ケビン・バンダム:ルアー制作の話

ケビン・バンダム:ルアー制作の話

Photo by bassmaster.com

こんにちは!店長の小山です!

本日は海外サイトより、”What lure creation involves”という記事を引用してご紹介いたします。

引用先:bassmaster.com”What lure creation involves”by Kevin VanDam December 8, 2017(海外サイトです)

 

アメリカバスマスター、エリートシリーズに参戦しているケビンバンダムという人をご存知の方は多いかと思います。

B.A.S.S.のクラッシクで4度の優勝を果たし、生涯獲得賞金も7億を超えたまさにアメリカンドリーム、現役バスアングラーにして生ける伝説となったと言っても過言ではない名選手ではないでしょうか。

そんな彼が、バスマスターのサイトにこのルアー制作に関するコラムを投稿しました。

日本でもバスプロさん方や、メーカーさんでも経営や制作や営業などそれぞれの側面からルアー開発に関する秘話などを時々出してくださいますので、どんな苦労があるかについては熱心なファンの方にはもうすでに知るところかと思います。

 

では、アメリカのルアー制作についてはどうでしょうか。

話はちょっとそれますが、ご存知の方も多いかと思いますが先日、ケビンバンダム氏がスポンサーを受けるアメリカのルアーメーカー、ストライクキング社がピークロックキャピタル社(アウトドアブランドのLew’s)に買収されました。意外なことだったのでちょっと驚きました。

このことで、「ストライクキング大丈夫なの?」と思っているアメリカのアングラーさんにケビンバンダム氏が向けた「大丈夫だよ」というメッセージを記事にしたようにも受け取れます。

まあこれは余計な勘繰りかもしれませんが(笑)、単純にアメリカではルアー制作にどんな裏話があるのか、気になる方はどうぞ読んでみて下さい。

 

 気になるところだけ読んでもOKです 

ルアー制作について

One of the many factors I’ve enjoyed about my relationship with Strike King is my involvement in lure design that I use every day to catch fish.

Company personnel are all serious anglers but they know the importance of using the pros’ knowledge in every step of lure development. The pro staff is deeply involved in lure creation, and we all work as a team to create baits that help us be successful on the competitive circuit. We not only have a say in the design of baits but new colors that are introduced.

I’ve been fortunate to be involved in development of some incredible baits. Good examples are the KVD 1.5 Square Bill crankbait and the Red Eye Shad, each of which helped me win back-to-back Bassmaster Classics.

In fact, it’s no coincidence that some of the baits that the company releases in early spring are introduced at the Bassmaster Classic and targeted to match the conditions and enhance our chances for success at that Classic. We currently have some new stuff in the hopper with next year’s Lake Hartwell Classic in mind.

Designing and creating new baits requires a lot of forethought and planning. I don’t think you will find another company that invests as much time, money and resources in lure development.

Some baits, like jigs, spinnerbaits and some soft plastics are easier and can come quickly. In those cases, it’s about creating sizes, heads and shapes and adding proper and quality components.

Soft plastics can be a little more time consuming because Strike King doesn’t use the same formula for softness and salt content in every bait.

Some of the Strike King lures you are using today took as much as two years to perfect. Not every company does that.

For example, we try to come up with the plastic formula and proper salt content that produces an appropriate action in a soft bait that makes it more appealing to fish. If you get too much, it adds weight and stiffness to the bait. For instance, the Ocho, a soft stick bait, is poured with the “Perfect Plastic” combination that is very soft yet has a high salt content and gives it a good sink rate yet affords the subtle shimmy and action that makes bass bite it. Baits like the Dream Shot and Half Shell are made with softer material that produces the right amount of natural action needed when drop-shotting.

Hard baits are more difficult, expensive and time consuming. Modern technology has improved the prototyping we do in hard baits, but it’s still a long procedure to get a production model of a crankbait to perform identically to a prototype.

It’s a delicate process to mimic the weight, balance and action achieved in prototypes so minute tweaks must be made. Not every company takes the time to do that.

Designing a crankbait to run deep and cast well is easy, but will it dive at a proper angle and deliver that fish-catching action once it hits the bottom? Those are the kind of things we take seriously.

For example, when we designed the 6XD, arguably one of the most popular deep diving crankbaits on the market, we went through eight or nine versions to get the final product we have today. It cost several thousands of dollars for each prototype until we finally got the final version to perform the way it is today.

My role with KVD series baits is to offer input, test and sign off on each step of the process, something I take very seriously as does every other Strike King pro whose name is affiliated with a Strike King signature series baits.

In addition, Strike King uses each pro’s area of expertise; you’ll see Greg Hackney and Denny Brauer’s names on jigs and Mark Davis’ name on a lot of plastics and structure baits.

Not every lure catches fish in every situation. But I can assure you that the baits designed by the Strike King pro staff have had a tremendous amount of testing leading to their development.

