スポンサードを受けるアングラー(バスプロ)になるには
こんにちは!店長の小山です!
皆さんは、プロのバスアングラーになりたいと思ったことはあるでしょうか。
私は、もちろんあります。でもその希望はかないませんでした。なぜでしょうか。まあ私がプロになれなかった理由はたくさんありますが、それをここで書き連ねるより、バスプロになりたいという夢を持つアングラーのためになることを自分なりに少し書いていきたいと思います。
このブログの内容には根拠はありませんが、私も以前は小さな会社の社長をした経験と現在の釣具店の経営者という視点から、釣りに関する企業や業者さん、プロのアングラーさんと接してきて感じてきたことを噛み砕いて書かせてもらいましたので、根拠はなくとも読んで損もないかと思います。
バスプロとは?
バスプロとはそもそもなんなのか。
プロの王道と言えばアメリカのトーナメントを通じて賞金を稼ぎ、その賞金で生活する、トーナメントプロのことを言います。ちなみにアメリカでの一つの試合の優勝賞金はだいたい3,000万円から5,000万円にもなりますので、年間2勝~3勝すれば億という金額も稼げることになります。
また、釣具のメーカーなどに所属し、テレビや雑誌などのメディアに出てそのメーカーの商品でバスを釣ればその商品の売り上げに影響するような宣伝効果の高い人をメディアプロと言い、メーカーからの給料で生活するというのもプロと言えます。
日本にもプロのトーナメントがあり、賞金も出ますが、日本の場合は賞金だけで生活するには厳しいようですし、さらに日本もアメリカも、トーナメントを転々とするには参加費用や移動費、ボートの管理費などあらゆる莫大な費用が掛かり、その費用は自己負担となります。
そこで必要となるのがメーカーのスポンサード(資金援助)。
必要なタックル類やかかる経費の一部もしくは全額をメーカーが負担するというもの。これはトーナメントプロもメディアプロも必ず必要になることで、メーカーからのスポンサードを受けていることがバスプロの条件のひとつと言っていいかもしれません。
このように、バスプロには大きく分けてトーナメントプロとメディアプロの2種類がありますが、
今回は「メディアプロとしてスポンサードを受けるには」ということを題材にしています。
メーカーさんから声が掛かるようになるきっかけは?
インターネットが普及する前は、トーナメントでいい結果を出すことが最大のチャンスだったと思います。
そこでメーカーから声が掛かり、製品を開発したり、宣伝効果を高めたりする役割を担っていました。
メディアプロは、雑誌などの編集者などが情報を集め、よく釣る人を探し出し、キャラクターなどを見て、取材の対象となり、いずれメーカーからお呼びがかかるというスタイルがあったと思います。
現在はSNSなどの発展により、メーカーさん側の視点に立った場合の情報収集はしやすくなりました。
では、希望すれば誰もがバスプロになりやすくなったでしょうか。
答えは「ノー」ですよね。
景気などに左右されてたり、バスブームが去って市場が縮小されているとかいう背景もありますが、そういうことが理由なのではなく、誰もが入手できる情報量が多くなった分、誰もが肩を並べやすくなったことで、結局メーカーさんも人材を探すのに苦労するのです。
むしろ、景気が悪くなったり、市場が縮小している背景があるからこそ、本当は宣伝効果の高い人材をどのメーカーも望んでいるにもかかわらず、だと思います。
今も昔も、多くの人間の中から、これ!といった人材を探し出す苦労は変わらないのですね。
メディアプロを目指す方のなかで、ツイッターに釣果を上げ続けていたり、ユーチューブに動画をアップし続けている方もいますが、それだけの人は今やもう山ほどいるので、実は雑誌編集者さんやメーカーさんはそんな人のことは気にもかけていません。
SNSなどに釣果をアップし続けて、メーカーさんから声が掛かるのを待っているだけでは足りないということですね。
それでは、待っているだけではない、攻めの姿勢をいくつか考えてみます。
ブログ、SNSは第三者視点で作る
たった今ツイッターやユーチューブの可能性を否定したばかりのようにも思えますが、違いますよ?
