スポーニングと月(大潮)について

2018年2月15日

スポーニングと月(大潮)について

Photo by bassmaster.com

こんにちは!店長の小山です!

本日は海外サイトより、”Nature has a process”という記事を引用してご紹介いたします。

引用先:bassmaster.com”Nature has a process”by Ish Monroe January 31, 2018(海外サイトです)

 

動物には本能的に、種の繁栄のため子孫を残すという回路が備わっているようです。

人間の場合は、回路という言葉で片付けるにはちょっとまた違うような感覚があるかもしれませんので、ここでは含めないでおくことにします。

野生の動物界は人間でいうところの弱肉強食ですとか食物連鎖などという言葉で表現される通り、食うか食われるかという人生を送っています。

常に、「食わなければ」また「食われないか」という危機感の中で生きている世界に子孫を残さなければならないわけですから、その出産過程にもその種ごとに様々なリスクマネジメントがされます。

種に限らず、生物全体のリスクマネジメントのひとつに「全員一緒に産まない」という考えがあります。全員一緒によーいドンで産もうとすると、そこで一網打尽にされた場合自分たちの種が全滅してしまう可能性が上がってしまうためです。これについてはただ単に個体差という言葉で片付けても別に問題はありません。結果としては同じだと思います。

それにしても、多くの動物たちにとって春という季節が繁殖期になるというのもよくできているもので、強者も弱者も同じ時期に産んでいれば、ある一種だけが残ってしまような事態も避けられそうな気がしますし、あえて繁殖期をずらしている種がいることも、食物連鎖のピラミッドそのものがなくなってしまわないよう、うまいことできているような気がします。(この考えは生物学的な自分個人の考えで、他の観点からすると良くないものかもしれません。もし私の考えや言い方で不快に思われる方がいらっしゃいましたら申し訳ありません)

 

さてこの記事は、アメリカB.A.S.Sのエリートプロ、イッシュ・モンローが、バスの産卵と月について、バスマスターサイトにて自身の考えを共有してくれました。

よく言われている、スポーニングと満月の関係についてです。色々な意見が聞かれる話題ではありますが、イッシュモンローはどう捉えているのでしょうか。ぜひ参考にしてみたいものです。

 

 気になるところだけ読んでもOKです 

Nature has a process(自然の持つプロセス)

We’re headed into the spawn in many parts of our country. That means you’re going to be hearing a lot of talk about the moon. Most of it will center on the full moon and its importance. There’s no doubt that a full moon is a factor in the spawn, but it’s nowhere near the most important factor.

That’s why I say that most of what you hear about the moon phase and the spawn is nonsense at worst and exaggerated at best.

A full moon will not overpower horrible weather and water conditions. Cloudy, overcast days, fluctuating water levels and water temperatures that aren’t to a bass’ liking will keep her off the beds, and I don’t care how big and bright the moon is or how perfect a circle it makes in the sky.

When it’s warm and sunny with a stable water level most of the bass will move towards the beds regardless of the moon’s phase. The physical process that moves egg development forward depends more on time than on anything else. It’s a kind of pregnancy.

And never forget something else: Bass are individuals. There is no such thing as the “perfect” spawning temperature. Some of the bigger females will start to move shallow in water as cold as 55 degrees. Some doesn’t mean all, however. Most bass are more comfortable in the middle to high 60 degree range. But, no two fish are the same so those temperatures will vary from one bass to another.

It’s an easy concept if you think about it from a human point of view. There are people who love living in northern Canada. They live for snow and ice. For those people a perfect temperature might be 25 or 30 degrees. Others think that anything under 70 degrees is pure misery. They shiver at the very thought of snow.

Bass don’t have a choice when it comes to where they live. It’s live where they are or die. However, some things still suit them better than others. Temperature is one of those things even if it isn’t as extreme as those in the human example I just used.

I’m not saying that a full moon is totally unimportant. It isn’t. If all the other conditions are right the moon going full will be a bonus, something that helps the process along. What it won’t be is a controlling factor. Planning a fishing trip based on it doesn’t make sense unless it’s a week away and you know what’s going to happen with the other factors.

Another thing to keep in mind about a full moon is that it makes it harder to catch the bass that aren’t on the beds if you’re fishing during the day. Bass dislike harsh light for the most part. When the moon is full there’s enough soft light for them to see and feed at night. That tends to slow down the daylight feed which slows down the daylight bite.

