餌を食べる気にさせることができます。ラージマウスバスは通常、秋から冬にかけては日中またはその日に最も暖かいときにより活発になります。ということは、晩秋からは暖かい時間帯や突然の暖かくなったタミングで、ディープが隣接する大きなフラットエリアや浅いワンド内でラージマウスバスがよく釣れる場合があります。

このように、水温はさまざまな要因でラージマウスバスの身体的な機能と行動に直接影響します。水温が大きく変化すると、バスもそれに応じて適応します。したがって、釣りをコンスタントに成功させるには、アングラーがさまざまな水温で、バスがどのように、そしてなぜそのように振る舞うかを理解することが重要です。また、釣りをしているときの水温だけでなく、釣行前の数日間の気温の傾向を知ることも非常に重要です。家で水温のことを考えることは、釣りの成功を確実に高めます。

秋の水温とブラックバス(ラージマウスバス)の生態

秋から冬にかけては、水温をこまめに測ることが重要なんですね。

そして、今だ!というタイミングでそのような場所(小さなワンドやフラットエリア)で釣りをすることだそうです。

バスの気持ちが分かると、そういった釣れる釣り方というのも理解しやすいものですよね。

さて、このポール・ロバーツという方、気になってどんな方なのか調べてみたのですが、いまひとつ何者なのか分かりません。

多分ですが、生物学者かアウトドアカメラマン兼ライターなのだと思います。そして、バス釣りがめっぽう好きなようです。

彼のユーチューブチャンネルを見ましたが、大変美しく興味深い映像をたくさんアップしていますので、興味がある方はぜひ覗いてみてください。

彼のチャンネル紹介の動画がこちらになります(限定公開の動画を見つけてしまいました)。

こんな美しいバスの映像とバスフィッシングを組み合わせた彼のチャンネルはこちらです

https://www.youtube.com/channel/UCata79WFUPYPDG33LrC57Wg/

すべて英語ですのでなかなかハードルが高く分かりづらいのですが、釣り人ならなんとなく理解できるような気がします(笑)

こういうのを見ると寒くても釣りに行きたくなってしまうんですよね。

そんな時はこの記事を思い出してみてくださいね。

それではまた。

毎度ありがとうございます!