しかし、ただ釣果をアップするだけ、動画をアップするだけでは厳しいと思います。かといって、面白おかしく作ろうと思っても難しいですし、無理してしまってはかえって逆効果かもしれません。
メーカーさんは面白おかしい人を探しているのではなく、強いハートにしっかりとした自分を持っていて、ネットリテラシーやモラルのある人。その上に、釣りの知識や技術を持っている人を求めていると思います。
例えばいつも行く釣り場でたくさんのデカバスを釣っていることよりも、ひとつのルアーにこだわり続けてデカバス1本釣るまでの物語の方が、メーカーさん側としては興味深いでしょう。
そんな風に何かのテーマやノルマを課して、それに対する取り組みや過程と結果を見せていくことが必要かと思います。
そのなかに道具や魚の扱い方のシーンがあったり、地元アングラーさんとの情報交換のシーンがあったりすることで、歩き方や話し方などの細かいところまで、あなたのことが見えてきます。
この次の項目で書きますが、メーカーさんは人材を求めており、あなたがどんな人か知りたがっているのです。せっかくアップするのなら、常に第三者視点を持って取り組むことで他の人との違いを出せると思います。
履歴書を作る
履歴書は、自分の夢を叶えるためのツールとして作りましょう。漠然と「プロになりたい」と思っているのではなく、具体的に何を成し遂げるのかを決めておくことです。それを文字に起こし、書類としてまとめておくことで、自分自身のキャラが立っていきます。
また、メーカーの人と釣り場でバッタリ会わないとも限りません。いざという時のために履歴書を持ち歩くこともいいかもしれません。メーカーに郵送したっていいんです。
さて、履歴書に必要な事項としては、
- 住所・名前・年齢・電話番号・家族構成・メールアドレスなどのパーソナルデータ
- ホームページやブログがあればページ名とURL、SNSのアカウント名、ユーチューブのチャンネル名など
- 定期的に掲載されているウェブサイトや新聞や雑誌の記事があればそのデータ
- メディアに取り上げられたことがあればそのデータ
- 現在行っている活動(所属チーム・クラブ・サークル・ボランティア・宗教など)
- 職歴、現在の職業と役職等(アフィリエイト収入があればその内容)
- 学歴、専攻や得意学科
- 資格・検定
- 前年の釣り成績(トーナメント含む)
- 過去の釣り実績(トーナメント含む)
- 今年の釣り目標(トーナメント含む)
- スポンサーさんのためにどういった役に立てるかという計画と説明
- 製品を宣伝する新しいアイデア
- 自分がバス釣りをしているいい感じの写真数枚
最低でもこういったことが必要だと思います。きれいに読みやすく作り上げましょう。ウソや見栄や誇大表現などはあとで大変なことになるので絶対にやめましょう。
また、やってはいけないこととして、
- 自分こそ最高のアングラーなアピール
- 特定のメーカー愛があり過ぎることのアピール
- あるメーカーやプロの批判・評論
- 自分ができる(範囲の)ことを書くだけ
- 釣果自慢
こういったことは望ましくありません。
履歴書は、スポンサー側はこの人を助けたいと思い、あなたはスポンサーさんや釣り業界の役に立ちたいという思いを繋げるものですので、あなたの過去のトーナメントの成績や、釣り人として偉大な思想やモラルの持ち主であることをアピールするよりも、スポンサーのためにどんなことに役立ち、メーカーや製品の宣伝効果にどれだけ貢献できるかを計画してください。
先ほども申した通り、メーカーさんは人材を求めています。あなたがどんな人かわかるような、最高の写真を数枚用意しておいてください。
どれも人まねではだめです。あなたという人が他の人とどんなところが違うのかという違いが出せれば出せるほど、チャンスは広がります。
トーナメントを手伝う
JB TOP50でも、JB/NBCでも、ボランティアさんの協力があると非常に助かるはずです。
そしてそういう場には運営さんのほかに、プロのアングラーさんやメーカーさんなどが来ていることもあります。
ボランティアで全国を回ることは難しいのですが、地元の大会だけでも積極的に手伝っていけば、メディアには出ない情報を知ることができる可能性があり、釣りの技術向上になるほか、トーナメンターさんや関係者と仲良くなる可能性があります。
関係者さんと顔見知りになったり仲良くなったりできるということは、あなたの人柄と情熱が相手に伝わっていることを意味します。
なんならスポンサードを受けているプロに直接どうしたらいいかを聞けば、良い回答をもらうこともできるかもしれません。
また、先に挙げた履歴書に記入するネタのひとつにもなります。
フィッシングセミナー、フィッシングショーを手伝う
これもトーナメントと同じくボランティアです。
年に1回のフィッシングショーで名前や顔を覚えられるのはかなり難しいかもしれませんが、だれもが給料の支給を望む中、ボランティアで手伝うという情熱は伝わると思います。
主催者の方に連絡してもいいですし、参加メーカーに片っ端から電話してボランティアの申し出をしてみるのもいいかもしれません。
駐車場の整理、行列の整理、資材や機材の運搬、トイレ掃除、その他の雑務…どんな役割が与えられるかはわかりませんが、やっていれば必ず各メーカーの営業部、人事部などの人と会うことがあるはずです。
履歴書を渡すなら他の人よりはるかに良い状況で渡せるはずです。
最後は情熱
いかがでしたでしょうか。
プロというと職人っぽいイメージがありますが、バス釣りのメディアプロに関してはエンターテイメント的な意味合いの方が強いのかもしれません。そういうことなら、必要なのは、主観でものを語るのではなく、客観的に自分を見られること。
具体的には、業界のため、メーカーのため、製品のため、見ている人のために自分がどう関わって役に立つことができるのかという視点と行動が必要で、それを言葉でしっかり表現できることですかね。
そしてそれをこの先10年、20年と続けていける情熱があることです。
まとめると、履歴書で自分の目標やキャラを理解することでブログやSNSなどでもそういうことがにじみ出てくるようになれば、他のアングラーとの差別化になり、ボランティアで大きなイベントの運営にかかわることで関係者との接点ができ、さらにそれを履歴書上に書くことができるという作戦ですね。
メディアに出る以上、人柄という部分も見過ごすわけにもいきませんが、そのあたりは自分自身で自分を変えることですので、夢を持つ皆さんにお任せしたいと思います。
SNSなどで正々堂々と顔を出し「将来はバスプロになりたい」と宣言する立派な若者たちに刺激を受けたので、こんな記事を書かせていただきました。
ほんの小さな内容になりますが、このブログの内容が少しでも夢を持つ方々の手引きになれば幸いです。
メーカーはあなたからのオファーを待っているかもしれませんよ!
私自身もささやかながら釣り業界に携わる人間として、精進したいと思います。
それでは、また。
毎度ありがとうございます!