If you’re looking for a giant bedding bass this spring, you’ll be better off to worry more about the weather and the water and less about the moon. Nature has a process. You can’t outthink it.

国内各地で、これからスポーニングに向かって行きます。この時期は、月について多くの話を耳にするようになりますが、そのほとんどは満月との関係性に集中します。満月が産卵の要因になることは間違いありませんが、それが最も重要であるとは思いません。

そんなわけで、私が良く聞く月の満ち欠けについてのことのほとんどが、最悪の言い方をすればナンセンスで、誇張されているとすら思っています。

満月は悪天候や水質に勝るほどの力は持っていません。濁り、曇りの日、水位や水温が変動することにバスは敏感なので、ベッドから離れることになります。ですから、私は空にどんなに大きくて明るい、またはどんなにまん丸い月があろうとも、気にはしません。

晴れて暖かくなり水位も安定してくると、多くのバスは月の満ち欠けにかかわらずベッドの方に移動します。卵の発育を進める自然現象は、なにより時間に依存されるものです。妊娠とはそういうものです。

しかし、他の要因も忘れるわけにはいきません。バスは「個」です。 完璧な産卵水温などというものはありません。大きなメスの多くは、12.7℃くらいの冷たい水のなかでもシャローへ動き始めます。しかし、これは一部でありすべてを意味するわけではありません。ほとんどのバスは18℃から20℃の範囲をより快適としています。しかし、2匹として同じ魚はいませんので、その温度はバスごとに異なります。

人間の視点から考えると簡単な話です。カナダのような北部に住むのが好きな人がいます。彼らは雪や氷に命がけです。それらの人々にとっては、最適な温度は-3℃から-1℃なのかもしれません。 一方で、20℃を切るともう苦痛に感じる人もいます。そういう人は雪でも降るのではと考えて震えます。

バスは自分たちが住むところについて決めることはできません。彼らは生きるか死ぬかなのです。そこが彼らにとっていくらか他の場所よりも快適か、都合がいいかだけのことです。温度については、私がいま使った人間の例ほど極端ではないとしても、似たようなものです。

私は満月が全く重要でないと言っているわけではありません。そうではなく、他のすべての条件が噛みあったとき、満月はボーナス要素としてプロセスを進める要因のひとつとなる程度のものです。それに支配されるものではありません。満月を狙って釣り旅行を計画することは、1週間も離れていない限り、他の要因でも起きるということを知っていなければ理にかなうものではありません。

満月のときに釣りをすることについてもうひとつ覚えておくべきことは、日中に釣りをする場合、ネスト以外のバスは釣りづらくなるということです。バスはほとんどの場合、厳しい光を嫌います。満月になると、夜でも目で見て食べるのに弱いながら充分な光があります。これにより日中のフィーディングが減り、日中のバイトを減少させる傾向があります。

この春、スポーニングに絡む巨大なバスを探すのであれば、月に関することだけでなく、天気や水についてももっと考えたほうがいいでしょう。自然にはプロセスというものがあります。人間がそれをどうこうすることはできません。


 

いかがでしたか。

本文中には大きなメスのバスがスポーニングに向かう水温について書かれていますが、冬でも温暖なカリフォルニアの海岸近くを拠点とするイッシュモンローの場合の話として、12.7℃は冷たい水だと表現していますが、この温度についても絶対的な水温として考えるのではなく、地域によって違うという風に覚えておいた方がいいかと思います。

人間は古来から太陽や月を神様に見立ててみたりしていますし、実際に農業や漁業においても昔から大変な役割を担っていますし、現代においても皆既日食や月食のあるたびに外へ出て太陽や月を見上げるという色んな意味で人間とは切っても切れない関係ですが、私たちバスアングラーにとっても、普段は気にしていなくても、この時期は特にカレンダーの月齢を気にされる方が増えるのではないかと思います。

それこそがバスフィッシングの醍醐味で、水、地形、温度など様々な角度からバスの居場所を考えて自分の狙い通りの魚を釣ること。春はここに月という要素が加わって、狙いがより複雑になったり、あるいは単純になったり、それによってさらに楽しくなったりもすることも手伝って、春がいちばん好きという方は多いのではないでしょうか。

今年もそんな季節がやって来ましたね。

 

私もこの時期はいつも週間天気予報と月齢カレンダーとにらめっこして、良さそうな日と休みが重ならないかなあと思っています(笑)

 

今年は良い日に当たりますように。

 

それでは、また。

 

毎度ありがとうございます!