サイトフィッシングで釣る、秋の見えバス
春のスポーニングベッドのサイトとは違い、秋の見えバスはいわゆる「天才系バス」のことが多く、非常に釣りにくいとされています。しかしもうずっと昔から、そんな天才系を相手にしているアングラーはいるものです。そんなアングラーから、釣り方を学んでみましょう。
こんにちは!店長の小山です!
本日は海外サイトより、”Sight fishing in the fall”という記事を引用してご紹介いたします。
引用先:bassmaster.com ”Sight fishing in the fall”by Brandon Card ,October 17, 2011
ここ数年、サイトフィッシングのルアーや技術が見直される流れが起きているような気がします。
これはスポーニングベッドのサイトではなく、例えばハイプレッシャーレイクやダム湖上流の捕食モードにあるバスやボーっと浮いているバスを食わせるテクニックのことです。
よく言われる「天才系バス」に対する攻略法という感じでしょうか。
以前まではその天才君を相手にするのは至難の業とされ、大物を目の前にしてくちびるを噛むことが当たり前だったものが、ここ数年でその天才君に口を使わせるためのルアーやテクニックが生まれています。
たとえば、スピナベサイトだったり、沈み虫だったり、マイクロワームのちょうちん釣りなどがそれにあたります。
これはサイトフィッシングに限ったことではないのですが、バス釣りの細分化がもたらした進化のひとつで、これまでローカルテクニックを使いこなすローカルアングラーだけが恩恵を受けていたものや、かなり限定されたシチュエーションでの釣りに特化させて生まれたルアーやテクニックなど、今のバス釣り業界では非常に狭いニーズに対する商品が受け入れられ、それを効果的に、またはアレンジして扱うことができる一般アングラーもどんどん増えているということなんですね。
時代とともにアングラーは変化し、またビジネスも移り変わるもので、30年前のバスバブルのころはメーカーはルアーを作ればアングラーの最小公倍数的に売れたものが、不況になることで何でもかんでもは売れなくなったため、アングラーのニーズの最大公約数を求めた、なるべく誰にも共通するニーズの多いルアーを販売するようになり、それが今や、アングラーのより細かいニーズにのみ対応する素数的なルアーでも作っては売ってみるような時代になっているんですね。
しかし、天才系のバスはその30年前から変わらず存在しています。
情報が外に出にくかったひと昔前は、シチュエーションが限定されたいわゆるシークレットテクニックのようなものが成立していましたので、天才系バスを仕留めるテクニックやルアーなどは一部のひとたちだけで共有されていたものの、実際にそれは可能だったということです。
この10年で、情報は隠せない時代になり、これまでシークレットだったものが表に出て、むしろそれをプロモーションとしてルアーを売る動きになり、そのひとつとしてこの「天才系見えバスを釣る」という流れに辿り着いているのでしょう。
では、肝心なその具体的な秋の見えバス攻略としては、どんなものがあるのでしょうか。
この記事は、アメリカのB.A.S.S.バスマスター公式サイトのコラム記事で、エリートプロのブランドン・カード氏が、秋の見えバスのサイトフィッシングについて解説してくれています。
これは2011年の記事でやや古いものですが、本場アメリカでもこのころから非常に狭いニーズを満たす攻略記事も増えてきているんですよね。
秋の天才系バスを釣るひとつの手段です。ぜひ参考にしましょう。
秋のサイトフィッシング
私は、シャローの釣りが大好きで、クリアウォーターでの釣りが大好きです。この2つが組み合わさったとき、それはサイトフィッシングの出番となります。クリアウォーターレイクで、水温が15℃を超えている場合は、常にシャローでビッグバスを探しています。サイトフィッシングというのはスポーニング時期の数週間だけのテクニックではありません。1年のうち8か月間は使用できるかなり実践的なテクニックです。
私はノリスレイクに住んでおり、テネシー州で最も美しい湖の1つと考えています。少し目を凝らしてシャローエリアを見るだけで、子供でも目に見えるバスをどうやって釣るかについて独学で学んできました。
おかげで私は、サイトフィッシングのさまざまな戦略を持っています。それには、スポーニングベッドの釣り、スポーニング前後の回遊バス、漁港のサイトフィッシング、ギルネストパターンのサイトなどがありますが、私のお気に入りの1つは秋のサイトフィッシングです。
秋のサイトフィッシングは、全国の多くのクリアレイクで使用できるパターンです。これは通常、水温が21℃くらいまで下がってから15℃以下になるまで続きます。テネシー州では通常、9月の中旬か下旬から10月末までがこれにあたります。
秋にバスがシャローに上がるのは皆さんもご存知の通りで、クリアリザーバーではクリークアームの上流でバイブレーションやスクエアビルクランクで非常にイージーに釣れる時期です。ただしクリアレイクですので、言うほどイージーというわけではなく、慎重にやらなければならないでしょう。「どこでバスが見えるか」を知っている必要があるのです。