私がストライク・キングとの関係について気に入っている多くの要素のうちの1つは、私が日々魚を釣るために使うルアー・デザインへの関与があることです。

会社の社員たちはみな熱心な釣り人であり、ルアー開発のあらゆる段階でプロの知識を活用することの重要性を知っています。プロスタッフはルアー制作に深く関わっており、競争の激しいトーナメントツアーで成功するためのルアーを作るチームとして働いています。ルアーのデザインだけでなく、ニューカラーの導入についても関わっています。

私は幸運にも信じられないほど多くのルアーの開発に関わってきました。良い例としては、KVD 1.5スクエアビルクランクベイトとレッドアイシャドがあり、それぞれが連続してバスマスタークラシックを獲得するのに役立ちました。

実際には、会社が早春にリリースするルアーのいくつかがバスマスタークラシックに試験導入され、条件にマッチしたとき、そのクラシックでの成功のチャンスを高めることを目標としていることは偶然ではありません。私たちは現在、来年のハートウェルレイク・クラシックを念頭に置いて新しいホッパーをいくつか用意しています。

新しいルアーを設計して作成するには、多くの事前の考慮と計画が必要です。ルアー開発にこれほど多くの時間、お金、そして資源を投資する会社を私は他に見たことがありません。

ジグ、スピナーベイト、ワームなどのルアーは、割と簡単で素早く作ることができます。この場合、サイズ、ヘッド形状、シルエットを決めたら、適切で質の高い他の要素を追加していきます。

ストライクキングが作るすべてのワームは、塩の量や柔らかさについて同じ配合にはしないので、ワームを作るのにも少し時間がかかることがあります。

あなたが今、使用しているストライク・キングのルアーの中には、発売までに2年もかかったものがあります。すべてのメーカーがそうしているとは限りませんが。

例えば、私たちは、フォーミュラの配合や、いいアクションを生み出すための適切な塩の含量をいろいろ試し、ワームを育てていこうとします。これでより魚にとって魅力的になっていきます。ここであまりにも多く配合すると、ワームに重量と硬さが加わってしまいます。例えば、オッチョというワームは、非常に柔らかくありつつも高い塩含量を有し、良いフォールスピードがありながら微妙なシミーアクションをし、バスがバイトしたくなるようなアクションを出す「パーフェクトワーム」と呼べる配合になりました。ドリームショットやハーフシェルのようなワームは、ダウンショットで使うときに必要なナチュラルアクションを生み出す、より柔らかい素材で作られています。

ハードルアーはより困難で、高価で、時間もかかります。最新のテクノロジーによりハードルアーのプロトモデルを作るまでは改善されましたが、量産モデルのクランクベイトにプロトと同じようなアクションをさせるのにはまだ長い手順が必要です。

プロトモデルでOKが出たウエイト、バランス、アクションを模倣するというのは難しいプロセスで、微調整が必​​要です。すべてのメーカーがそこに時間をかけるわけではありませんが。

クランクベイトを潜らせてうまく泳ぐように設計するのは簡単ですが、適切な角度で潜り、ボトムに当たったときに魚を捕まえることができるのか?私たちはそこに真剣に取り組んでいるのです。

たとえば、市場で最も人気のあるディープダイビングクランクの1つである6XDを設計したとき、我々は製品が完成に至るまでに8から9のバージョンを使いました。このように最終バージョンを完成させるまでには、プロトタイプごとに数千ドルのコストがかかります。

私が請け負うKVDシリーズのルアーへの役割は、プロセスの各段階において情報・データなどのインプット、テスト、OKサインを提供することになっており、ストライクキングのシグネチャシリーズのルアーに関係するストライクキングに所属する他のプロも同じように、真剣に取り組んでいます。

さらに、ストライク・キングは各プロの専門分野を採用しています。ジグにはマーク・デイビスの名前を、グレッグ・ハックニーとデニー・ブライアの名前は多くのワームなどに表示されています。

すべてのルアーがすべての状況で魚を捕まえるわけではありません。しかし、ストライク・キングのプロスタッフが設計したルアーには、開発につながる膨大な量のテストがあることを私が保証します。


 

いかがでしたか。

ストライクキングのKVDのワームは他のものに比べてかなり高いと感じる方は多かったかと思いますが、KVDの名前で高く売ってるというわけではなく、ワームによって素材が全然違うんですね。

悪い意味で引き合いに出すわけではないのですが、たとえばゲーリーのワームは、ほとんどのワームが同じ素材で統一されています。(最近は比重の違う素材を張り合わせたラミネートという商品ラインナップもあります)これにより、製造コストが抑えられますし、それで釣れるのですからわざわざ配合を変える必要はありません。

KVDシリーズのワームはそこにひと手間加え、使用目的ごとに素材の配合を変えて作るということですから、開発時間や機械設備投資や人件費が増えるのは当然ですよね。それが、売価に反映して高くなってしまいます。

しかし、結果としてクラシック4回優勝という偉業を成し遂げたメーカーでもありますので、その価値も対価として証明されていると言ってもいいと思います。

 

ストライクキングのプレスリリースを読むと、Lew’sによる買収はあくまでも資金提供としてのもので、リスペクトもあり、ストライクキング社の方針を変えようというようないわゆる「乗っ取り」的なイメージは感じられません。

今後も安心してストライクキングの製品を試していってもいいのではないでしょうか。

 

ちなみに、文中に登場したケビンバンダム氏が作ったドリームショットとハーフシェルですが、いい感じのカラーが当店にもございます。

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ストライクキング・KVDドリームショット4インチの売場へ行く

 

ケビン・バンダム:ルアー制作の話ケビン・バンダム:ルアー制作の話

ストライクキング・ハーフシェル 3.5インチの売場へ行く

 

ともにダウンショット用に開発されたワームということで、スモールマウス戦では優勝した実績のあるワームです。

ぜひお試しくださいませ。

 

それでは、また。

 

毎度ありがとうございます!