バスはすべて同じような本能を持っており、ほとんどの場合、多くの湖で同じような行動を起こします。シャローを回遊するシャッドやその他のベイトフィッシュを食べるために、秋のバスはシャローへ移動します。そしてバスは常に獲物を待ち伏せする方法を模索します。濁りがあるフィールドでは、濁った水そのものが待ち伏せに役立ちます。しかし、クリアレイクでは、バスは別の方法で自分をカモフラージュします。
その場合の待ち伏せスポットはおそらく、木、ブッシュ、ドック(ボートを係留するための沖桟橋・浮桟橋的なもの)です。私が釣りをする多くのクリアリザーバーでは秋になると水位が下がるので、バンクにある木やブッシュはだいたい水面から出てしまい、乾いてしまいますので、バンクに残る有効なカバーとなるのは、ドックということになります。
私の秋のサイトフィッシングのパターンは、基本的には1日にできる限り多くのドックを撃っていくことです。このパターンのカギとなるのは、ドックへ渡る通路です。秋になると、バスはできるだけシャローに着こうとします。この通路はドック全体の最も浅い部分であり、待ち伏せスポットとしてより完璧となるシェードもあります。
静かにドックに近づきます。できる限り遠くから通路の下を見ます。キャストする前に確認することは非常に重要であり、それによってバスがどのように着いているかを確認します。通常はバスがどちらを向いているのかを確認します。ルアーをスキッピングさせる動きを見られたくないので、バスは自分と反対の方向を向いている方が良いです。バスは通常水深30~60センチ以内にいます。ですから、ルアーをバスの目の前に着水させてしまうとバスを驚かせてしまいます。バスが自分の方を向いているようなら、移動して桟橋の反対側からキャストします。
スキッピングは、ロープや桟橋の下をくぐらせるために必要です。ズーム・トリックワーム(ストレートワーム)のウォーターメロンカラーは、このテクニックで私のお気に入りのワームで、私は次の2つの方法のどちらかで釣ります。1/ 8オンスのシェイキーヘッド、またはノーシンカーワッキーです。これをスピニングの8ポンドのフロロカーボンで釣ります。
先日もノリスレイクで素晴らしい一日を過ごしました。ビッグバスがシャローにたくさんいました。ナイスなバスをかなり釣ったのですが、実は、おそらく釣ったバスの2倍は見えていました。これはサイトフィッシングをする方には分かると思うのですが、見えバスは釣るのが難しいということです。
見えバスは気難しく賢いのですが、私たちがやることは、彼らの裏をかくことです。そんなの「言うは易く行うは難しだろ!」なんて言わないでください。バスの脳はせいぜいエンドウ豆くらいの大きさしかないことを思い出してください。
ということで、この秋はフィールドに出て、目を皿のようにしてみましょう。気楽にやってみることで、思わぬサプライズが待っているはずです。
夢を追いかけることを忘れないでください!
秋の見えバスといっても条件は様々、地方によってずいぶん差があるものですが、この記事のありがたいところは、水温が下がって21℃から15℃以下になるところまでと限定されていることです。
これはどの地方に住む方にも具体的な指標になりますから、水温に注目して、21℃から15℃の範囲にあるときは、シャローの見えバスに注目してみましょう。
ただ、アメリカのリザーバーと日本のリザーバーはずいぶんと違いがあり、日本のリザーバーにはこの記事のようにイメージできるほど多くの桟橋はないと思います。
その代わり日本のリザーバーは減水したとしても、大岩やスタンプなどのカバーや、護岸跡や橋脚跡といったマンメイドストラクチャーが豊富なのではないでしょうか。
減水したリザーバーはバンクのオーバーハングやブッシュがなくなるため、岩肌が露出したところにあるこういった目に見えて分かりやすい数少ないカバーにバスが集中する傾向があるかと思います。
こういったバスはフィッシングプレッシャーによりますます天才化している傾向はあるのかもしれませんが、記事にあった通り、いかに遠くから発見するか、静かに近づけるか、そしてバスを観察し、バスの向きを見て、いかに裏をかく釣りをするかで勝負になるんですね。
私なんかはサイトフィッシングの経験が浅いものですから、デカい見えバスに翻弄されて結局釣ることができず、かなりの時間を無駄にしてしまう感じになってしまうのですが、本当のところは全く無駄な時間ではないと思います。
そういった経験を繰り返すことで、対策を練り直すことができるからです。
私は誰かと勝負しているわけではなく、バスと向き合っているだけですので、すぐに結果は出なくとも、こういう過程を大事にしつつ、楽しんでいこうと思っています。
これまでオーバーハングだらけだったリザーバーは減水し、釣り人も減っているため、釣りはしやすくなっているはず。
こんなときはサイトフィッシング上達のチャンスととらえて、ぜひフィールドへ出掛けようではありませんか!
それではまた。
毎度ありがとうございます!